浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

팬텀 / ファントムなら劇場系三大芸術が一度に楽しめちゃう!

 

 

★★★★★


・2016年12月17日(土) 14時
・ブルースクエアの大きい方
・ファントム:박효신(パク・ヒョシン)
    クリスティーヌ:김순영(キム・スニョン)
    カリエール:이희정(イ・フェジョン)
    カルロッタ:신영숙(シン・ヨンスク)

 

 

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🎼始まりはミーハー心から

 

本作のキャストが発表された当初の私:

パク・ウンテとチョン・ドンソクは分かるけど、真ん中の人は誰だろー。
パク・ヒョシンっていうんだ。ポップシンガーね、ふ〜ん。
と、実は彼が一番の有名人だったことは微塵も知らず、日程が合えばパク・ウンテあたり見たいなーくらいに思っていたのだけど。


キャストが発表されてから、俄かに騒がしくなったインスタおすすめページ(インスタが最大の情報源
あ、この動画あの人じゃん、ファントムのスチールで真ん中にいる、鼻高めの…(ぽち

 

 

 

(なんか忘れたけどコンサートの一場面)

 

 


…何この人うまい!!

 

 

 

しかも私の好きな、ハスキーかすれ系だけど声量たっぷりボイス…!!
あ、こっちにも動画が、あっちにも動画が…
ファントムやモーツァルト!、トートの時の動画もあるじゃん!
というかこの声すごいファントムっぽい!
と見ているうちに、すっかり生でも見たくなってしまったパク・ヒョシン。

 

 

だが彼は、ミュージカル俳優の何倍もの人を集める人気歌手。チケットなんて発売開始後3分で売り切れていた…。

 

 

ところがある日、突如として「今だっ…!!!」という感覚が降臨し、インターパークを開いたら……
一席、キャンセルで空きがあるではないか…!!!これは取れということか。見ろということなのかっ!!
などと考えている暇もなく、条件反射的にポチってました。勝利。しかもわりといい席。
その代わり、こちらもとても感動すると噂の某冬恒例二人ミュージカルが残念ながら犠牲になったんだけど、ミーハー心には勝てないから仕方ない。


そんなわけで認知からとんとん拍子で拝見することになったパクヒョシン氏。

 


いやー良かった。
ミーハー目線ですが、仮面をしていながらもカリスマ性あるし、純朴ファントムで可愛げのあるところもいい。
ハスキーな声はファントムの謎めいた雰囲気にぴったり。だけど爆発力もあるから、静かな曲から声を張る曲まで、一貫した安定感でファントムを演じきっていた。

そして発声が声楽ではないのに、オペラ歌手に全く負けない声量…!
ミュージカルの歌唱法が、オペラの歌唱法と違和感なく対等に絡み合ってたのが新鮮で、そしてなんだか嬉しかった。


ファントムは劇中全く顔を見せないので、一瞬でも俳優のご尊顔を拝したいファン(とミーハー)のために、カーテンコール後にファントムが後ろを向いたまま仮面を脱ぎ、バッと振り返ると同時に暗転するというサービス(?)がついてきました。
音楽と照明と動作が計算しつくされ、全てが揃っていないと顔が見えなかったり、見えすぎたりでかっこ悪いことになってしまうが…

なんとこの日はタイミングが見事に揃っており、観客1,800人が恋い焦がれるスターの顔が…

 


0.3秒くらいしか見えなかったー\(^0^)/

 


しかも顔の3分の1くらいー\(^0^)/

 

 

さすがスターやわ(何

 

顔ちょい出しチラリズムで、ミーハー心さえも掴んで放さない手練手管よ。
ということで満たされたのか満たされてないのか分からない、ミーハー体験feat. パクヒョシンでした。
いつかトートも見たいなぁ。

 

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🎼オペラ座のファントムが二人いた場合


今回の制作まで全くノーマークだった「ファントム」。「オペラ座の怪人」とはちょっと違うのかなー、くらいの知識(少

でも両方知ってみるとなんだか私、こちらの方が全体的に好きかも。何というか、ストレスフリーに楽しめる。

 

ロイドウェバー版の怪人は、クリスティーヌを得るために監禁したり卑怯な取引を提示するところが捻くれてるというか、愛情が倒錯してて、純粋に同情できないんだよね。それどころか若干キモいしイラッとする。笑

 

