浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

혐오스런 마츠코의 일생 / 嫌われ松子の一生。I am notまちゅこ。

 

 

★★★★☆

 

・2017年12月17日(日)19時

・ドゥサンアートセンター・ヨンガンホー

・川尻松子:박혜나(パク・ヘナ)

 川尻笙:정욱진(チョン・ウクジン)

 龍洋一:강동호(カン・ドンホ)

 沢村恵:이영미(イ・ヨンミ)

 

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🍓ハコを小さく感じさせる俳優陣

 

宣材写真がとーってもゴージャス!背景が花、花、花。俳優たちを引き立てています。

転じて実際の舞台は特にそんなことはなく、フツーの現代。舞台の真ん中に、くり抜かれた大きなキューブがあって、それが回転しながら松子の部屋、実家、刑務所の壁などになったりします。

 

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パクへナさん、いつもは大きな作品出てるのに、どうしてこれに出たのでしょう?と、悪い意味ではなく純粋に疑問。松子役、すごく合ってたけどね。落ち着きがあって可愛らしいところが、逆に松子の危なげな人生を際立たせていて。ショーパブ?みたいなところで露出高いド派手衣装を着て、歌って踊ってた時の吹っ切れた感じも良かった。わがままボディでいらっしゃるのが、またなんとも現実味があって^^;

歌はもちろん文句なしというか、時たま声量の方が劇場のキャパを凌駕していて、会場が狭く感じるくらい。さすが大劇場を渡り歩く女優である。

 

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あと特筆すべきはねー、沢村恵役のイ・ヨンミさん!歌も見た目も存在感も全てパワフルですごくよかった。舞台が引き締まる、名脇役という感じ。ヘナさんとのデュエットとか聞きたかったなー!きっとすごい声量の渦になってたと思う!

 

リュウ役のカン・ドンホ氏、スリル・ミー以来。スリミで演じていたサイコパス野郎のイメージが強かったので、この役はハマると見ていたが、やはり!擦れたヤク中感丸出しで思ったとおりの怖さだった。ギンッ!と据わった目とか、クスリの禁断症状のところとか、怖すぎw 彼はこういう怖い系の路線で行った方がいいよー。あとヤクザダンス(?)みたいのもちょっとアクロバティックだったけどちゃんとこなしてて、背が高くて映えるしで、かっこいいところもありました。

 

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🍓松子を3次元にするとき

 

嫌われ松子の一生」は映画が韓国でも結構人気で知られた作品みたいで、だからミュージカルもできたのかな?日本では演劇版は既にあるようだが、このミュージカル版も輸出されてきそうである。

 

演劇版はどうだったのか知らないけど、ミュージカルにするにはちょっと登場人物が多すぎかなー。松子の交際相手が多いから、原作知らないとちょっと混乱するみたい。一応折りに触れて説明や台詞がプロジェクションで後ろに映し出されるけど、怒涛のように出ては消える男たちの印象というか、インパクトがいまいち薄い。でもリュウ以外はone of themでもいいのかもしれない(どっち

というかこれに限らず、舞台で文字に頼るのは反則な気がするのは私だけ?

 

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私は個人的には松子にはあまり共感できなくて、積極的にリピしたいとは思わなかったけど、世界観は統一性あったし、話の展開も(人物が多いだけに)テンポよく、俳優も実力者揃いだったので、舞台としては良かったのではないかなと思います。ダンスも多め。

松子に共感できない理由も、共感できない演出だったからではなくて、そもそも自分を大事にしなさすぎだろしっかりしろよと思ってしまうからw 松子とは違って私は、受けるべき愛を受け、恵まれた環境で育ったからそう思えるのかもしれない。ありがたや。

 

以上!