浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

쓰릴미 / スリル・ミー こちらモラハラ大渋滞

 

 

★★★★★

 

・2020年1月31日(金) 20時

・YES24 Stage Hall

・私:김현진(キム・ヒョンジン)

 彼:이해준(イ・ヘジュン)

 

 

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なんだこれはーー!!

 

途中まで「ふーん、普通というかオーソドックスだな〜」と思いながら見ていましたが、中盤から何か違うことに気が付きました。

 

「彼がやばくて、私はもっとやばい」というのがスリルミーですが、ヘジュン彼がワルだとしたら、ヒョンジン私は完全に

 

悪! 悪! 悪魔!

 

彼も彼でまあまあモラハラ暴力野郎で、

私にタバコの煙吐きまくるわ、

私を触った手は汚いものがついたかのように払うわ、

盗品が入った鞄を蹴っ飛ばして私に拾いに行かせるわ、

私のこともぶっ飛ばすわ、

ぶっ飛んだ私を蹴ろうとするわ、

からの結局蹴るわ、

なのですが。

 

私はスリルミーは2016年2017年に生で見たことがあるだけなのですが、いわゆる私と言うのは、何とか彼と一緒にいようとしながら、ずっと弱い立場でいる姿を彼にも観客にも見せているものだと思っていたのです。彼のモラハラを浴びて「ぴえーん」っていつもしてる感じ。

 

なのにWATASHI2020 feat. ヒョンジン氏は、ぴえーんとしていないのです、微塵も。厳密には彼の前ではぴえんだけど、陰ではまさかの不敵な笑みを浮かべている。

 

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最初の違和感は殺人計画の曲。「殺人なんてやめようよ!」と他の「私」同様チキっていたヒョンジン私が、曲の最後には嬉しそうに「少年を殺そう♪」と彼と一緒に歌い始めた時。

この部分では、「私」は彼の言うがまま、なす術もなく殺人に加担する流れになって一緒に歌うものだと思っていました。それが、ヒョンジン私は彼の愛撫を受けてコロッといったのか、どう見ても自らも進んで少年を殺そうしているように見えた。

 

脅迫文を書きながら、私が彼に続いて「ここまでは完璧だ」というのも、これまでは怯えて自分に言い聞かせるために繰り返しているようだったけど、今回の私は「(自分の計画も)ここまでは完璧だ」とシメシメしているようでした。同じ台詞なのにここまで意味が変わるとは!

 

この辺までは、この演じ方に少し疑問を持っていました。だってネタバレになっちゃうもん!私が企んでいることの!でもその後、これはこれで怖〜いスリミになってるなと納得しました。

 

殺人が明るみに出て電話で会話する曲も、今までの私はひたすら「ぴえーんぼくのメガネ〜(涙)」だった。しかし! ヒョンジン私は顔が彼に見えていないのをいいことに、声だけは彼に不安を伝えているふりをしている。表情を見ると、全く報道に動じていないどころか、証拠が次々と出てきてどこが満足そう。処分したはずの凶器を取り出し、眺めながら電話する顔はもはやキラ

 

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警察の取り調べを受ける練習を彼とする曲では、彼とやりとりしている時は従っているようにしています。しかし!その後、実際に警察と話す時になると、最後の「思い出そうとしています、考えています(생각중이죠)」で、と!つ!ぜ!ん!悪ーーーーい頬笑みになるのです。何かを企んでいる頬笑み。不敵な頬笑み。これを見た時、この解釈に初めてゾワッとしました。これまで「(うまい言い訳を一生懸命)考えています」だと思っていた歌詞が、「(彼も一緒に捕まる方法を)考えています」にガラッと意味が変わりしました。

 

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その後の喧嘩シーンではタバコを顔に投げつける彼もヤバいが、さらにヤバいWATASHI2020は彼が去った後に憎々しげに落ちたタバコを踏みにじっていました。ゾワワ。

 

そして留置所では人差し指で彼の額を押してよろけさせ、その指を拭っていました。彼が私を触った後にしていたように。もう完全に可愛さ余ってモラハラ百倍パターン。

 

出所後、最後に私は「僕は君の共犯者。絶対裏切らない」と歌いますが、この「絶対裏切らない」という言葉にも私の圧倒的執念が感じられ、何が何でも地獄の底まで彼を道連れにしてやろうという強い思いを感じました。

双眼鏡越しに彼を見つけたヒョンジン私の笑顔も、最初と最後で全く違って見える、というかもはや終盤はその笑顔怖いですやめて状態。

 

陪審員の「彼と出会っていなければ、こんな人生ではなかったでしょうに」という私への台詞があるけれど、「出遭ってしまった」のは120%彼の方。WATASHI2020に愛されてしまった彼がちょっと不憫なスリルミー2020でした。

 

以上!

 

 

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