対してこちらはそんなことはしないどころか、フィリップ(ラウル的なポジション)と仲良くなるクリスティーヌを見て、ひたすら落ち込むというナイーブさ。
自分の容姿が醜くて、一途に愛するヒロインのために何かしてあげたいんだけど怖がらせるのは不本意で、そして他の男性と近しくなるのを見ているしかないのは、ノートルダムのカジモドと似てるなと思った。これはカジモド目線の物語なんだ、と。

 

そんなわけでファントムは卑怯なことをしない分クリスティーヌの反感も買わないため、クリスティーヌも最後までずっとファントムを愛してて、それが最後のシーンでのお涙を倍増すると思うの。

 

あとは父と息子の関係がよりフィーチャー。
モジャ!にしろキンキーブーツにしろ、父と息子の関係って今まであまり共感して見たことがなかったのよね。自分が当事者になることがないから。


でも本作の父と息子シーンは何だかえらく感傷に浸っちゃったわ。二人の過去と真実と思ひ出と愛情と顔と窮地と、全てがどろどろになってファントムとカリエールから放出されてるんだもの。この後に何が待ち受けてるかを知ってると尚更泣ける。

ちなみにヒョシン氏は泣きすぎて、衣装の袖で顔拭いてました(やめたげて

 

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🎼3in1でお値段以上ミュージカル


「ファントム」は確かにロイドウェバー版のような、誰もが知る有名ナンバーを持つわけではないんだけど、逆にどの曲も「聞かせる」から捨て曲がない。


これは歌唱力が担保されていないと成り立たないだろうし(というか双方にとって苦行になりそう)、正直言うと子守唄になりそうな曲も多いので、「聞かせ続ける」のには特に歌のうまさが大事な作品だろうと思ふ。

 

その点、今回見た四作の中でファントムは、ずば抜けた安定感を誇っていたな。
クリスティーヌ役は本職のオペラ歌手だったし、そうでない人もどこかで声楽のトレーニング経験があるんでしょう。みんな本当に気持ち良いくらい声出てたね。

 

特に驚いたのはカルロッタ役のシンヨンスクさん。実はモジャ!のヴァルトシュテッテン夫人以来二度目のご対面だったという。
その時も脇をがっちり固めてたけど、今回はさらに本領発揮してたな。存在感あって、ふてぶてしくて、でもどこか憎めなくて、滑稽で、下手な歌の演技がすごく上手い。というかもはや歌普通にうまいんだけども。

 

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あとはバレエも、本作の大きな見どころ。
若いカリエールとベラドーヴァのパドドゥが本当にうっとりする美しさだった。バレエ久しぶりに見たけど、あんなに優雅で美しいと思ったのも珍しいかも。間違いなく見どころの一つ。
しかしバレリーナはつくづく綺麗な体ですなぁ。

 

ということでミュージカルなのに、オペラもバレエも本格的に堪能できるばかりか、人間の体ってこんなに美しいのか!人間の声ってこんなに美しいのか!と思わせてくれる本作。
この舞台に立てる人は幸せだなぁ。何かしらの美を持っているということだから。

 

上演期間中に訪韓する機会があったらリピート有力作です。他のファントム役も有望すぎて見たすぎる。

 


以上!

 

 

 

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マーダー・バラッドの薄い話を少し深く考える方法

 

 

★★★★★ 

・2016年11月12日(土)17:30

天王洲銀河劇場

・ナレーター:濱田めぐみ

  サラ:平野綾

 トム:中川晃教

 マイケル:橋本さとし

 

 

何年か前にハンミュでやってたのを知ってて気になっていたので、再演される時に備えて予習しに見にいった作品。

かっこよかったし、私でも名前を知ってるミュージカル俳優勢揃いなだけあって、皆うまかった。ノーストレスで見れました(大事

 

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All is about the ナレーター

 

魅力の多い本作ですが、なんと言ってもこの話のミソはラストの衝撃よね。衝撃の理由は、「物語論」で読み解けるのではないかと考えました。物語論については、私は「そういうのがある」に毛が生えたくらいしか知らないのだけれども…

 

ともかく、ナレーターと、その他3人が生きている世界=物語世界とは独立している、ということが前提。

ナレーターは、オープニング曲でまだ各キャラがニュートラルな状態で舞台上に現れるところに始まり、話が進展してもずっと物語世界の外にいて、出来事を客観的に描写している。

 

