浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

일테노레 / イルテノーレでオペラ歌手の誕生と名作の誕生に涙する

 

 

★★★★★

 


・2024年2月25日(日) 14時

・芸術の殿堂 CJトウォル劇場

・ユン・イソン: 서경수 (ソ・ギョンス)

 ソ・ジニョン: 박지연 (パク・ジヨン)

 イ・スハン: 전재홍 (チョン・ジェホン)

 

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また韓国の創作ミュージカルに名作が生まれてしまった。その初演に立ち会えて心から良かった。

 


🤵🏻元祖マイ推しの成長ストーリーでもある

 

評判良かったので千秋楽に滑り込み(と思ったら延長されたw)。グァンホ・ウンテももちろん気になったけど、チケット取れなかったりスケジュール合わなかったりで初心に戻りソ・ギョンス。

 

私はあまり俳優個人を強く推すことはないので、個人的な思いを抱くことも少ないんだけど…ソギョンスは私がハンミュ沼落ちした原因になった張本人で、2016年に初めての韓国ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」を見た時にその歌声と長身と筋肉に魅せられて、韓国に通うようになったのでした。インザハイツではベニーをやっていて、それがいまやグァンホやウンテと並ぶほどに!二人に比べたら人気やチケットパワーはまだまだかもしれないけど、韓国ミュージカルに引き込んでくれた人が着実に成長していて嬉しいし感慨深いな〜と本作のキャストが発表された時は思ったのでした。

 

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それでも今回本作を見ることになって、ベテランがやるような役を本当にこなせるのか?微塵ほどの心配の気持ちはあったけど、本当に見事に演じ切っていたし、ソギョンスでこそこの作品を見ることができてよかったなと思いました。

 

他キャストは見てないから想像だけど、一番若かったから、等身大の若々しいイソンが見られたのではないかと思う。夢中になれるものを見つけてどんどんのめり込んでいく姿が、見ていてこちらまで心踊るし、微笑ましかった。好きなものが見つかるって本当に幸せなことだし、どんどんハマっていく時の興奮やときめきは何物にも変えがたい。

 

ソギョンスはミュージカル俳優しかいないミュージカル系の授賞式とかの場でも「ミュージカルが大好きなソ・ギョンスです」って自己紹介しちゃうくらい、本人もミュージカルが大好きみたいだから、きっとミュージカルと出会った時もこんな感じだったんだろうなと勝手に想像したり。成長過程がリアルに感じられたし、体が大きいだけに内向的な部分は逆に際立ち、他方で舞台に立つ場面では舞台映えして、オペラ歌手になるべくして生まれたイソンの天性を感じることができた。ソギョンスがいるイルテノーレ、私にとっては完璧だった。

 

そりゃああの曲たちをグァンホでも聞きたかったけどさ!というかグァンホはいつ何時も聞きたいんだけど。でも最初の方にイソンが「歌ってみたら案外うまいじゃん!」ってなるくだり、グァンホなら純粋に「いやもっと早く気づいてるだろ普通!!」ってなりそう。笑

 

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🤵🏻幕間にハンカチのご準備を

 

しばらくは、イソンがオペラに出会って、仲間と出会って、大切な人もできて、みんなで試行錯誤しながら舞台作りに励んで…と、独立運動の怪しい雲行きはありつつも、明るい雰囲気なんだけど、オペラ舞台本番の感情ジェットコースターがすんごい。涙もジェットコースター。

 

イソンがカマキ暗殺計画を知ってジニョンに詰め寄り、独立運動への想いも分かりつつも、一生懸命作り上げてきた舞台壊さないでくれと訴えるあたりから涙腺がもうダメだったんだけど、その後イソンが決死の覚悟で舞台上からジニョンに向かって全身全霊で歌う曲は、その後の結末を知っていても全私が泣いた。

 

親に縁を切られてまでオペラにのめり込んで、苦労を乗り越えて作り上げた舞台。暗殺計画のために全編を通すことができないなら、せめてフィナーレを歌ってから終わらせたいという思いと、最期にジニョンに愛していたと伝えたい想いと…。「君が僕の始まりであり、終わりでもある」という歌詞、この場のことにとどまらず、その後のイソンの人生が終わる時のことまでも示唆していて、二人の全てが詰まっているなと思いました。声を詰まらせるのを我慢しながら、ジニョンを見つめて声を張り上げて歌うイソンの姿が脳裏から離れません。

 

