浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

신과 함께 / 神と共にってよく考えたら神は出てこないような

 

 

★★★★★

・2018年4月8日(日)14時

・芸術の殿堂 CJトウォル劇場

・チン・ギハン:김용한(キム・ヨンハン)

 クァンリム:서경수(ソ・ギョンス)

 キム・ジャホン:이창용(イ・チャンヨン)

 ヘウォンメク:최정수(チェ・ジョンス)

 ドクチュン:이혜수(イ・ヘス)

 ユ兵隊(怨霊):강상준(カン・サンジュン)

 

 

このミュージカルは「神と共に」のうち、「-あの世編-」についてです。

 

一応事前に単語を辞書で引きひき、ウェブ漫画を読んでいきました。いい話でした。ミュージカル版は、あちこちで少しだけ変更がありますが、ほとんど気にならないくらい原作漫画に忠実です。以下にあらすじを書き起こしてみますが、漫画とミュージカルの両方を思い出しながら書いたので、その二つが混ざっていると思われます。「大体こんな話」くらいに思っていただければ。

ちなみに私の調べでは、映画版では主人公のプロフィールががらっと変わったりしているみたい。

 

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👹長すぎてあらすじとは呼べないあらすじ

 

飲酒に起因する肝臓病で亡くなった中年男性キム・ジャホン。三人の死神(グァンリム(ゲジ眉男気リーダー)・ヘウォンメク(剣クールガイ)・ドクチュン(純真ボブガール))がお迎えにきて、他の死者たちとともにあの世行き電車に乗る。

あの世は結構寒いらしく、行商人が死者たちにモモヒキを売りに来る。お金がなくてモモヒキが買えないおばあさんに、ジャホンは突然手元に現れた紙幣でモモヒキを買ってあげる(ちょうどの「この世」のジャホンの葬儀で、参列者が棺に紙幣を挟んだタイミングだった)。

とそこで、乗客のうち、カーキ色のポンチョを頭からすっぽり被った不気味な人物が「このままでは死ねない…!」と口走ったかと思えば、電車のドアが開いた隙をついて逃げ出してしまった!死神たちはすぐにその後を追いかける。

 

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~ここからストーリーが二つに分かれます。~

 

@あの世のストーリー

そのままあの世行き列車に乗るキム・ジャホンは到着後、若手弁護士チン・ギハンと出会う。ジャホンはこの先49日間で地獄の大王たちによる7回の審判を受け、全てで無罪を勝ち取らなければ地獄に落ちてしまう。チン弁護士はその弁護を引き受けてくれる国選弁護人だという。

弁護の材料とするために生前の行いの聞き取りが始まるが、キム・ジャホン、善行も悪行もまぁ平凡。これというアピールポイントがない上に、両親より先に死ぬという最大の親不孝をしているため、裁判を有利に進められるのか心配になる。

・地獄1…殺生を審査する刀山地獄。その日の裁判人数枠の最後の方に滑り込んで、審判に疲れた大王が「面倒だから最後三人はまとめて無罪っ!」となり、無罪確定。大王のサボり癖をチン弁護士は統計によって予め把握しており、その狙いが当たった格好。

・三途の川を渡る。着ている服の重さ=罪の重さとなり、それによって川を渡るのに乗れる船が違う。ジャホンたちはモーターボートで、周りのアヒルさんボートや浮き輪に比べれば、悪くない方。川が荒れて船がひっくり返ってしまうが、そこにあの世行き列車でモモヒキを買ってあげたおばあさんがクルーズ船で通りかかり、助けてもらえる。

・地獄2…生前の盗み等を審判する火湯地獄。罪の重さによって溶岩、糞尿、硫酸など入れられる鉄釜が変わる。キム・ジャホンは拾った財布から2万ウォン抜き取って財布を郵便ポストに入れておいたことがあり、それを咎められる。それに対しチン弁護士は、財布は持ち主の手元に戻っており、持ち主としてはカードや身分証などが戻ってくることの方がよほど大事だろう、わずかな現金など取るに足らないものだ、と弁護。大王は納得したものの、無罪にすることはできないとして糞尿鉄釜の清掃を4日間命じる。清掃をこなして地獄2はクリア。

・地獄3…親不孝を審査する氷山地獄。地獄に入る時にジャホンは手足を切り落とされてしまうが、チン弁護士が地獄植物園から肉と骨を生やす花を失敬してきたおがけで手足を取り戻し、いざ裁判。ここではジャホンの両親の胸部X線画像が出てきて、心臓のあたりに釘がいくつも刺さっているのが写っている。一つひとつがジャホンの言動によって両親の心に刺さった釘を現している。家計が苦しいのに塾代を出させたこと、帰省しなかったことなどを咎められ、都度チン弁護士が弁護。最終的に「親に先立つ不孝と、その原因が親から貰った大事な体を飲酒により傷つけたこと」を責められて窮地に陥るが、チン弁護士は物的証拠とともに「被告は誰よりも親を思っており、飲酒も接待だったため仕事を成功させるのにやむを得ないこと。仕事で成功して親を心配させまいとした」と弁護してお咎めなしとなる。クリア。

 

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・地獄4…殺生や盗難、淫行等々五つの罪の重さを総合的に量る剣樹地獄。被告人は秤に乗せられ、各罪の重りが次々と積まれる。ジャホンは基準となる重りよりギリギリ軽く、クリア。