物語中の人物だったら絶対に知らないような各キャラの事情にも通じているし、状況や感情の解説もする。時にはサラたちを見て、他人事のようにケラケラ笑っている。いわば、語り手と物語世界の間に距離があるものとして進んでいく作品。

 

そんな調子なのに、その語り手が、最後の最後でいきなり、その物語世界に!爆乱入!しかも登場人物を、まさかの!バットで!撲殺!することで、物語が突如として結末を迎える。その唐突さと暴力性たるや、「ひぐらしのなく頃に」もびっくり(古い

 

これは、それまで「物語と、その世界の外にいるナレーター」という構図を見ていて、バーではサラ・トム・マイケルの間だけで決着がつくと思っていた観賞者にとっては、衝撃的な「?!」を与えると思うのです。大前提であるはずの構図が突然に、そして(文字通り)暴力的な方法で破壊されたわけですから!

 

撲殺の動機はなんか、トムの彼女だったからみたいなことになってるけど、多分力点はナレーターが物語世界「内」の人物を殺すことにあって、ほんとは理由は何でも良かったんじゃないかなと思うんだよね。

 

何なら、誰が死んでも良かったくらいじゃないかしら。でもさすがにサラやマイケルを殺したら、そこで話が終わるに終わらなくなって、せっかくの「?!」の衝撃も薄れちゃうから、トムが選ばれたんだと思う。不運なトム。

 

だからトムのバーテン彼女ってのは実在していなくて、物語世界にナレーターが飛び込んでくるあの一瞬だけそれっぽく見えてるの。未解決事件になってるのもその証拠!だって彼女はいないのだから!物語世界とナレーターの世界が、一瞬交差してしまっただけなのだから!

 

と謎に力説しましたが、要は(?)人間は何てことないことで殺し、殺されるのね。

 

 

その他コメンツ&ツッコミ

 

・本作、正直話の筋は大したことないので、演技と歌のうまさと曲の好みが合うかが大事。私は好きだった。

 

・英語の元の歌詞をそのまま使っている部分が多々あって、いい割り切り方だったと思う。日本語訳の歌でしばしば発生する、少ない音に歌詞を詰め込みすぎてさだまさしの曲みたいになる現象(名づけて「さだまさし現象」)がかなり抑えられていた印象。ただ発音が良すぎて(?)、英語なのか日本語なのかさえ分からないところがたまーにあった。

 

・バーカウンターやビリヤード台の上を寝たり座ったり滑ったりしてるのに、サラのストッキングが全然破れない!すげー!ほしー!と思ってたら、やっぱり最後に盛大に穴空いてた。丈夫なストッキング探しの旅は続く…。

 

 

以上!

 

 

 

 

 

미스터쇼 / Mr. SHOWの筋肉は極上!目が肥えて困るわ!

 

 

 

 

★★★★★


・2016年10月27日(木)20時
・シンハンカードファンスクエア
・MC:정철호(チョン・チョルホ)

 

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💋ラインアップはこうよ

 

※ネーミングは感性で付けました。

1.オープニングinスーツ
2.闘う諜報員
3.白Tジーパン
4.緊縛
5.客を巻き込むセクシーバーテンダー
6.サムライ的なやつ
7.いくつになっても学ラン好きでしょ
8.白軍服でthey don't really care about us
9.からの水も滴るいいアイリュッシュ
10.からのカーテンコールでシュガーと握手

 

好きだったナンバー:
5.私も筋肉触りたかった。パンツは脱がなくてよい。
8.と9.マイケルが好きだからってのもあるし、いい体は水が滴ってなんぼでしょ(何

 


💋思ったよりもガンガンくるわよ

 

見ながらの感想の脳内分布

・韓国女子やばい 50%
・パクカリン女史やばい 25%
・筋肉やばい 25%


韓国でこんなの上演したらさぞ盛り上がるだろうと、思ってはいましたが、韓国のおなごたちにとっては私の想像以上に鼻血モンだったようです。例えば最初の曲の様子:

 

 

〜ミスターズ登場(着衣)、セクシーダンス〜

隣の席のおなご「フー!ぱちぱちぱち」

 

 

〜脱ぎ始めるミスターたち、上裸くらい〜

隣の席のおなご「オモ、オモオモオモ!」

 

 

〜場も温まり(アツくなり)、ズボンをビリビリ脱ぎ捨てる〜

隣の席のおなご「きゃー!きゃあぁぁ!!」

 