結果としてジニョンは、最期にイソンのこの歌を聴くことができて幸せだったんじゃないかな。そして老いたイソンが最後に歌う『夢の重さ』も、締め括りにふさわしい、切なくも力強く美しい旋律で戦慄しっぱなしでした(ダジャレで感動台無し

 

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ジニョン役のパクジヨンさん、何気にお初。低めの声で、ジニョンのような芯の強い役がすごく似合っていたので、レベッカの「私」とかやってる姿があまり想像できない。小さい体からよくあんな力強い声が出るなぁ。序盤はだいぶ高圧的なキャラクターだったけど、イソンに出会って丸くなったのかな?凛としたジニョンですごく良かった。

 

スハン役のチョン・ジェホンさんもすごくいい低い声で、イケメンだった。男子高生にしてはだいぶ渋くて、学ランより革ジャンの方が圧倒的に似合ってたけど笑

 

アンサンブルもいつも以上に上手な人ばかりで、声楽が得意な人が集められていた印象。キャラクターもそれぞれ個性的で、ピアニストと語学が得意な子の恋があったりしてちょこちょこ笑えます。ベイカー先生も可愛らしかったし。ベイカー先生のルー語は何気に助かった。

 

イソンがオペラの練習室に入った時のベイカー先生と女学生たち、ぎこちないイソンとのわちゃわちゃした掛け合いは可愛すぎてずっと見ていたかった!あとイソンがピアノを弾きながら、ジニョンと「このオペラのここが好き、あそこが好き」ってやってる時。顔が近づきすぎたことに照れて楽譜遠くにぶん投げるイソンww ここ、楽譜を拾いながら二人でわちゃわちゃしてる時にパクジヨンさんが素で爆笑しちゃってセリフ続けられなくなってた。笑

 

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久しぶりの芸術の殿堂だったけど、CJトウォル劇場はサイズ感がちょうど良くて、舞台との一体感を感じることができますね。『イル・テノーレ』、派手さはないけどストーリーの完成度は高いし、美しい曲ばかりだし、泣けるし笑えるし、初演に立ち会えたことが自慢できる作品でしたありがとう。

 

以上!

 

 

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드라큘라 /ドラキュラがこれなら喜んでスレイブになる。というかなった

 

 

★★★★★

 

・2024年2月24日(土) 19時

・シャーロッテシアター

・ドラキュラ: 전동석(チョン・ドンソク)

 ミナ: 임혜영(イム・へヨン)

 ヴァン・ヘルシング: 박은석(パク・ウンソク)

 ジョナサン: 진태화(チン・テファ)

 ルーシー: 이예은(イ・イェウン)

 




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ドンソク氏今日も絶好調だったなー!見るのコロナ前以来だけども。

しかし相変わらずスタイルいい!顔もいい!声もいい!タキシードが似合う!ロングコートも似合う!ミナとの身長差萌え!ハンミュの宝!

 

何回も見てる俳優なのに、老人から若返る時の声とビジュアルがイケメンすぎてびっくりした。老人ボイスもしばらく聞いてたら慣れてくるけど、やっぱり若い声は全然違うし、あの声色の使い分けはすごい。そしてパッとマントが取れた時に現れた光る君…!カッコ良すぎてスレイブになりかけた。

 

その後も出てくる度に端正な顔立ちと長い手足に衣装が似合いすぎてて、もうファッションショーだった。ドラコレ。ドンコレ?

ドラキュラの影だけが写し出される演出が印象的だったけど、スタイルがいいと影までスタイルがいい(当たり前)

 

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そんなドンキュルが駅まで追いかけてきて「電車脱線させた」とか言うのは確かにちょっと引くけど、私がミナなら記憶戻らなくてもちょっとくらいなびくぞ?いやコロっと寝返るぞ?

だってあんな歌うま王子が涙ながらに懇願してくるんだよ?(駅で)そして跪いてきてるんだよ?(駅で)魂の叫びを歌い上げているんだよ?(駅で)自分のために嗚咽してるんだよ?(駅で)

 

それはいいとしてドンキュル、ヴァン・ヘルシングとの対決の時なんてベッドから大ジャンプで飛び降りてて、ハジけすぎててこっちが一瞬我に返ってしまった。

 

あとミナと交信する時の棺桶ゴンドラwww あれ知らなくて、神秘的でいい場面なのに結構面白がって見てしまった。

棺桶といえば終盤に舞台上でしきりに立ったり寝かされたり開いたり閉まったりしてるゴンドラも不思議。わりと大きな音立てて倒れたりしてたけどww というかあれ立つ必要あるか?