・地獄5…生前の発言を審判する抜舌地獄。主の閻魔大王が農作業姿で待ち構え、到着するや否やどんちゃん騒ぎ@農場。実はこの農場、罪人たちの舌を長ーく引っ張り出して、その上を耕して植樹したもの。一汗流した後にジャホンの生前発言は検索システムにかけられるが、該当するような罪深い発言はなく、地獄5もクリア。それどころか感激した閻魔大王に何でもほしいものを聞かれ、チン弁護士のアドバイスで装甲車をもらう。

・地獄6…生前の周囲の人たちの罪を連帯責任で裁く地獄。装甲車で地獄入口に向っている途中で装甲車ごと穴に落ち、審判前に地獄に落ちてしまう。罪人たちにボコられるところを引き揚げられ、裁判でも無罪。

 

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・地獄7…商業的な罪を審議する鉅骸地獄。有罪になると鋸で切られる。ジャホンは生前、下請会社に無理を強いたこと理由に切断されそうになるが、「彼も他の人たち同様、必死に生きてきた」というチン弁護士の熱弁(熱唱)により許され、無事に7つの地獄をクリア。転生できることになる。

ストーリーが進むにつれ、チン弁護士は個人弁護士事務所を立ち上げており、キム・ジャホンの弁護が初仕事ではあるが、弁護士養成学校(校長:地蔵菩薩)では何世紀に一度のレベルの天才と評されていたことが分かる。そのレベルであれば大手弁護士事務所に入って善人の弁護だけすればよく、ありとあらゆる特権が付与される立場になれたが、チン・ギハンはあえてその道を選ばなかった。それは善人の弁護をするばかりでは、困っている人を救えないから。通常ならありえない選択をしたチン弁護士の奮闘ぶりに、地蔵菩薩閻魔大王が注目している。

 

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@この世のストーリー

電車から逃げたポンチョの怨霊を、死神三人衆が追う。北方警備の使者が攻撃されたことで、怨霊の大体の居場所が分かってそちらへ向うが、ドクチュンが怨霊に拉致されてしまう。

怨霊に向き合ったドクチュンは、怨霊が殺された上に死体を隠蔽されたことを知り、助けにきたクァンリムが渋るのを説得して死体を探し出してあげる。そこで怨霊は、自分が死んだ経緯を語る。

その日自分は軍隊で後輩と二人で警備業務に当たっており、翌日休暇をもらうはずだったが、突然後輩の銃が暴発し、弾が胸に当たってしまった。上官が呼ばれた時点では意識がなかったため、死んだと判断した上官は保身のために部下に命じて穴を掘り、自分を埋めて事件を隠蔽しようとした。埋められている最中に意識が戻ったが、上官は気づいておきながらなおも土をかぶせ続け、自分は穴の中で一日苦しんだ後、息絶えた。そして自分は休暇に出たまま復隊しない脱走兵として処理されてしまった。

ドクチュンたちはこの話に愕然とするが、上官たちは死後裁かれるため今すべきことはないとして、おとなしくなった怨霊をあの世に連れていこうとする。通り道には、怨霊が勤務していた基地があった。その前にはなんと、息子の失踪を不審に感じた年老いた母が、「息子が脱走するはずはなく、真相を解明してほしい」と訴えるプラカードを持って涙ながらに立っていた。毎日のように来ていたのか、老母は息子の怨霊が見ている目の前で基地の軍人たちに邪険に扱われ、追い払われてしまう。自分を探す母が蔑まれる姿を見た怨霊は怨念が爆発し、巨大な悪の力を持つビッグ怨霊(?)になってしまった!そしてクァンリムたちの制止を振り切って逃げてしまう。

 

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このままだと怨霊に上官が復讐されてしまう。逃げた怨霊を探知するドクチュンは、一つでなく二つの魂を感じると報告する。怨霊は既に上官をヤッてしまったのか?だがもう一つの霊は暴発した銃の持ち主、後輩だった。彼も怨霊が亡き者にしてしまったのかと思われたが、実際には逆に、呵責の念から自殺を図った後輩を怨霊は止めようとしたという。後輩のことは許せるが、上官だけはどうしても許せないと怨霊が言っていたと聞き、復讐を防ぐべくクァンリムは宝刀・四寅剣を呼び出す。四寅剣で斬られた怨霊は人間の姿に戻り、今度こそおとなしくあの世に行きますと告げる。

だが男気溢れるクァンリム、あまりにも気の毒な怨霊くんを目の当たりにし、隠蔽上官に烙印を一発カマして死後の地獄行きを約束してくる。さらにはお母さんにも別れを告げたいだろうと、オモニの夢に出して別れの挨拶をさせてあげる。

そうしてやっとあの世の入口までやってきた元・怨霊くん。周りの死者たちが次々に弁護士と合流する中、自分の弁護士だけ見当たらない。極悪人には弁護士がつかないと聞かされていたので、自分もそうなのか…と落胆していると、「お待たせしましたー!」と息を切らして、弁護士のチン・ギハンが現れる。

 

 

👹以下「かかか」(感想は簡潔に書こう)

 

最初スチールを見たときに「なんじゃこりゃ!もみあげクルンにゲジ眉スーツ!劇画かっ?ナンセンス系?」と失礼なことを思ったのですが、実際は上記の通り、結構ちゃんとしたストーリー構成。見た目の滑稽さは、慣れます。

 

セットは、ステージを囲む大きな輪っかが印象的。登場人物たちが輪っかの上を歩いて行き来したり、中央部分が上下して色んなものに見立てられています。

照明もアニメ風。光線がよく出てました。

 

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二幕冒頭のクァンリムとチン・ギハンが「君を救ってみせる」みたいに歌う決意の曲がかっこよかった!頼れるあんちゃんたち!男気!やはりギョンスかっこいい!背が高い!舞台映え!男前!脱いで!