 

〜頂点までヒートアップ、飛んでゆくパンツ〜

隣のry「ゔぉおぉ!!ゔぅおおぉゔぉぉおぉ!!!」

 

 

〜曲が終わり、暗転〜

隣「ぜぇぜぇ…はぁ…はぁ」

 

 

その後全曲で、大体同じことを繰り返してました。ジェットコースターにでも乗ったんですか?みたいな。笑 隣の子に限らず、みんな目と口から鼻血出してました。

 

いやこれ、舞台上で起こってることも面白いけど(8人して真面目な顔で筋肉アピールダンスしてる場面とか特にツボ)、客席の反応見てるだけでも十分楽しめるw

 

私もいくら筋肉好きとは言っても、さすがに初見の男性がパンツ脱ぐのを見て、あんな奇声はあげられないからな…修行が足りないのかしら(何の
とにかく韓国女子のパワー&反応の良さ&日々の鬱憤(?)すげーな、ということに一番関心した一夜であった。

 


そしてこれを作り上げたパクカリン女史もすげい!
着想はCrazy Horse Parisあたりから得たんじゃないかな、と大変勝手に思ってるんだけど、それにしてもオトコバージョン、ここまでやるとは!
だってぽいぽい脱ぐし、観客にぐいぐい寄ってくるし、ぽいぽい脱ぐし、観客に向かって妖艶に腰振るし、ぽいぽい脱ぐし、観客を舞台に上げて筋肉触らせるし、ぽいぽい脱ry


美魔女パクカリン女史が演出してる現場を見てみたい。そこもっとお尻突き出して!とか、ここはもう全部脱いじゃいましょう☆とか言うのかな。

 

でも脱いでもなんぼの(?)ミスターたちは、脱いだら脱いだで筋肉とプロポーションはもちろん完璧すぎて、もはや芸術作品。見ながらMy Best 美筋を決めようとしてたんだけど(何してるんだ)、甲乙つけがたい美筋揃いで決まりませんでした。結果、満遍なくガン見してました。眼福眼福。やはり筋肉is正義。


さすがにパンツまで脱がなくてもいいけど、「見て!」と潔くアピールしてもらえるとこちらも心置きなく眺められるからいいよね(何の話
というか初っぱなの曲から脱ぎすぎて感覚が麻痺し、次の曲でまた服着て出てくると「何で着てるの(´・ω・`)?」てなる。服着てて筋肉見えないと意外とフツメン。爆

 

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💋 色んな間(ハザマ)をつかさどるMC

 

そんなおなごたちと漢(おとこ)たちのハザマで、最初は元気なあんちゃんだったのに、どんどん言動がオネエになっていくMC。笑

 

MCは曲と曲の間で登場して、前後の曲の受け・導入をするとともに観客と絡んで、場をさらに盛り上げる役回り。私が見た時は小柄で顔も可愛い、金髪モヒカンがトレードマークのチョン・チョルホMC。

 

舞台上で言葉を発するのは彼だけという中、その日の観客の反応を見つつ一人でボケツッコミを繰り広げる機転が必要。

 


「さぁみんな、こういうセクシーな男性を見た時の喘ぎ方を練習するわよ。お手本を見せてあげるから後に続いてね。こうやって集中して…(目を瞑り瞑想)」

 

観客「くすくすくすっ」

 

 

MC「何よもう!集中できないじゃない!もう一度、深呼吸して…

(すーーーっ)

 


あぁあぁぁぁんっ♡」

 


観客「くすくすっ…ぱちぱちぱち」

 


MC「ぱちぱちじゃないの!やるのよ!はい右側の皆さん、せーの!」

 

右側の皆さん「あーん(棒読み)」

 


MC「ヘタくそねぇ!次、左側の皆さん!」


左側の皆さん「あぁぁーん!」

 


MC「まぁまぁね。じゃあ最後は真ん中のみんな!!」


真ん中の一人「アァーーーーーッ!!!(超金切声」

 

MC「!!! 驚いた。あんたが一番うまい。負けたわ!」

 


何対決www

 

 

でも実は同MC、かわいい顔して自身も相当ムキムキ。
ミスターが出てくると思いきや、フェイントで「MCでしたー(^0^)/」みたいなことすると明らさまに「お前かよ!」な悲しい反応を受けてたのに、その後自身の盛り上げもあって観客はどんどん熱狂し、最終的には(なぜか)脱いだMCのムキムキを見て大盛り上がりw
この時がこの日一番の盛り上がりだったんじゃないか。私も引きづられて、そういうギャップも悪くないなとか思っちゃったじゃないかww 普段別に可愛い系は興味ないのにwwww

