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・2019年1月26日(土)19時
・シャーロッテシアター
・ジキル/ハイド:홍광호(ホン・グァンホ)
ルーシー:윤공주(ユン・コンジュ)
エマ:이정화(イ・ジョンファ)
グァンホのジキハイ、苦労して席を取ってやっと2階の一番後ろの席でした。が、グァンホの存在感がすごくて、遠くから見てる感じがしなかった。こんなことは初めてです。でもやはりいい席で見たかったー(T_T)
それは仕方ないとして、グァンホが言うまでもなく素晴らしかったですーーーー!!!同じ時代に生まれてよかったと感謝したほど。
決してイケメンではないのだけどアツく人間味溢れるお医者ジキルの時と、醜悪で恐れを感じさせるハイドの演じ分けが見事でした。思えば今までグァンホは(もちろん歌と演技のうまさをひっくるめて)「何をやってもグァンホ」みたいに見えてしまうことが多かったけれども、今回はずっとジキルorハイドとして見ていたな、と振り返って思いました。
代表曲「時が来た」に入る瞬間、観客の集中力がぐんと上がったのが分かりました。舞台上に作られた実験室は、フラスコが床から天井までびっしり並んでいて、奥から光が差し込んでいて。カラフルなフラスコがキラキラしていて、その中でグァンホが「時が来た」をすごい声量で歌い、客席中が美声で満たされるのには圧倒されすぎて、若干涙ちびりました。歴史的な「時」に立ち会っている気分でした。そしてあまりの声量なので、フラスコ全部割れるんじゃないかと心配になりました。
そこからハイドになったら、獰猛な大型犬が吠えるような声で「変声機!?」と思ってしまうようでした。グァンホの美声捜索願いを心の中で出したわけですが、それでもちゃんと普段どおりの声量と安定感で歌えていて感服。オクエリザでも思いましたが、やはりいいミュージカル俳優というのは、色んな役に合わせて声でも演じられる俳優なのですねぇ。
ジキハイといえば「時が来た」ですが、私は悪がみなぎる“Alive”の方が好き。特に最終的にハイドを道連れにしてジキルが果てることを思うと、ハイドが「生きてるって感じがするぜ~」と歌っているのが気の毒に思えつつ、ジキルはハイドほどにはこの「生きてる感じ!」を実感したことがないであろうことが皮肉にも思えつつ。
ところで予習段階で初めてジキハイを通しで見た時、結末のあっけなさに結構びっくりしたのです。ジキルとエマの結婚式でハイドが表出しそうになり、ジキル氏ピンチ、周囲もざわつくのですが、ハイドに支配されそうになったジキルが最後の力を振り絞ってアターソンの剣で自らを刺し、ハイドともどもエマの腕の中で息絶えるというもの。
文章にするとなかなかドラマチックですが、それまで名場面・名曲続きなのに比べると、ここはなんだかドタバタして終わり、という印象が拭えません。辞世の歌があるわけでもなく、泣けるわけでもなく。ジキハイはルーシー殺害直後の “Confrontation”(左右に頭ブンブンしてジキルとハイドを行き来するソング)を最後の見せ場と思っておくのが吉でしょうか。今度チョン・ドンソク氏のジキハイを見にいくので、そこに照準を合わせておきたいと思います。
以上!