剣の曲もかっこいいし好き。思ったより高い音まで出るギョンス。

 

実はクァンリムダブルキャストのキム・ウヒョンと、チンギハン役のチョ・ヒョンギュンも一度はぜひ見たい俳優。そっちの組み合わせでも見たかったなー!

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そして今回、なななんと!舞台両側に英語字幕がついていました!!これは助かった。グッジョブ。予習していたとは言え、あの世のボキャビュラリーは難しいのでね。あえてこの作品に英語字幕をつけた意味とは?今後もぜひ広まっていってほしい、英語字幕。

 

 

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以上!

 

 

マタハリ上映会が満足度アップしていた件について

 

 

 

★★★★★

 

・2018年3月16日(金)18:40-

・シネマート新宿

マタハリ:チャ・ジヨン

 アルマン:チョン・テグン(VIXXレオ)

 ラドゥ:キム・ジュンヒョン

 

 

まず褒めたいこととしては、去年の初演版の上映会より、画質と音のクォリティが良かった!「金取るならちゃんとせい」という、私の文句もとい願いが届いたのでしょうか。

おかげさまでストレスなく見れました。

 

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マタハリ

 

そして今から全地球が既に知っていることを言いますが、

 

やっぱり

 

チャジヨンさんすげーーうまい!!!

 

去年、再演マタハリを見た時もチャジヨン姐さんで見ましたが、その時はどうやら新しい演出についていくので頭がいっぱいだったよう。

今まではなんとなくオクマタ派でしたが、改めて見たらジヨンマタも大あり。オクさまの叙情的な歌もいいし、ジヨン姐様のしたたかさもまた良し、ね。

そして産休明けとは思えないスタイルの良さ!私もハラが出せるマザーになりたい!(何

 

 

 

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◆アルマン

 

相変わらず顔が小さいレオ氏。初演マタハリではミュージカル俳優としての初々しさ丸出し(褒めてない)でしたが、今回は舞台慣れしたのか堂々としてて、ミュージカル俳優らしくなった印象。歌はジヨン姐御やジュニョン様と比べるとまだまだだけど、そこは独特の声質で埋もれることなく、カバー◎

 

 

ミッション中に撃墜されてしまい、敵から逃れなくてはいけないアルマン:

木の影に隠れてる

歌いながら高まる感情

「神様、1日でもいいので僕に時間をください><!!」

しかし突っ立ってるその場所は森の中の開けたところ

敵に見つかって拘束される

 

ド ジ っ こ か \(^0^)/

 

 

 

◆ラドゥ

 

結局まだ生では見れていない、ジュニョンラドゥ様。でも今回も大きな画面で見ることが出来て、フェロモンぷんぷんすぎて目から鼻血が飛び出しました。

 

まずラドゥの腕まくりたまらん。私はまくられた袖の部分になりたい。

 

そして私も腰ぐいされたい。その為には細くならないと。そろそろ私もウェストと本気で向き合おうと思います。今のところ腹と向き合おうとすると、下っ腹がぼよーんと出ます(聞いてない

 

 

証言しかできないのに法廷に飛んで火にいる夏のインセクト・アルマンと、証拠と辻褄がっちり併せ持っている鉄壁ラドゥの構図が、こないだ見たルドルフとタッフェにくりそつ。しかしラドゥ役の方がジュニョン様のセクシーさ全開でよきよき。

 

 

 

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 ◆その他

 

再演版見るの二回目だからか、字幕があったからか、今回はわりと違和感なくストーリーを飲み込めた。でもやっぱり「もみ合いになってるうちに発砲してアルマン死亡」ってあまりにありがちすぎ!

ところでラドゥはアルマンに対する過失致死罪か何かに問われないのかね?そこは忖度?

 

戦争に行ったまま帰ってこない夫たちの場面と、やっぱりアンナのところが泣ける。

マタのアンナへの当たり方が初演版より少しひどくなってない?「あんたは男に愛されたことがあるの?あなたに男女の何が分かるのよ!」みたいなことを突然吐き捨てるマタ。

おいおい、それは本当だとしてもちょっとひどいんじゃないかい?アンナだって、これまでずっと寸胴なメガネおばさんだったわけじゃないんだぜ?多分?

 

 

以上!

 

 

킹키부츠 / キンキーブーツのジェリムローラは色々でかい

 

 

★★★★★

 

・2018年2月18日(日)14時

・ブルースクエア

・ローラ:최재림(チェ・ジェリム)

 チャーリー:김호영(キム・ホヨン)

 ローレン:김지우(キム・ジウ)

 

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チェジェリムのローラキャスティングを最初に知った時にはおったまげー!でしたが、それに続いたのは妙な納得感。

確かにアリ。というか大アリ。

すごい合いそう。なぜ今まで気がつかなかったのか。見たい!

 

というわけで文字通り飛んでいきました。

 

唯一心配というか、気になっていたのはビジュアル。笑

ジェリム氏がメイクしたらどんなオカマになるのか?全く想像がつかなかったけど、さすがの舞台メイク。ふつーにかわいいジェリムローラ。

 

ジェリムローラ。ジェリムローラ。

 

ジェローラ?

 

ジェローラモ?