 

とりあえずMCを入れるっていうの、最初なんでーと思ったけどすごい良いアイディアだった!韓国語がもっと分かればさらに楽しいんだろうなー。
他の日本人のお客さんにも簡単な日本語で話しかけてたから、そういう人を選んでるのかしら。後ろの席も一列全部どっかのアジアの国の人たちだったし、香港から来たお客さんもいたし、わりと国際色豊かな客席だった。

 

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やはり筋肉は世界を救うのね!

 

 

以上!

 

 

 

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씨왓아이워너씨/See What I Wanna Seeは至近距離で見たい俳優が見れる!

 

 

 

★★★★☆


・2016年10月26日(水)20時
・ホンデアートセンター
・盛遠/夫/会計士:최수형(チェ・スヒョン)
   袈裟/妻/女優:문혜원(ムン・ヘウォン)
   強盗/記者:최재림(チェ・ジェリム)
   警備員/神父:이준혁(イ・ジュンヒョク)
   霊媒師/叔母:조진아(チョ・ジナ)

 

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👁客も俳優も面白いフォーメーションをするよ!

 

何と言っても本作、まず特筆すべきは舞台が三角形。舞台の各辺を

   C
A▽B

とすると、辺C側にオケピがあり、辺Aと辺Bに客席。Cの両端に客席の出入り口があって、そこから俳優も出入りするという珍しいスタイル(というかそこ以外に出入り口がない)。


AとBの両方が正面で、俳優やセットはあっち向いたりこっち向いたりする。でも元々人の動きと入れ替わりが激しい作品だから、不自然ではない。むしろ360°舞台を使い切ってて新鮮!
舞台が三角形だから、俳優のフォーメーションも線対称だったり点対称だったり。夫から見た、妻とジェリムがいちゃいちゃしてるシーンが幾何フォーメーションでかっこよかった。ていうかこの三人のシーン大体かっこ良かったな!一人ずつ一頂点に立って展開するBig moneyとかも。

 

それと各頂点には出番じゃない俳優が椅子に座って待機するから、席が端っこになっても「きゃ!俳優さんが目の前に座ってるわ!」というのが味わえちゃう。その距離1m以内。

 

私はB側に座ってたけど、Bの方が若干正面になることが多かったかも。ジェリムが人妻の靴にキスするところも見えます(いらん情報

 

あと客席のこの配置、V字の向こう側の客席がほぼ正面から見えるから、客席がどんな風に見えてるかが見れて面白い。要は光が結構届いてても、客はどんぐりの背比べに見えてるのね。

 

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三角舞台の各頂点の上には画面が吊るしてあって、それが各々の場面に合った画像や動画を映し出してる。例えば袈裟と盛遠のシーンだったら月夜(それも三つの画面で月は常に一つという凝りっぷり)、夫妻と強盗のシーンは怪しい木立、神父のシーンなら天使の彫刻、などなど。セットがほぼ椅子と机のみだから、画面が背景の代わりなのね。


二幕で各キャラがそれぞれ歌う時には、その役を演じてる俳優の苦悩映像が流れる。キャストは都度変わるから、その日流れる俳優の映像も差し替えてるってことだよね。芸が細かいのう。


あとは記者が公園でリポートする時は、手持ちのカメラを画面に繋いで、本当に「中継」してたり。ただでさえ近い俳優さんたちの顔が、どアップで見られます。

 

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👁袈裟と盛遠とスクッといそいそ

 

この画面がずっと何かを映し出してるから、完全な暗転というのはなくて、シーン間の移動は丸見え。


だから場面転換もそれなりに考えられてて、大体カッコよく移動出来てるんだけど、さすがに死んだ人が生き返るのが見えるのには笑ったw

 

例えば各幕冒頭の袈裟と盛遠のシーン。
曲の最後で向かい合ったと思ったら、いきなりバッ!と二人同時に着物を脱ぎ捨てる(いわゆる露出狂のあの動き)
→互いに駆け寄り刺し違える瞬間暗転
→暗い中スクッ
→脱いだ服拾う
→いそいそと退場w
または一幕で三回も死ぬ夫も、その度にスクッ→いそいそしてた。まぁ死んだシーンの後がそうなるのも仕方ないけどね笑

