浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

록키호러쇼 / ロッキー・ホラーショーで異世界パーリーにワープしよう!

 

 

★★★★★

 

・2017年7月30日(日)19時

・弘益大大学路アートセンター大劇場

・フランクリン・ファーター博士:송용진(ソン・ヨンジン)

 ジャネット:최수진(チェ・スジン

 ブラッド:박영수(パク・ヨンス)

 マジェンタ:서문탁(ソ・ムンタク)

 リフラフ:김찬호(キム・チャンホ)

 コロンビア:전예지(チョン・エジ)

 スコット博士/エディー:지혜근(チ・ヘグン)

 ナレーター:조남희(チョ・ナムヒ)

 

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熱狂に包まれたヘドウィグと同じ会場で、弘大テハンロ劇場=ドラァグの殿堂みたいな認識になってます。

 

映画が有名なカルト作品だけど、今回の舞台もエロくてグロくてクレイジーでマジキチで、でもおかしいかわいいカラフル楽しいで最高だったーーー!

 

 

🔨キャラが多いのにキャラ立ちまくり

 

フランケン・ファーター博士役のソン・ヨンジン氏、さすがヘドウィグ歴が長いだけあって、ハイヒールでの身のこなしが板に付きまくっている。レオタードを纏ったボディはムキムキ、お尻もぷりぷり。尻はもはや半分くらい見えてる。そのお尻をくねくねと振ると歓声が起こるから、もはや場内テンションが異様。自分の満足する大きさの歓声が得られるまでぴたっと止まってショーをストップさせたりと、やりたい放題なのであります。

 

ソ・ムンタク姐さん、ヘドウィグでイツァークをしてた頃からいつか見てみたいなと思っていたところ、今回運よくコロンビア役で出会えました!ラジオ番組でTime Warp歌ってる映像を見ても、声がゴムバンドみたいに強くて期待大だったけど、実際にも期待を裏切らない「圧!」でした。Time Warpの時は彼女の声だけがはっきりと識別できる。

 

ブラッドはパク・ヨンス。ゴーントゥモローで高宗やってたのしか見たことないので、180度違う役立ったけど、これもこれでぴったり。ひょろひょろ~っとした、頼り甲斐があるのかないのか分からない(多分ない)彼氏。しかもどういう訳かめちゃくちゃ体柔らかく、脚がびよ~んとあがってました。網タイツとヒールの時。

 

『サリエル』のジェラス以来のキム・チャノ氏。顔かっこよくて、歌もうまい彼がどうしていつも脇役なのかがすごい謎。

腹筋すご!と思ったけどよく見たら腹筋ワレワレに見えるウェアだった…。そこ韓国の俳優なら頑張ってほしかった(何を求めてる

 

まぁ本作、筋肉といえばロッキーなのですが、こちらはちゃんとモノホンでした。胸筋、腹筋はもちろんのこと、わき腹や背筋のこまっかい筋肉まで一つひとつ見えてて、体脂肪率もすごい低いんだろうなと思った。最近私は体脂肪率を下げつつ筋トレをするダイエットに励んでいますが(誰得情報)、普通の体でも誘惑に勝つのが大変なのに、あそこまで脂肪落とすのはきっとすーーっごく苦しくて大変だと思う!ナイーブそうなかわいい顔してるけど、あの中では一番役作りで大変な思いしてそう。と、筋肉方面でのすばらしさは認めるものの、ロッキー役の彼、歌がいまいちすぎた…。韓国の俳優なら、筋肉があって歌うまい人いくらでもいるだろ…。むしろあそこまで細かい筋肉見えなくていいから、もう少し歌える人にしてほしかった。本作に対する唯一のリクエスト。

 

そして最後になりましたが、ジャネット役のイ・スジンちゃんが今回一番のサプライズ!彼女を見るの、実は3回目。初回はニュージーズのキャサリン、2回目は来日版インザハイツ、そして今回。でも最初の2回はどうも印象に残らなかったというか、可もなく不可もなくというか。「量産型女子」な感じだったんだけど、今回は彼女が一番はっちゃけてました。こないだまで無難な「量産型女子」だったのに、そこまで恥ずかしいことしちゃうんだ!みたいな。そこはさすが女優、見直しました。