 

何言ってるかよく分かりませんね。

 

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とにかくドラァグクイーン・ジェローラモは圧倒的身長と歌唱力で終始舞台を席巻していました。

今回はチャーリーもそんなに背が高くなかったし、エンジェルたちも普通くらいだったので、常にジェローラモだけが頭一つ分出ている感じ。目立つ、目立つ。笑

でもでかいローラもドラァグ感が生々しく出てて、良いと思います。オカマ歴が(多分)浅い分、歴代ローラよりはちょっとヒールで動き回るのにぎこちなさが付き纏ってたけど、じき慣れるでしょう(誰

 

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あとはジェローラモ、声もでかい。余裕で一人だけでかい。笑 前にコンサートのMCで「小さい頃から自分だけやけに声が大きいなとは思っていた」みたいなことは言ってたけど、さもありなんw まぁ主役だし、うまいから全然いいんだけどね。お父さんソング@トイレ(Not My Father’s Sonだっけ)で寝なかったの初めて(おい

というかいつも通り最初眠かったけど、

 

(-。-)zzz…

 

ジェローラモうまっ!(@_@;)!!

 

と目が覚めました。終盤の白ドレスの曲も、もちろん聞かせてくるジェローラモ。「こんなに短い曲だっけ」と思ってしまった。

こりゃ今年6月のコンサートも行かなければ。

 

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そういえばこの日は旧暦の正月だったので、スペシャルイベントとしてくじ引きもやってました。チケットカウンターでチケットを引き換えると、人数分のスクラッチシートをくれます。

景品はなぜかキャンディケインやワイン、あとはキンキーブーツのポスターや靴磨きセットなど。

 

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ワインが当たったらどうしよーきゃー持って帰れない~!なんて思いましたが、心配しなくても私は残念賞のキャンディケインでした。しかしなぜキャンディケイン。

 

以上!

 

 

 

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더 라스트 기스 / ザ・ラスト・キスから「ルドルフ」が取れたワケを誰か教えてくれ

 

 

★★★★★

 

・2018年2月17日(金)18時

・LGアートセンター

・ルドルフ:정동석(チョン・ドンソク)

 マリー:루나(f(x)ルナ)

 ターフェ:김준현(キム・ジュンヒョン)

 ラリッシュ:신영숙(シン・ヨンスク)

 ステファニー:전수미(チョン・スミ)

 

 

この日は旧正月の連休中だったからか、1階も8割くらいしか埋まってなかったし、客層もいつものミュージカルファンというよりは「お正月だから家族で来ました」みたいな人が多くて、いまいち盛り上がりに欠けていたのでした。少し気の毒。

 

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❄キラキラヘタレ王子ルドルフ

 

本作、実はカイ氏で見たいと思っていた。生ではまだ見たことがなくて、でも朗々と歌う感じが好きで、ワイルドホーンの曲にはぴったりじゃないかと思ってたのよね。でもスケジュールが合わなかったので、チョン・ドンソク氏に。

ドンソク氏は評判いいのは知ってたけど、動画見てみたら結構ふつー!歌い方ふつー!うまいけどふつー!と思ってしまい、正直そこまで期待していませんでしたごめんなさい。

 

が!

 

良かったと思います。私は好きだった。聞いてて気持ちのいい声の出方、高身長、端正な顔立ち。低音ボイスの綺麗な王子様。マリーといる時とか、演説してる時は本当にキラキラしていて、私もこんなかっこよくて綺麗で歌うまな王子様に出会いたいー!とそわそわしてしまいました。

が、そんなキラキラ王子の反面、結構なヘタレでもあるルドルフ。すぐお酒に逃げるし、娼館に通うし、自己肯定感も低め。複雑な環境で人格形成がうまくいかなかったのか、もともとそういう気があるのか、またもやその両方なのか、いつも情緒不安定で、すぐ落ち込むしすぐ突っ走る。躁鬱なのかな。

 

 

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と思いはしたものの、ドンドルフには キラキラ王子⇔ヘタレ王子 の落差をもっと鮮明にしてほしかった!キラキラ王子は申し分ないんだけど、ヘタレ王子を通り越してクズ王子になるくらい、もっと堕ちてほしかった。

ヘタレな程度だと、策略失敗して自殺、っていうのが飛躍して見えて、あまり納得感がないというか、「国外追放になったならマリーと二人で暮らせるし、逆にラッキーじゃん」と思ってしまう。そしてそう思った途端、一気に二人の心中を冷めた目で見てしまう。笑

やっぱり心中はさ、のっぴきならない状況じゃないと思いつかないし、見てる方も感情移入できないと思うわけよね。クズなメンタリティに観客を引き込んで、「あーもうこいつならクズヘタレすぎて死ぬしかないわな。でも死ぬの怖くてマリーのこと道連れにするのかなぁ」と思わせるくらい、堕ちてほしかった。マリーも、そんなダメ男に対する恋?愛?という熱に浮かされて心中するくらいにね。相手の男がダメなほど燃える場合って多分あるでしょ。私はないけどね(知らん

ということでルドルフよ、クズであれ。

 

これは演じ方とか関係ないけど、ルドルフって計画してる陰謀の重大さのわりに、ツメが甘いよねーーー。勢いと反発だけというか、やろうとしてること分かってんの?と思っちゃう。普通もっと周到にやるだろって思うのは、韓国ドラマの見すぎかしら。これはこれでいいヘタレエピソードなんだけれども。

 

 

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❄今後もウォッチしたい俳優陣

 

ルナっち、声が綺麗で歌もうまかったよ~。インザハイツよりも歌の難易度もぐんと上がってるのに、美しく歌い上げていたし、抑揚のつけ方もうまい。声量もちゃんとあって、二幕のターフェとのバトルソングWenn das Schicksal Dich ereilt (The Writing’s On The Wall)でも、本気のキム・ジュンヒョンターフェと互角に張り合えていた!

