★★★★★
・2019年12月5日(木)18:30
・東京建物 Brillia HALL
・モーツァルト:礼 真琴
コンスタンツェ:舞空 瞳
サリエリ:凪七 瑠海
アロイジア:小桜 ほのか
ローゼンベルグ:紫藤 りゅう
ナンネール:桜庭 舞
ジュースマイヤ:極美 慎
マダム・カヴァリエリ: 夢妃 杏瑠
★宝塚ならではのアレンジ
フランス版モーツァルトということで、作品自体も久しぶりに見たかったし、歌うまの礼真琴さんも見たかったのですが、チケット取れなさそうと思っていたら幸運にも機会に恵まれました。星組ですね。
今回のために歌詞も新たに翻訳したのだと思いますが、ちょっと訳詞が適当すぎない?w
序盤の方の曲でモーツァルトが「僕がもし女だったならこじらせ女子だ」と突然歌いだして
こじらせ女子(・・?)
どっから出てきた(・・?)
となったり、他にも思い出せませんがもうちょっと練れたでしょーーーーというところが多々ありました。字余りとか字足らずも。海外モノを日本語に訳すの難しいのはよく承知していますが、ちょっとお粗末だったのは残念…。でも「君のために美しいアリアを書こう」なんて一度でいいから言われてみたい。
もとのフランス版はモーツァルトが光の中に吸い込まれて(死んで)終わり、なのですが、トップスターが「死んで終わり」はまずいからか?エンディングに色々付け加えられてました。
まず、死んだ後なぜかモーツァルトとサリエリが「お互いがいたからこそ頑張れた」とか言って讃え合う
→浅田真央とキムヨナなの?ナダルとフェデラーなの?ロナウドとメッシなの?
いやいや、そんな文脈一瞬もなかったじゃん!だって二人、互角ですらなかったじゃん!w
この二人が絡む曲は確かなかったので、それを入れようとした心意気は大いに歓迎しますが、こんな取って付けたように入れることないわ~。
そして死んだ人も生き返って全員で大団円
→個人的に好きじゃない終わり方。笑 だってそんなのイージーすぎるし、せっかくの作品がチープになると思う。
結果、フランス版よりさらに着地点ブレブレw
これがTHIS IS TAKARAZUKAとは分かるのですが、どうしても作品としての良さも追及してしまうミュージカルファンとしては物申さずにはいられないっ…。
★REI和のライジングスターたち
本編が終わりレビューになって、俳優さんたちがガラッといで立ちを変えて出てくるのが、いつも種明かしみたいで好きです。「さっきまでは仮の姿でした、実はこんな姿ですーじゃじゃーん!」って感じで。
たまに変わりすぎて分からない人もいますが…。劇中でヒゲつけてる人と眼鏡かけてる人は、大体ぱっと見では分からず、「このポジションで踊ってるということはあの人なのかな…?」と推測するばかり。今回はローゼンベルクさんがヒゲ眼鏡だったので難儀しましたが、途中であの特徴的な前髪に気がついて、無事に種明かされました。
しかし「モーツァルト」なのに突然タンゴ踊ってたのが謎…w 本編と関係ない曲が出てきちゃうのも、THIS IS TAKARAZUKA ということで、心の中でツッコミを入れつつ楽しめたと思います。そういえば本編でも1幕最後に礼さんのコンテンポラリーダンスソロみたいのがあったりもして、色んなジャンルが楽しめてよかったです。
極美慎さんは身長が高くて、端正なお顔立ちで、演技も爽やかで目を惹く存在でした。女性の集まりと分かっていても、どうやら私は高身長勢が好き。
礼真琴さん、もともと歌うまと知ってましたが、本当にうまい!!宝塚の中でうまいとかではなく、普通にうまい人!!「ミュージカルは一にも二にも歌の上手さ重視」の私が言うので、間違いありません(誰
歌い方もすごく自然で、彼?彼女?礼さんが歌ってる時は、宝塚を見てると忘れるくらいでした。声量があって音域広くて、伸び伸びとした歌声で。そしてキュート。
でも彼女、まだまだ本領発揮し切っていないと思います。パワーを出し切ることにまだちょっと遠慮を感じます。さらなるポテンシャルを感じます。
それが宝塚に相応しいものかは分からないけど、磨けばもっと爆発力を持った歌い方、会場全体を掌握するような歌い方ができる方だと思いました。高まる期待。そして退団後のミュージカル進出も待っています(小声)。
わたし的にはツッコミどころの多い公演でもありましたが、もう全て礼さんが歌声で持っていったので、スタートゥループのライジングスターに免じてスター5つ評価です(何様
サリエリ役の凪七瑠海さんも、声量があって大変良かったです。そう考えると、やっぱりサリエリとモーツァルトが歌で絡むシーンはほしいのよね、確かに。
歌姫アロイジアも、オランジュ皇妃も声がとても綺麗で、伸び伸びしていて素敵でした。
宝塚ってカーテンコールがあっさりしてるのがいいですね!だらだらカーテンコールやるの、間延びしてあまり好きじゃないので。これくらいサッと終わってもらった方が出てからも余韻に浸れます。
本物のモーツァルトが作曲したメロディが要所要所で流れるのですが、やっぱりそれが劇中の他のどの曲よりも美しくて、そういうところで彼の天才に唸らざるを得ない。その短く悲劇的な人生も相まって、美しいメロディを届けるために神様が地球に遣わせた存在なのかなぁと思うことがよくあります。
これで2019年、最後の観劇となりました。素敵な歌声で一年を締めくくられてよかったです。2020年も歌うまのシャワーをたくさん浴びられる一年になりますように!
以上!
oucalaisponti.hatenablog.com
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