 

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閑話休題、ミナもいいけどルーシーもいいなぁ〜。私も赤いドレス着て暗がりで血を吸われたい、そして飛びついて抱っこしてもらってベッドに寝かされて血を吸われたい(これら全て妄想ではなく、実際に舞台上の出来事)。

ルーシーは女2のわりに、何気にいい役だよなぁ。ドラキュラとの絡みも多いし。このミュージカルで一番好きな曲はドラキュラとルーシーのLife After Life。

 

というかイムヘヨンさんが40オーバーと知って驚愕したのですが…20代にしか見えん…何したらそうなるの…?若い娘の生き血でも吸ったの…?吸血鬼なの…?

くるくるおめめが可愛すぎるんだけども。声も可愛い。小動物みたいで可愛い。守りたい。これは確かにスレイブになって人間の血を吸ってラリってたら嫌だ。ドラキュラ、最後はナイス判断だったのか…。

 

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こういう禁断の愛もの(?)って、多くのヒロインはなびきつつも既存パートナーに添い遂げるか(POTO、マディソン郡の橋)、既存パートナーは構わず禁断の愛に身を投じることが多いと思うんだけど(MA、エクスカリバー、アンナカレーニナ)、ミナはジョナサンに添い遂げたいという気持ちを持ちつつもなし崩し的にドラキュラに惹かれていってしまって、結局はドラキュラに身を捧げることにするという、あまり見ないパターンなのかな。

あの後はどうなるんだろう。ジョナサンはミナを変わらず愛していると言いそうだけど、ミナはドラキュラを愛してしまった自分がジョナサンと一緒になるわけにはいかない、と言って身を引こうとしそう。

 

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冒頭でジョナサンがスレイブたちに襲われる時、自分の十字架ネックレスをちぎってブン投げるのいいよね。欲望のスレイブになってる感じで。ミナもヴァンヘルシングにもらったやつちぎってノールックで投げ捨ててたけど。みんな十字架を何だと思ってるんだw

ジョナサンのシーンは事前にプレコ動画見たら、スレイブの動きが結構セクシーで、何か血を吸う以外のこともしてませんか?まぁそういう寓意もあるのかもしれないけど?と思うほどでちょっとハラハラしてたのですが、今回はそこまで露骨じゃなくてホッとしました。

 

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まぁそうやってプレスコールを見たり、あらすじも読んでいったけど、ドンソク氏に見惚れたり聞き惚れたり、物語の大筋を追うのに精一杯で、曲の歌詞とか、特に二幕の細かいやりとりとか、ミナやドラキュラの心境の変化とか、追いきれていないところがたくさんあるので、ぜひまたリベンジしなければ。

 

以上!

 

 

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레미제라블 / レ・ミゼラブルに間に合う夢破れて

 

 

★★★★★

 

・2024年2月24日(土) 14時

・ブルースクエア

ジャン・バルジャン: 민우혁(ミン・ウヒョク)

 ジャベール: 김우현(キム・ウヒョン)

 ファンティーヌ: 조정은(チョ・ジョンウン)

 アンジョルラス: 김성식(キム・ソンシク)

 エポニーヌ: 김수하(キム・スハ)

 コゼット: 이상아(イ・サンア)

 マリウス: 윤은오(ユン・ウノ)

 

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なんとソウル行きの飛行機が遅れ、しかも入国の列が混雑しすぎて、会場に着くのが20分ぐらい遅れてしまったぁあぁぁ。I Dreamed a Dreamはロビーのモニターで見ました…チョジョンウンさんのファンティーヌ絶対よかったのに…

 

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瀕死のファンティーヌの横で対峙するバルジャンとジャベール、格闘しながらあんなに歌えるのすごいんだけど。殴り殴られ、地面に転げたりしてるのに歌が全くぶれない!