ルナマリーは小柄だけどどこか大人っぽくて、お転婆娘というよりは溌剌としたお姉さんって感じだったけど、これからはポストキム・ボギョン的なポジション(褒めすぎ?)で、色んな役を務めていくんじゃないかと思いました。ところでキム・ボギョンさんはお元気かしら。赤ちゃん元気に生まれたかしら。

キュートな愛らしさで言ったら、キム・ソヒャンのマリーがとても良さそう。彼女も見たかったな。笑った顔が可愛くて好き。

 

ステファニー妃の持ち歌 Du bleist bei mir! がかなり好きなのですが、あれは懇願するのではなく、もっと高圧的に歌ってほしかった。いくらルドルフの愛を得られなくて悲観的になっていても、ルドルフに対しては誇り高く、高飛車に、有無を言わさず「あなたは私のもの」と押さえつけて、ルドルフをさらに追い込む存在であってほしい。

それでこそ、その後に教会で悲嘆に暮れるシーンとのコントラストが出ると思いまふ。このシーンのマリーとステファニーのやりとりとそれに続くデュエット、とても良かったので。チョンスミさん、Du bleist bei mir!みたいな音の高い曲より低い曲の方が得意なのかも知れぬ。というか数いる女優の中で、顔が覚えやすくていい。笑

 

シン・ヨンスクさんと皆大好きキム・ジュンヒョン様は、相変わらずの安定感。相変わらずすぎて逆に言うことなくて申し訳ないんだが、もう韓国ミュージカルはこの二人がいないと締まらない。モーツァルト!の時もこの二人が脇をがっちり固めてたおかげで、見ごたえあるものになってたもんな。

というか、ラリッシュとターフェって昔何かあったのでしょ?何があったの?ラリッシュが「あの男と寝たのは間違いだったわ」って言ったように聞こえたのは、さすがに聞き間違いだよね。笑 そんなことマリーにさらっと言わないもんね。

でもでもでも、ラリッシュとターフェのサイドストーリーでミュージカル作ってほしい!もちろんこの二人キャスティングで!実は過去に大恋愛をしていたとか、ラリッシュを守るためにターフェは策略家にならざるを得なかったとか、そういうやつ。

 

今後ジュンヒョン様にはノートルダムドパリのフロロとかもやってほしいわ。私がエスメラルダで、フェビュスを捨ててフロロと地獄に堕ちるのっ。

 

 

 以上!

 

 

Priscilla / プリシラの行き先はアリススプリングスではなく・・・?

 

 

★★★★★

 

・2018年2月10日(土)20時

カジノ・ド・パリ

・ティック(ミッチ):Laurent Ban(ロラン・バン)

 バーナデット:David Alexis(ダヴィッド・アレクシス)

 アダム(フェリシア):Jimmy Bourcereau(ジミー・ブルスロー)

 

 

 

ロラン・バンって来韓アマデウスサリエリやってた人じゃん!数少ない仏ミュで同じ俳優に出会えるなんてー。もしかしてフランスのミュージカル俳優層って結構薄い?

 

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🚌劇場・ド・パリ

 

そこはともかく、今回の会場はパリの老舗の劇場、カジノ・ド・パリ。外壁もエントランスホールもレトロで素敵です。エントランスホールはフューシャのビロード張りにシャンデリア。客席は赤いビロード。

ミュージカルというよりは、レビューでも見にきたいような雰囲気。

 

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客席には、案内係の劇場スタッフが一組ずつ案内してくれます。そのため開演間際になると客席入り口付近は長蛇の列。開演に間に合わせるため、スタッフは一組案内するごとに小走りで入り口の列まで戻ってました。しかし案の定間に合わず、開演は15分遅れる始末。安定のフランスw

 

ところでこの案内係の方々、労働の対価は客のチップのみだそうで、案内してくれたらチップを渡す必要があります。だからきびきびと動けていたのでしょうか。チップもらうなら人をたくさん捌いた方がいいからねw 

チップを渡すことを知らない人やスルーしようとする人には、「我々の報酬はチップだけなんです(にこっ」と爽やかに説明して、チップもらってました。私はポケットに入っていた小銭を出したらまさかの20セント硬貨で、申し訳ないかなと思ったのですが、お兄さんは小銭は少しも見ずに私の目を見てお礼を言ってくれたので、ホッとしたというか礼儀正しい人だなぁと思いました。他の人がいくら渡していたのかは知りません~。

 

あとこの劇場、中央ブロックの一番端の席は折り畳みシートで、その代わり普通の椅子より10ユーロ安いという嬉しい(?)料金体系になっています。はっきり言って座りにくいですが、普通の座席も見たところそんなに快適なわけでもなさそうなので私は別によかったです。ユーロもパリの物価も高い中、10ユーロってバカにならない!