 

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そんな夫を演じたチェ・スヒョン氏、意外にも今回初めて!こんなに仲間内で話題になってたのに笑 顔濃くて体も大きいから、夫役でおしゃれスーツをキメてた時はカッコよかった!タクシー会社社長とは思えない程度には!すぐに縛られて惨めな感じになっちゃうんだけどね!
あと盛遠の時も、あのぺちゃっとした謎のハーフアップカツラは見逃すとして、脱いだ瞬間すごいむきむき☆一瞬しか見えないのが惜しいわ。暗転後も暗闇で頑張って目を凝らしちゃったじゃないのよ。

 

ていうか!袈裟と盛遠のシーン!の、袈裟!
着物の襟が逆!女性も左が前だよう!
お隣の国なんだし、そこんとこよろしく!

 

そんな袈裟役のムンへウォンさん、絶対どこかで見たことがある気がするんだけど…でも出演歴見たら何も被ってなかったのよね。動画かな、過去のヘドウィグとかの。
そしてイツァーク経験者なだけあって、演技も歌もすごくうまかった!どのキャラのどの歌も完成されてて、ベテラン感があった。妻が夫を罵しる曲とか、よくこんなに吐き捨てるように発話(?)しながら、正確に歌えるなと。
一幕の赤いドレス姿もセクシーだったけど、女優役でスポーツウェア姿見てびっくりしたのは、腹がバキッている!やはり女優さんはトレーニングを欠かさないのね〜私もがむばるわ。

 

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👁その他コメンツ&ツッコミ

 

二、三の小作品をさくっと見るようにも楽しめるし、真実やら偽りやらを見出して哲学的に見ることもできるミュージカル。

 

各キャラが同じくらいの重さだから、好きな俳優・気になる俳優が複数出てる人には堪らないと思う!実際私もジェリム氏とチェ・スヒョン氏が見たくて選んだし。ペクヒョンフンとカンピルソクも見たかったけどなー。

 

そして「藪の中」や「袈裟と盛遠」を読んでみるいい機会になった。「竜」は読むタイミング逃した。いつか読む。

 

 

以上!

 

 

 

 

인 더 하이츠 / イン・ザ・ハイツ10.23 横浜でピラグエロの新たな魅力を発見

 

 

 

★★★★★

・2016年10月23日12時

・KAAT神奈川芸術劇場

・ウスナビ:정원영(チョン・ウォニョン)

  ベニー:キム・ヒョンジュン

  バネッサ:Jmin

  ニーナ:ルナ

  ピラグエロ:キム・ナムホ

 

 

🌉スルメ俳優ピラグエロ

 

3回目にして、ピラグエロの声好きだなと思った。低くてかすれてるけど声量があって、哀愁がありつつセクシー。私が一時期ハマったファン・チヨルの声に似てる。今度何かに出てたら見に行ってみようかな。

 

あとルナちゃんも二度目だったけど、一度目よりもさらに声が良くなってた気がする!澄んだ綺麗な声だった。今回のガールズはルナ×Jminが当たりだったわ。

 

気のせいかも知れないけど、前半はソロのマイクがアンサンブルや演奏に比べて小さかった気が。みんな歌ってる時なんかは、声張ってる部分じゃないとはっきりと聞きづらかった。後半には直ってたと思う。

 

 

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🌉最後まで韓国スタイルにすればいいのに

 

終演後にハイタッチの会なるものがあって、ウスナビ、ベニー、ソニー、ピラグアとハイタッチ可。縦に並んだ四人の前を、片手上げた状態の小走りで通過させるという、運動会みたいな謎システム。

 

四人が立ってたのがガラス張りの壁の前で、吹き抜けの反対側から見えるようになってたんだけど、なんとガラスを遮るように衝立が置かれてて。ファンの方々は吹き抜けの向こうに立って、衝立同士の数センチの隙間から一生懸命、出演者の姿を捉えようとしていた。

 

色々とオトナの事情があるのかもしれないけど、日本ももう少しファンサービスに寛容にすればいいのにー。サインや写真撮影までしてもらわなくても、出待ちの時に一瞬目が合っただけで、ファンになることもあるってもんよ。多分。

 

ともかく、衝立を立ててまで隠すなんてちょっといじわる、と思っちゃった。この辺、日本は「出し惜しみ商法」で、韓国は「気前よくアピール商法」なんだなと再認識した、今年3回目のインザハイツでした。

 

 

以上!