 

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ミン・ウヒョクさん、ウィキッドのフィエロアイーダのラダメスは見ていて、それも7-8年前(!)なんだけど、健康的な青年の役のイメージが強かったから、今回のジャンバルジャンはミンウヒョクさんと知りながら「誰!?」という感じで見ていました。おひげで顔もよく見えないし。でも声もだいぶ低めで歌っていて重厚感があって、包容力のある父親像がうまく演出されていたと思います。

 

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キムウヒョンさんも男臭くて好きなんだけど、ジャベールもダンディで良かったな。特に後半のカツラがあまり似合ってないのが残念w 橋から飛び降りるシーン、スローモーションで遠ざかっていったけどあれどうなってるんだろ…。

 

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アンジョルラス役のキムソンシク氏は、とても声が出ていたし太めの声で朗々と歌っていてうまかった。これからいい役がついていくじゃないかな〜。と思ってたらマタハリのアルマンとかはやったことあるのね。知名度や出演歴見てもそれだけちょっと浮いてるからよく分からんキャスティングだけど(失礼 でも歌うまいし高身長で舞台映えするから、今後どんどん出てくると期待したい。

 

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Do You Hear The People Sing や One Day Moreは、本作のみならずアンジョルラスのハイライトでもあると思うけど、そんな彼が引っ張っていて頼もしかったです。ガブローシュの子役くんもハツラツとしていてよかった!

 

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コゼットとマリウスは映画版のビジュアルが良すぎて、申し訳ないんだけど、舞台版では目が物足りなさを感じてしまった。今回の二人も美男美女だったし、駄目だったわけでは決してなく、エディ・レッドメインアマンダ・サイフリッドはなかなか超えられないわよね。うんごめん。映画版もA Heart Full of Love、大好きなんだよね~。

 

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エポニーヌのキムスハさんは、エヴァ・ノブルザダに声が似てて、ミス・サイゴンのキムをやってほしいと歌を聞いてて思った(決して顔がどろどろだったからではない)。と思ったら既にガッツリやってた。私の耳すごい。

 

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今回初めて「レ・ミゼラブル」を見ましたが、ミュージカルがいいと原作も読みたくなりますね。ヴィクトル・ユーゴー作品は「ノートルダム・ド・パリ」も大好きだったから、レミゼもきっといい作品なんだろうなぁ。大作すぎて手をつける勇気が出ないけど、今年いっぱいくらいかけたら読み終わるかな。いや次にレミゼを見る時までに……笑

 

以上!

 

 

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ボイルド・ドイル・オン・ザ・トイル・トレイル、Frozen Holidayでクリスマスと正月と雪組100周年を祝う

 

 

★★★★★


・2024年1月7日(日) 11時

東京宝塚劇場

・ドイル: 彩風咲奈

 ルイーザ: 夢白あや

 シャーロック・ホームズ: 朝美絢



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2024年観劇初めは雪組。宝塚もなんやかんやあるけど、舞台は相変わらずさすがの完成度。

 

次回公演のベルバラは彩風さん退団公演でもあるから、きっと見られないとして、今回で見るの最後になるかしら。彩風さん、セクシーだし、真風さんが退団してからは一番高身長なトップさんだったから、高身長フェチとしては好きだったんだけれども。

 

退団といえば和希そらさんは今回で退団なのも、とても残念〜。今回も圧倒的に歌うまくて、声が良くて、いつも聴き惚れました。

 

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✒️ボイルドイルドイロロイドドイルロドイル

 

・タイトル一生言えん。

 

・ホームズではなく作者のドイルに焦点を当てて、ドイルが自信の創作物であるホームズに翻弄される様子を描いているのは面白い。ホームズは一度ドイルに殺されるけど、それによってドイルもまた堕ちそうになるという運命共同体

 

・ホームズがラップするのも斬新。もっとやってほしかった。

 

・彩風さん、おひげはもちろん似合うんだけど、おひげ無しの方が好き。

 

・夢白さんは顔の形が綺麗。お人形みたい。

 

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🎍Frozen Holiday

 

・野口先生とは衣装の趣味が合うので、今回もいいなぁと思う衣装多数。

 

・盆と正月ならぬ、クリスマスと正月が一緒に来たようなショー(大体一緒に来る)。


めちゃくちゃ踊る神父とシスター。そして神父は抜群に歌うま。惜しまれるソラカズキ。

 

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・鏡付き回転円形寝そべり群舞すごい。宙組「デリシュー!」の時のマカロンタワー思いだした。

 

・超越雪祭男子とは。笑 そしてその文字をバックに映し出す意味。


・からの360度変わって、人生のメリーゴーランド。やはり名曲。濃緑の衣装もシックで素敵だった。トップ二人だけのデュエダンはなく、代わりに(?)彩風さんと和希さんが二人だけで踊るシーンがあってエモ。

 

以上!