 

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🚌昔若かった人たちも中身はまだまだパリピ

 

仏版プリシラ、果たしてあのヒット曲たちはフランス語に訳されてしまうのか…?と心配してたけど、なんと曲は全てそのまま、英語で歌われていた!しかも歌ってるのフランス人なのに、英語の発音はちゃんとしてた!フランス語訛りじゃなかった!これはあっぱれですぞ。最初口パクかと思ったもん。笑

でもオペラ曲は、さすがに口パクだった。あの部分、他のプロダクションではどうなってるんだろうか。

 

プリシラってかなり前に映画を見たことがあったけど、往年のヒット曲が使われているあたり、ミュージカルになじみのない人でもとっつきやすい作品よね。特に70-80年代に若かった方々?そういうわけなのか、会場はアラフィフ以上の男女で溢れていました。中には車椅子でお越しの白髪のおじいさんまで。

でも若くても聞いたことある曲が必ず何曲かはあるはずだし、私は今回予習して、往年のヒット曲を学んでいい教養の勉強になったなと思いました。これで世代間格差を埋めよう!

 

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どの曲も超有名曲なので、その分ストーリーから浮き出ちゃって「突然歌い出す」感じが否めない本作ですが、派手な衣装がたくさんあって目に楽しいし、各曲にそれぞれの世界観があるしで、「ストーリー付きで衣装がド派手なコンサート」だと思えば十二分に楽しめる作品でした。砂漠にドラァグの衣装っていうアンマッチな感じがいい。

というか実際にコンサートと勘違いしてるのかな?ってくらい、周りでは歌を口ずさんでいる人が多かったです。さすが基本パリピフランス人!

 

そんな衝撃ビジュアル&ディスコ音楽が爆音で流れる中、度々気を失っていたのは私だけだったでしょう。だって時差ボケつらすぎたんだもん。飲んでいったリポビタンDは全く効果なし。次は渡仏2日目の夜には予定入れないようにしよう。

 

 

パリピと言えば、幕間も終わる頃、客とスタッフ全員でYMCAを踊るという謎イベントが突如発生ww

 

突然音楽が流れ出したと思ったら、劇場スタッフが羽根のストールを巻いて「フーーー!」と叫びながら客席に乱入し、座っていた観客を立たせ、手拍子しながら客席中をスキップして移動ww

 

そしてサビになると一人が舞台上に上がり、スタッフも観客も全員で「ワーイエムシエ!」

 

パリピフランス人たちはもちろんノリノリ!

 

そしてこの間、役者は一人も出てきていません。w 映画内で使われてる曲なのは知ってるけど、今回の舞台では歌われてなかったし、完全に流して踊りたいだけだったろww

 

とまぁ、プリシラは客の入りもよく、盛り上がっていたけど正直、フランスにおけるミュージカルの位置付けがまだ捉えきれていませぬ。これもミュージカルの中では一般受けする方だから客が入ってただけかもしれないし、プリシラの地方公演はキャンセルされたものもあるみたい。パリピフランス人にはがっつりストーリー重視の作品より、ストーリー付きコンサートの方が受け入れられるのかしら。でもノートルダム・ド・パリは結構ストーリー重めだしなぁ。

今後もちょくちょく仏ミュを見る機会があればいいなと思います。

 

 

以上!

 

 

혐오스런 마츠코의 일생 / 嫌われ松子の一生。I am notまちゅこ。

 

 

★★★★☆

 

・2017年12月17日(日)19時

・ドゥサンアートセンター・ヨンガンホー

・川尻松子:박혜나(パク・ヘナ)

 川尻笙:정욱진(チョン・ウクジン)

 龍洋一:강동호(カン・ドンホ)

 沢村恵:이영미(イ・ヨンミ)

 

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🍓ハコを小さく感じさせる俳優陣

 

宣材写真がとーってもゴージャス!背景が花、花、花。俳優たちを引き立てています。

転じて実際の舞台は特にそんなことはなく、フツーの現代。舞台の真ん中に、くり抜かれた大きなキューブがあって、それが回転しながら松子の部屋、実家、刑務所の壁などになったりします。

 

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パクへナさん、いつもは大きな作品出てるのに、どうしてこれに出たのでしょう?と、悪い意味ではなく純粋に疑問。松子役、すごく合ってたけどね。落ち着きがあって可愛らしいところが、逆に松子の危なげな人生を際立たせていて。ショーパブ?みたいなところで露出高いド派手衣装を着て、歌って踊ってた時の吹っ切れた感じも良かった。わがままボディでいらっしゃるのが、またなんとも現実味があって^^;

歌はもちろん文句なしというか、時たま声量の方が劇場のキャパを凌駕していて、会場が狭く感じるくらい。さすが大劇場を渡り歩く女優である。

 

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あと特筆すべきはねー、沢村恵役のイ・ヨンミさん!歌も見た目も存在感も全てパワフルですごくよかった。舞台が引き締まる、名脇役という感じ。ヘナさんとのデュエットとか聞きたかったなー!きっとすごい声量の渦になってたと思う!

 

リュウ役のカン・ドンホ氏、スリル・ミー以来。スリミで演じていたサイコパス野郎のイメージが強かったので、この役はハマると見ていたが、やはり!擦れたヤク中感丸出しで思ったとおりの怖さだった。ギンッ!と据わった目とか、クスリの禁断症状のところとか、怖すぎw 彼はこういう怖い系の路線で行った方がいいよー。あとヤクザダンス(?)みたいのもちょっとアクロバティックだったけどちゃんとこなしてて、背が高くて映えるしで、かっこいいところもありました。

 

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🍓松子を3次元にするとき

 

嫌われ松子の一生」は映画が韓国でも結構人気で知られた作品みたいで、だからミュージカルもできたのかな?日本では演劇版は既にあるようだが、このミュージカル版も輸出されてきそうである。

 

演劇版はどうだったのか知らないけど、ミュージカルにするにはちょっと登場人物が多すぎかなー。松子の交際相手が多いから、原作知らないとちょっと混乱するみたい。一応折りに触れて説明や台詞がプロジェクションで後ろに映し出されるけど、怒涛のように出ては消える男たちの印象というか、インパクトがいまいち薄い。でもリュウ以外はone of themでもいいのかもしれない(どっち

というかこれに限らず、舞台で文字に頼るのは反則な気がするのは私だけ?

