浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

더캐슬/ ザ・キャッスルのあるあの場所に戻りたくなったよ

 

 

★★★★★

 

・2019年6月23日(日)18時

・YES 24 Stage 1

・ホームズ:김재범(キム・ジェボム)

 ベンジャミン:이용규(イ・ヨンギュ)

 ケリー:김려원(キム・リョウォン)

 トニー:강은일(カン・ウニル)

 

 

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🏨お城ホテルの話


出演俳優陣からしていい作品に違いないということで、見にいきました。

まだあまり知られていない作品だと思うけど、細かいところ結構あって忘れそうだし再演されたらまた見たいかもだからあらすじをメモっておこう。

 

 〜プロローグ〜

ホームズが、燃えたキャッスルの跡地から骨がたくさん見つかったらしいと語る。そしてまだ発見されぬ骨もきっと沢山あるし、跡形もなく消えてしまった人が沢山いるとも。


〜本編〜

殺人を犯したケリーとベンジャミンがシカゴに逃げてくるが、途中でカバンが他人のものとすり替わってしまい途方にくれる。そこにホームズが手を差し伸べて自身の所有するキャッスルホテルに身を置いてあげる。

ホテル周辺をうろつく絵描きのトニーに「キャッスルに入るな、入って出てきた者はいない」と忠告されたこともあり、ベンジャミンはホームズの親切や不自然なホテルの作りを不審がる。それでも2人はケリーのお腹にいる子のために、生活を立ち上げるためにしばらくホテルに身を置くことにする。

なかなか仕事が見つからない日々を過ごすベンジャミンに対して、トニーはキャッスルホテルに入っていったジュリアという女性を探していると説明する。

ケリーはホテル内をうろついているうちにホームズの死体処理部屋を発見してしまう。ホームズはケリーに客殺しを手伝うように迫り、ケリーはそれを受け入れる。なぜならいつの間にかホームズはケリーたちが殺人犯だと言う証拠を掴んでいて、警察には黙っていてあげることを条件にする(すり替わったバッグから足がついた様子)。ケリーは客をガス室に連れていって殺害する仕事を請け負う。

そのうちベンジャミンも死体処理部屋を見つけてしまい、嫌々仲間に加わる。実はトニーが探しているジュリアもとっくに殺されていて、ケリーがジュリアに成り代わって生きていくことにする。

ある日ケリーはジュリアの服を着ているところをトニーに見られてしまい、トニーをホテルに招き入れて殺すことにする。ガス室に入れるがなぜかトニーは死なず、ホテル内のどこかに逃げてしまう。

これは3人の悪事がバレる大ピンチ、しかも外では記者もホテルを嗅ぎ回っているということで、ホームズはホテルに火を放って証拠隠滅し、さらにはベンジャミンに全ての責任を押し付けて犯人に仕立て上げようとケリーに持ちかける。お腹の子のためには僕とベンジャミン、どちらが有益かを考えるのだ、と。ケリーはその作戦をそのままベンジャミンに漏らし、逆にホームズを陥れようとする。

ホテル最後の晩を祝して3人で解体部屋でワインを飲む時にホームズに毒を盛る作戦だが、ケリーがグラスワインを配った段階でなぜかホームズは「俺とベンジャミン、どっちに毒を入れたんだ?」と聞く。そして不敵にも杯を煽った直後、苦しみだす。ホームズは死ぬかに見えたが、すぐに元に戻り、苦しむフリだったと分かる。固まるベンジャミン。俯くケリー。ベンジャミンは隠し持っていた拳銃でホームズを射殺する。ケリーは「『ジュリア』として生きていくためには、『ケリー』を知る全ての人を消さなくてはならなかったの!それにお腹の子はあなたじゃなくて私が殺したヤツよ!」と裏切りの理由を説明する。ベンジャミンはそれでも一緒に生きていきたいと言うが、ケリーは部屋を出ていく。その後を追うベンジャミン。地下室では死んだはずのホームズがすくっと起き上がり、ベンジャミンが口をつけなかったワインを飲む。これもまた飲んでも平気であった。

全てを消し去ろうとホテルに火を放つケリー。ケリーを探すベンジャミン。ホテル内を行き惑うトニー。死んだはずなのに再び現れてみんなを驚かせるホームズ。全てが嫌になったケリーは燃えている部屋に閉じこもって死ぬ。が、なぜかすぐに立ち上がる。救急車両のサイレンが聞こえてきて、自暴自棄になったベンジャミンは「私がホームズだ」と言って警察に捕まる。


〜エピローグ〜

プロローグの時同様にホームズが出てきて語るが、今度はベンジャミンの俳優。あの時2人がシカゴに来ない決断をしていたら、キャッスルに入らない決断をしていたら…。重大な決断の前にはそれがもたらす結果を考えないと、という趣旨のこと(多分)を言い残し、絞首刑に処される。

 

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🏨テハンロの醍醐味

 

いかにも韓国の観客が好きそうな話!最後は死んだはずの人が生き返ったり、いや実は死んでなかったのか?死んだけど生き返ったわけではなく幻覚だったのか?ホームズはベンジャミンだったのか?あなたは私で私はあなた?ということでよく分かりませんが、その辺もまたハンミュ的。


ワインのくだりとかも、心理戦な感じがあって好き。母は強しというべきなのか、既に人ひとり殺めていて肝が据わっているのか、ケリーは打算的で行動力がある。殺人も淡々とこなすし、ベンジャミンに依存せず自立してるし、邪魔者は殺すスタイルだし、普通にベンジャミンをも切って捨てようとするしで、ケリーのキャラも結構好き。


この日はなぜかベンジャミン役が、いつもはトニーを演じている人でした。見たことない俳優さんだったし、本当はチョン・ドンファ氏あたりだったら最高だったんだけど、イレギュラーキャスティングを見る機会があったということで。イヨンギュ氏も十分お上手でした。プレコで見たトニーの時と同じヘアスタイルだったから、髪形くらい変えればよかったと思うけど。そして彼の出待ちではなぜかすごーく長いファンの列が出来てて、何か特別な人なのかしら(失礼

 

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久々(一年半ぶり?)にテハンロに来ましたが、やっぱりこういう小規模の作品でもピカイチの俳優が出てるのがいいところ。

「ゴーン・トゥモロー」以来ずっと再会を楽しみにしてたジェボム氏、期待していた通り演技も歌も最高でした。いや、特に演技に関しては期待以上のサイコパスホームズでしたw

話してるうちに自分の世界に入り込んで早口になるのも、突然真顔の低い声でケリーに「これ(死体用袋)を持て。持て。持て。持て」と冷酷に命令するのも、怒るような状況でも声を荒げることなく逆に余裕が増すようなところも、もう本当にサイコパス過ぎてこの人大丈夫かしらと思ってしまいました最高。

ゴーンみたいに大きな舞台に立つ姿も良かったけど、こうして近いところで細かい演技を見せられることに大きな価値がある俳優さんだと思います。


そして他のホームズ俳優たちも、きっとそれぞれに全然違うサイコパス野郎を演じていたことでしょう。うんうん、いいねテハンロ、また来よう。

 


以上!

 

 

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