 

 

デビルが国と言語を超えて白黒つけにきた

 

 

★★★★★

 


・2023年7月16日(日)12:30

・ヒューリック東京

・X-White:マイケル・リー

 X-Black:ハン・チサン

 ジョン・ファウスト:チェ・ミヌ

 グレッチェン:Akane Liv

 ジョンの影:大山真志

 

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前に韓国でよく見たもののよく分からなかった『ザ・デビル』、日本版『デビル』としてリベンジチャンス到来!

 

マイケル先生は全身白を着るとジーザスみがすごい。舞台に十字架あるし。


ハンチサンはセクシーなX-Blackだったなぁ。やっぱりああいう役やらせるとうまい。ちょいワルロック系。ノリノリすぎてたまにマイケル・ジャクソン入ってたけど。舞台にマイケルが二人いた(?)


そしてチサンブラックは顔が妙に青白くて、マイケルホワイトは何気に日焼けしてて、服の色と顔の色が逆だな〜とかどうでもいいこと考えてた。笑


韓国人キャストを多数交えて作り上げられた今回の作品、言語的には日本語なんだろうけど、どうなるんだろうと、その辺りも気になっていました。

結果的には基本は全員日本語、でもマイケル先生だけ基本英語でハモったりするところだけ日本語。ラテン語の歌詞も出てきたりするので、マイケル先生については歌い始める度に「これは何語?英語っぽくないから日本語?あ、ラテン語か」と判別するのにちょっと時間がかかった。歌詞自体は後ろに映し出されるから、歌ってることの意味が分からないということはなかったけど。

別に英語で歌うのは全然悪くないんだけど、逆に「全部日本語で頑張ってくれてハンチサンありがとう〜!」ってなる。チェミヌ氏もセリフ多いのに日本語お上手だった。


あとはセリフが多いジョンにはJohn’s Shadowというキャラがついていて、ジョンのセリフを代弁したり補足したりしている。このキャラは韓国版にはいなかったので、今回工夫したポイントなのではと思う。あまり違和感なかったし、ジョンと一緒に歌う場面では歌に厚みが出ていたので、よかったと思う。


背景に歌詞がかっこよくプロジェクションされてたから、聞きなれない聖書的な言葉も聞き取りやすかった。あとラテン語のところはラテン語に加えて日本語で意味が写し出されていたり。色んな工夫をして、言語の壁を超えた作品が出来上がっていて素晴らしいなと思いました。どんな作品でもできるわけじゃないんだろうけど、こういうコラボは新しいミュージカルの形としてアリ寄りの大アリだと思う。

 

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前に韓国で見た時は、言葉も聞き取れずあまりストーリーも分からずでそこまで刺さらなかった本作ですが、今回よく分かって、解釈の仕方も変わりました。


前見た時は、ホワイトはなぜジョンたちに手を差し伸べないのだろう、傍観しているだけなのだろうともどかしく思っていたけど、当時のその解釈が間違っていたんだなと分かりました。

ブラックもホワイトも、ジョンたちに対して何かアクションを起こす存在なのではなくて、逆に彼らが選択したことを反映する存在。だからジョンが「選択したのはぼく」と言っているし、悪に手を染める度にブラックの力も増していく。

その結果ジョンとグレッチェンが窮地に陥っても、ホワイトは何かできるでもない。反対にジョンがグレッチェンを救うために自ら命を絶つ選択をした結果として、ホワイト=光が強くなり、闇を覆った。闇が光に満たされた結果、グレッチェンもジョンも光の中で元に戻ることができた。のだと思いました。


そして早口でジョンの悪行をアンサンブルの人たちが歌ったりするところは、韓国語だったら絶対に分からなかった。金融用語も多くて、日本語でもよく分からないんだもの。ジョンの会社が敵対的買収をした会社の社長さんが自殺しちゃうくだりとかも、言葉でしか説明されてないから誰の何の話なのか分からなかったと思う。


ともかく私は、この企画のおかげで日本にいながらマイケルリーとハンチサン見ることができたし、国内外俳優のコラボという新しい取り組みを見ることができたし、消化不良だった作品を少しは理解することができたしで、色んな面で大満足ミュージカル体験でした。

 


以上!

 

カジノ・ロワイヤル〜我が名はボンド〜でさようなら、私が愛したスパイ

 

 

★★★★★


・2023年5月25日(木)18時

東京宝塚劇場

ジェームズ・ボンド:真風涼帆

 デルフィーヌ:潤花

 ル・シッフル:芹香斗亜


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スーツ姿で登場した真風さん、ブラック系のアイシャドウに濃いめ眉毛で、いつもよりさらに男臭い!

 

オトコ真風!

 

漢と書いて真風と読む!