 

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🔨映画もよいし、舞台演出もよし

 

コンパクトなのに盛りだくさんで、カラフルで、アニメーションみたいな演出でした。相は見えないけど、やってる方はかなり忙しいと思う。笑

 

アンサンブルモンスターの使い方もうまい。このモンスターたち、開演前にはローラースケートを履いてロビーを走り回り、観客に絡みまくります。写真撮影にもノリノリで応じてくれて、開演前から楽しい雰囲気を味わわせてくれます。

 

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モンスターたちが ある時は結婚式の参列者、ある時はブラッドの自動車(ご丁寧に二人に後ろから手を回してシートベルトまで再現)、ある時は雨雲(?)になって客席にシャワーで水を撒き散らし…

 

このシャワー、ミスト状ではあるものの、割としっかり濡れる。私は通路から4席目くらいだったけど、体の片側しっとりしました。本当に通路に面した席に座っていると、モンスターたちに狙い打ちされて、集中的にびしょびしょにされてる人も。配られる新聞では頭くらいしか守れないので、一張羅と水に溶ける服は着ていかない方が無難だよ!

 

雨降りだけでなく、本作は言わずと知れた(?)観客巻き込み型作品。

上演前には舞台上のスクリーンに、「参加のいろは」が可愛らしいイラストで、一つひとつ映し出されます。このやり方、映画館みたいで面白かった。

 

前述のシャワーを防ぐための新聞紙はほしい人全員に配られますが、その他にも博士に合わせて観客もゴム手袋をバチンと鳴らすシーンがあったり、ブラッドに向けてブレッドを投げつけるシーンがあったり。Time Warp Danceは観客が全員立たされて一緒に踊るので、その振り付けも開演前にモンスターたちが観客に仕込みます。

こういう参加ポイントがどのタイミングで出てくるのかを把握しているロキホラ玄人たちは、そのシーンが近づくとそわそわしておりました。そわそわとゴム手袋を出したり。席を立つ準備をしたり。

 

 

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個人的には、先に映画を見ておいてよかったなと思いました!展開がまったくイミフな話なので、いきなり舞台見ても「!?」てなりそう。

といってもどちらにしろイミフな話なので、映画も「!?」となります。が、やはり見ておいたほうが、話の筋に「!?」とならずに細部まで楽しめそう。

 

例えば、冒頭の結婚式のシーンにリフラフとコロンビアが入り込んでいるのは、映画で予習してないと見極められなかったでしょう!

 

終盤のプールとかは舞台上ではさすがに再現が難しくて、縦に垂らした幕に青いライトを当てて水っぽく見せてるんだけど、一緒に見た人に聞いたらプールとは思ってなかったみたい。

 

最初と最後のScience Fictionが映画館の見回りっぽく演出されていたのは、「この話は映画だよ~」ってのを意識させてのことなのかしら。劇中劇っぽくて面白い。

だから一幕ものだと思っていたら、I Can Make You A Man (Rep.)で博士とロッキーが結婚したところで、ぶちっと切れました笑

そして二幕の冒頭で、「前回までのあらすじ」的に早送りで一幕ラストの10秒くらいのところを再現してましたw これも初めて見た演出で、おもろーです。

 

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 (グッズも激カワイイ!)

 

 

今回のロキホラは他にもマイケル先生とか、ペク・ヒョンフン(濃い顔が好き)とか、コ・ウンソン(塩顔も好き)とか、コ・フンジョンとか、見たい俳優がたくさんいて、何回か見たかったな!これいつも言ってるけど!

ま、この大半は前日にMusic of the Nightで見れてたから、そういう意味ではいいタイミングでした。ファントム・シンガーに出てたミュージカル俳優のほとんどが集まる作品だったのだなぁ。

 

 

以上!