 

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私は個人的には松子にはあまり共感できなくて、積極的にリピしたいとは思わなかったけど、世界観は統一性あったし、話の展開も(人物が多いだけに)テンポよく、俳優も実力者揃いだったので、舞台としては良かったのではないかなと思います。ダンスも多め。

松子に共感できない理由も、共感できない演出だったからではなくて、そもそも自分を大事にしなさすぎだろしっかりしろよと思ってしまうからw 松子とは違って私は、受けるべき愛を受け、恵まれた環境で育ったからそう思えるのかもしれない。ありがたや。

 

以上!

 

 

 

 

타이타닉 / タイタニックは沈めどその魅力は不沈

 

 

★★★★★

 

・2017年12月17日(日)14時

・シャーロッテシアター

・スミス船長:김용수(キム・ヨンス)/ イスメイ会長:이희정(イ・フィジョン)

  アンドリューズ:서경수(ソ・ギョンス)/ブライド:정동화(チョン・ドンファ)

  バレット:켄(VIXXケン)/アリス:윤공주(ユン・コンジュ)

  キャロライン:임혜영(イム・ヘヨン)/チャールズ:서승원(ソ・スンウォン)

  ジム:송원근(ソン・ウォングン)/ケイト・マクゴワン:이지수(イ・ジス)

  ケイト・モリンズ:방글아(バン・グラ)/他

 

 

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皆さんは覚えておられるだろうか。

 

7月にシラノに出演した我らがギョンス(クリスチャン役)を見て、「いつになったらおバカな役を脱するのだ!タイタニックにキャスティングきぼんぬ!」としたためたのを。

 

そしたら本当にキャスティングされたの\(^0^)/

 

しかもタイタニックの設計士\(^0^)/

 

能のある役\(^0^)/

 

そして私の先見の明\(^0^)/

 

まぁ当時はタイタニックのミュージカルって映画と同じ話だと思っていたので、キャスト発表の時は一瞬ハテナマークでしたが、予習を進めるにつれどんどん見るのが楽しみになっていきました。

 

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🚢俳優のビュッフェ:豪華つまみ食いが可能

 

映画と異なりこちらは群像劇で、名前が付いてる役がなんと20個(!)あります。20名の乗客、乗船員が期待と夢に胸を膨らませてタイタニック号に乗るところから、最終的に沈没するまでの大きな流れの中で、各人のストーリーが紹介されていきます。ちょっとキャッツみたいな感じ?

 

キャストが発表された時、何だこの人の多さは~!とびっくらこいたのは、私だけではないでしょう。そりゃあ「超巨大豪華客船タイタニック」のキャストが5人、とかだと物寂しいけどさ…見分けつかないし。と思っていたが、みんなキャラが立ってて意外と大丈夫でした。キャスト多いのに、それなりに名のある俳優を多数揃えてるのも効いている様子。むしろよくこんなに実力者ばかり集められました…!さすがロッテ×ODカンパニー。ちなみに一人何役も演じる俳優が多いので、実際の人物はもっとたくさんいますw

 

というわけで一見何じゃこりゃ状態でしたが、逆に「人がたくさん出る=たくさんの俳優が一度に見られる」というアドバンテージがあって、すごくお得感のある作りでした。

 

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以下全員ではないですが、各俳優に対する私の個人的な思ひ。

 

まずは我らがギョンス設計士!頑張ってた。久しぶりの脳みそのある役だから、疲れるでしょうね。笑 ダブルキャストのムン・ジョンウォンさんがちょいワルオヤジ系だから、それと比べて青二才感出てたらどうしようと思ったけど、生え抜きの秀才サイドに収まってて安心。やはり背が高くてイケメンなので、大人数の舞台でも映えますね!スーツ姿カッコよかった。

ムンさんも、プレコ見たらすごくいい味出してたから、見てみたかったな。ベニーが生え抜きの若い設計士だとしたら、ムン氏はどっしり感がある中堅かな。おじさん二人と対峙する“The Blame” みたいな曲は、そのどっしりがある方が全体の重厚感とか深刻さとかが増すかも分かりませんね。えぇ。(誰

 

ユン・コンジュさんはアイーダ以来。次回作は絶対に見たいと思ってたので、これに出てくれて嬉しかった!しかもアリス役がとてもハマってて。やはり演技も歌もお上手。そして可愛かった~♡

 

二等客仲間キャロライン役のイムヘヨンたそもくりくりお目々のお人形さんみたいで可愛かった♡オペラ座?ファントム?にも出てたらしいけど、歌い方が確かにクリスティーヌダーエぽい。恋人のチャールズもイケメンでお似合い。

 

もう一人のイケメンチョン・ジョンファ氏は大活躍であった。通信士だったと思えば次の曲ではバイオリニストに早変わり、歌って踊って大忙し。歌も演技もうまくて、背は高くないけど存在感あるし、笑いを取るのも余裕綽々。ベテランの安定感でありました。一度は見たかった俳優だけど、またぜひ見にいきたい。

 

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イスメイ会長役のイ・フィジョンさん、いい味出してましたね~いかにも意地汚い金持ちって感じで。笑 ファントムのお父さんと同じ人間とは思えない!(それでいい

 

ケン氏は火夫よりも一等室の乗客の方が似合ってたなw ボンボンな感じで。あと欲を言えばTとKの発音の時にHの音(息?)を入れすぎるのやめてほしい。お仲間のレオ氏もそんな歌い方だった気がするけど、そのグループみんなそうなの?