 

 

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ブロードウェイ版Kinky Bootsを観るならハイヒールにトレンチコートでしょ!

 

 

 

★★★★★


・2016年10月14日18:30

・シアターオーブ

・ローラ:ジェイ・ハリソン・ジー

 チャーリー:アダム・カプラン

 ローレン:ティファニー・エンゲン

 ドン:アーロン・ウォルポール

 

 

ということで、本当にハイヒールとトレンチコートで見にいきました。

 

 

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👢ローラ
めっちゃスタイルいい。三角筋上腕二頭筋のシェイプが素晴らしい。
あとメイクした顔が似てるのか、全体的にビヨンセぽい。歌もうまくて言うことなし。ブラック系ってどうしてあんなに歌がうまいんだ。

 

👢エンジェルズ
真ん中の2,3人はすごくスタイルがいい。やはりスタイルがいい方が衣装映え・舞台映えするよねー。
韓国版キンキーはこちらと比べちゃうと、スタイルでは劣っていたけど(それでも皆ナイスバディだったよ!)、6人全員の身長と体型が揃っていたのは、韓国版の方がよかったな。粒ぞろいって感じで。

 

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👢チャーリー
あんまり若社長っぽさはないけど、田舎っぽさはあった。笑 もう少し若々しさは出せないもんかね。
あと歌い方がねばっこくて、ソロ部分とかもはや聞き取れなかったw チャーリーは韓国版のイジフンの方がよかったね。By far.

 

👢ローレン
ちゃんとかわいくて、ちゃんと面白い。「ニコラ」の言い方は音源の方が好きかな。変な声でかくかくって言うやつ。

 

👢ニコラ
この作品の中で一番美形じゃないといけないのってニコラだと思うのよね。そんなに悪くなかったけど、もっと分かりやすい美人だと尚よいと思いました(何様w

 

👢ドン
ところでカーテンコールでドンのところでいつも一際盛り上がるのって、役者というよりはそのキャラに対してだから、何だか役得だよなーといつも思ってしまう。笑

 


以上!

 

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浮かれポンチアワード 2016年9月期

 

 

🏆🏵🎗🏅🎖浮かれポンチアワード🎖🏅🎗🏵🏆

 


🏵2016年9月期
ノミネート作品:Trace Uジャック・ザ・リッパーキンキー・ブーツゴーン・トゥモローあの日々
(秋の歌うまブロマンスシリーズ)

 

🏅最優秀女優賞:キム・イェウォン(『ジャック』、グロリア)
  明朗な歌声と健気な演技が評価されました!

 

🏅最優秀男優賞:キム・ジェボム(『ゴーン』、洪鐘宇)
  溢れ出る切実さと苦悩が評価されました!

 

🏅最優秀コンビ賞:カン・ピルソク&キム・ジェボム(『ゴーン』、金玉均&洪鐘宇)
  溶け合う力強いデュエットが評価されました!

 

🏅最優秀楽曲賞:『ゴーン・トゥモロー』
🏅最優秀再演希望賞:『ゴーン・トゥモロー』
  じわじわと込み上げてくる良さが評価されました!

 

🏅最優秀ノスタルジック賞:『あの日々』
  しみじみとする哀愁が評価されました!

 

🏅最優秀パワフル若者賞:『Trace U』
  爆発的なロックと観客の盛り上がりが評価されました!

 

🏅最優秀甘いマスク賞:オ・ジョンヒョク(『あの日々』、ムヨン)
  甘い歌声と顔面、美しい腕筋が評価されました!

 

🏅最優秀切れ長賞:ペク・ヒョンフン(『Trace U』、ク・ボナ)
  クールな切れ長な目とたくましい腕筋が評価されました!

 

🏅最優秀空気砲ボイス賞:リュ・ジョンハン(『ジャック』、ダニエル)
  空気砲のように鼓膜に迫り来る歌声が評価されました!

 

🏅最優秀セクシー賞:キム・ジュンヒョン(『ジャック』、アンダーソン)
  高身長セクシーヒゲイケボが評価されました!

 

🏅最優秀絶対領域賞:イ・ジフン(『キンキー』、チャーリー)
  計算され尽くした絶対領域が評価されました!

 

 

 

 以上!