 

本家の漢ダニエル・クレイグに勝るとも劣らない男臭さ。

スタイルの良さは真風ボンドに軍配ですね。やはり高身長×スーツは正義。そして眉をひそめてタバコを咥える漢真風もまたかっちょいい。

 

ポスターにも載ってるけど、カジノの時の、白スーツに胸に赤いバラに黒い腹巻きってすごいボンドって感じで好き。あれが似合うのもさすがすぎる漢真風。なのに、たまに入る「ビービービー」からの腕時計通信が絶妙にダサいのよ。笑

 

世界の錚々たる諜報機関のスパイ同士がすごい大声で自己紹介してるのうける。飲みにいこうぜ〜ってわちゃわちゃしてるのとか。

 

ツヴァイシュタイン、名前からしアインシュタインに負けてるやないかい!とつっこんでしまいたくなるけど、若翔りつさんという歌うまさんを発見できてよかったです。ツヴァイシュタインがルシッフルの許で働くことになった経緯を説明する歌は、大戦と冷戦に翻弄される科学者の境遇がよく分かって面白かった。

 

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なぜ名前がデルフィーヌならイルカの生まれ変わりなんだろう?ドファン(仏語でイルカ)→デルフィーヌへの変形なのかな。

イルカソング、歌詞が図鑑の説明みたいなんだけど。「イルカは知性がある。人を助ける高等生物」って笑

あとデルフィーヌが社交の場なのにずっとミニスカワンピやブーツでドレスコードガン無視してるのは少し気になった。ボンドガールにしては少し子どもっぽすぎやしないかい。いいところのお嬢さんなんだし。

 

まぁそこは目を瞑れば、あとはエンドレススーツ&タキシード祭りが繰り広げられているので大変目の保養。レザージャケットも最高。ヴェスパーの青いロングドレスも素敵。

 

真風さんはアナスタシア、シャーロック・ホームズ、ハイローと見ていて、高身長フェチの私としてはトップさんたちの中でも特にカッコよく見えて、推してる方でした。最後までカッコよかった。もっと色んな漢真風を見てみたかった。

 

潤花さんも、何度も言ってるけど、大きな目と不敵な笑みがセクシー&キュートで、お顔が本当に好み。オフの天真爛漫な姿や真風さんとの絡みも最高に面白いけど、初めてちゃんと見たアイリーン・アドラーの時からその蠱惑的な魅力がずっと印象深くて、大人っぽい真風さんにぴったりでした。

 

退団後も活躍を見守りたい二人に、ウォッカマティーニで乾杯!

 

以上!

 

 

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미드나잇:앤틀러스 / ミッドナイト:アントラーズ やはり大学路は欠かせない

 

 

★★★★★

 

・2023年4月16日(日)15時

・Culture Space NU

・ビジター:박민성(パク・ミンソン)

 マン:노희찬(ノ・ヒチャン)

 ウーマン:정우연(チョン・ウヨン)

 マルチ:정종환(チョン・ジョンファン)

 マルチ:이미주(イ・ミジュ)

 

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久しぶりに大学路でミュージカル見た!やっぱり大学路ミュージカルはいいですわ。お手頃価格で良質な作品が見られる。いくらでも渡韓できるなら、大学路縛りのハンミュツアーとかしたいくらい。

 


『ミッドナイト』は韓国の観客が好きそうな「人ならざる存在が出てくるサスペンスもの」。私もサスペンス好きだから、初演の時からずっと気になってる作品でした。

 

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登場人物はメイン3人とマルチ2人だけど、マルチも他と同じくらい活躍していて、5人をほぼ等しく楽しめる作品でした。女性マルチのイ・ミジュさんは声がよく通っていて特にうまく感じたな。

 


ウーマンもお淑やかなのに、途中でビジター相手に豹変して猟奇的なまでのガッツを発揮。こういう時って女性の方が強いのかもしれない。「死体(と思っているもの)の処理、するわよ‼︎」って息巻いてるのを、「『風と共に去りぬ』のスカーレットみたいだなぁ」と思いながら見てました。家に侵入してきた北兵を殺した時の、あのガッツ。

 

パク・ミンソンさんも確か初めて?大柄で逆らえない感じのビジター。

 

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ずっと同じセットで場面転換もないし、難しいセリフが多くて分からないところも多かったけど、とりあえず前日に見た「ベートーヴェン」よりは内容が豊富なことが分かりました。あれは本当に何だったんだ。笑

 

以上!

 

 

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