 

3人のケイトのうちでは、ケイト2号のバン・グラが突出してうまかった。今回歌う機会が少なくて実力出し切れてなかったように思うし、ケイトにしておくのが勿体無いくらい。彼女はこれから伸びると思う!

 

同じくもう少し歌を聴きたかったのは、ジム役ソ・ウォングン。スリル・ミーのプレコで良い低音!と思って注目していたのです。背も高くてかっこいいよね。彼も出番少なかったのが残念だったわー。

 

エッチスとフリートとライトラー役の俳優の顔の見分けがつきませんでしたごめんなさい。どの方も良かったです。

 

カーテンコールは全員一斉に出てきてお辞儀って感じだったけど、これだけ粒揃いなんだから最後は一人ひとりに拍手を送りたかった!せめてグループ毎とか!

 

 

 

🚢舞台に引き込まれ、気づいたら海の中

 

個人的にはセットも俳優も演出も、曲もストーリーも、全部良かった。今回見た4作品の中ではダントツトップの好感度。いや、今年見たものの中でも片手には入る出来だったかな。

 

劇場内に入ると目に飛び込むのは、舞台に縦横無尽にかけられたタラップ。かっこいい!セットはこれがほぼ全て(といっても十分立派)で、あとは家具類が出たり入ったりするくらい。このタラップの上下を活かして陸地、船上、デッキ、機関室、見張り台などが現されます。タラップには無数のライトがついていて、客船の照明になったり、星空になったりして綺麗。

照明や衣装は、全体的に青い(写真では紫っぽいけど…)。個人的には2等客室の2人の女性(アリスとキャロライン)の青x白の衣装が綺麗めで好き。

 

 

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曲は、まずオープニングがよき。みんなが乗船していくときの一連の曲たち大好き!期待に胸を膨らませる乗客乗員を見て、こっちまですごいウキウキして楽しい気持ちになる~(^0^) その分、後半との落差が激しいんだけどね…。

 

あと好きな曲はブライドの”The Night Was Alive”。キラキラした感じが。でぃっでぃだでぃっだーでぃっ♪この曲の時のチョン・ドンファ氏の演技も良かった。彼なら「昔は引きこもりだった」ってのもなんだか納得できるから(笑)、余計今はこの仕事好きなんだなってのが伝わってくる。

 

衝突する直前の”No Moon”からの”Autumn”も好き。見張り番フリートが「月も風もなく、静かな夜」と歌う中、それぞれが思い思いのひと時を過ごす様子が描かれる静かな曲。実際にタイタニックが沈没した夜は、海が静かすぎて氷山にぶつかる波もなく、そのために気づくのが遅れたと言われているようで、「嵐の前の静けさ」を体現したような曲です。

 

今回見る前、毎朝のように”To the Life Boats”と”We’ll Meet Tomorrow”のショーケース動画を通勤中に見て、引き裂かれる人々の姿に涙ぐみ、シュトラウス夫妻のくだりに毎回涙腺が崩壊させていたのです。そして好きな人々は大切にしようと心に誓い、会社に着く頃にはコルチゾール放出終えてスッキリ。しかし本番を前にするとさらに悲しさが増して、ガッツリ泣いてしまいました。

この2曲は作品中で一番緊迫する山場だと思うのですが、限られた時間の中で別れを惜しみ、救命ボートに乗る(乗せる)人々の姿を現すのに逆にスローモーションを多用しているのがとても効果的というか、切迫した状況がより目に焼きついて、あぁ、思い出すだけで泣けてくる。各人があちこちで色んな動きをしているので、スローモーションと言えども目を凝らして方々に注意を払う必要があります。

 

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そして恐ろしいのが、沈没シーン・・・。

救命ボートが全て降ろされ、船に残された人々がそれぞれ最期に向かい合う中、設計士アンドリューズが救命胴衣もつけず、一人タイタニックの図面に向っている。今となって彼は、自身の設計のどこがいけなかったのかを省み、沈没が進むにつれて船体や人々がどうなっていくのかを予見する。それに合わせて上から家具や持ち物や人がどんどん、ワイヤーで釣られてゆっくり「沈んで」くる。あるところまで来るとそれらは上下に浮遊。人はもちろんもう死んでいて、力ない四肢を揺蕩わせている。

まるで舞台全体が海中に沈んだかのような演出で、これがもう衝撃的怖さあんど生々しさ(T_T) 浮いてるのが誰なのか服装で大体分かるから、「あぁあの人やっぱり助からなかったんだな…」と現実を突きつけられた気分になります。

 

最後は生存者に加えて亡くなった人たちまでなぜか出てきて、オープニング時のような雰囲気の中”In Every Age Reprise”が歌われ、不安と前向きな気持ちが混ぜ合わさったメロディーで幕を閉じます。

 

冒頭でアンドリューズが歌っていたこの曲。ピラミッドや大聖堂、ローマの水道橋などを引き合いに出し、あたかも「人間はタイタニックを作ることで人類の限界に挑戦した(そして敗れた)」という美談みたいな空気醸し出してますけど。一個だけいいですか。

 

この沈没事故

 

完全に

 

人災ですから!

 

以上!