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浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

마타하리 / マタハリでハンミュの本気をマノアタリ

韓国ミュージカル 創作ミュージカル リュ・ジョンハン オク・ジュヒョン オム・キジュン マタハリ

 

 

★★★★★★

・2016年6月10日(金)15:00
・ブルースクエアの大ホール
マタハリ: 옥주형(オク・ジュヒョン)
    ラドゥ:류정한(リュ・ジョンハン)
    アルマン:엄기준(オム・キジュン)

 


★は五つがMAXのはずだけど、あ・ま・り・に・も充実していたので特例で六つ。


まず全体を通して痛感したこと。

 


戦争はダメ、絶対。

 


はい元も子もないー。

 

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今回のメインキャストはハンミュ界の片手に入るくらいの大物揃いで期待はしていたし、事前に動画で予習もしていってたけど、期待と予想をはるかに超えたお三方でした。

あまりにもだったので敬意を込めてリュさま、オクさま、オムさまと呼ばせていただきます。

 

 

👠まずストーリーを簡単に

 

💃第一幕💃WW1中のフランス・パリ。ムーランルージュの人気踊り子マタハリ(オクさま)のもとに仏軍情報部の大佐ラドゥ(リュさま)がスパイ活動の依頼に来る。しぶしぶ決意するマタハリ
ほどなくして彼女はセーヌ川に墜落した戦闘機の操縦士アルマン(オムさま)を助け上げる。惹かれ合う二人。しかしアルマンは実はラドゥが差し向けたマタハリ監視要員だった。自分もマタハリのことが好きなのに本当に愛し合ってしまったアルマタが面白くないラドゥ、アルマンに激戦地の偵察任務を与え、アルマタは涙のうちに引き離される。

💃第二幕💃アルマンは撃墜されベルリンの病院にいると知らされるマタハリ。マタ「ベルリン行かせて」ラドゥ「面白くないからダメ。しかもアルマン差し向けたの俺だよ」マタ「そんなバカなっ!無理にでもベルリン行ってやるぅ」ベルリンにてアル「ごめん本当なんだ。でもマタのこと好きなのも本当だよ」マタ「信じてたのにっ。もうあんたなんて知らないっ」と仏に帰国。
その間ラドゥのもとに、マタハリが仏のスパイだと知ったドイツ側から彼女をハメるための暗号が届けられる。ラドゥ「マタハリを庇えば自分は戦犯、摘発すれば英雄だけどマタハリ死んじゃうどうしよう」結局後者を選択、マタハリ逮捕。裁判の場でマタハリはアルマンの死を知り、自分も銃殺刑になる。「最高の最期の舞台にするわ」とハラを決め、アルマンのいるところへ…。

 


👠圧倒的リュさま

 

リュさまはあまり舞台以外(MVやプレスコール)には露出しないとこのとで、事前に声をあまり聞けなかったのですが、もう序盤の登場シーンでひと言ふた言セリフを発しただけで


圧倒的イケボイスきたーーーーーーッ!!!


と期待感ウナギ登り。その声のまま歌われるのだからもう。

低くて重厚感があるけど耳の奥までまっっっすぐ届くクリアな声で、ブラックホールが迫ってきて耳をいっぱいにする感じ?(究極的に分かりにくい
多分人体の極限まで喉が開いてるんだろう。喉見たら口くらい開いてるんじゃまいか。口が二つ状態。そら強いわ。
何というか、「この方は声で私の耳をくり抜いているのかしら?それとも掃除をしてくださっているのかしら?リュさまと私の間には、実は空気や鼓膜さえも存在していないんじゃないかしら?」と感じるくらいによく届く深い歌声だった。空気や鼓膜なかったらそもそも声聞こえないけど。でもそんな矛盾さえどうでも良くなる圧倒的イケボと安定感。さすがハンミュ界の皇帝と呼ばれているだけあって、お見それしまくりました。

 


👠麗しの女帝オクさま

 

なぜか歌うより先に脱ぐオクさま。しかも脱ぎっぷりがすごい。マタハリ十八番の「インドの踊り」で腰を振りふり次々と布を脱ぎ捨てていって、最終的にはスパンコール付ビキニ豪華版みたいな格好に!美脚なのは存じ上げていたけど、プロポーションも抜群。オクさまはよく考えたら36歳のアイドルでいらっしゃるのよね。アイドルグループはまだ所属してることになってるようで。あぁいうことができる36歳になりたいわ。やるかは別として。

お歌の方はもうもちろん。リュさまが皇帝ならオクさまは女帝ですからね(両立するのか)。最期の悲しい曲は声もとーっても綺麗だった。本作は美しく可愛く悲しい役どころだったので、スウィニーの怖いおばちゃん役も激しく期待。

 


👠若々しいオトナ・オムさま

 

オムさまは動画の時点ではすごく好きなところとそうでもないところとがあって、実際に見てどっちに転ぶかなというところだったんだけど、好きでした。

まず、そうでもないところとしては、一つは歌い方。私の好みよりは少しビブラートの幅?波?が大きすぎて、ロングトーンはこぶしまではいかないものの、かなりはっきりと「あぁぁあぁぁ」となりそこばかり気になってしまう。
もう一つは、発音?何と表現すればいいのかわからないが、口を横に開きがちな発音。「たんしん」ではなく「てゃんしん」、「みょーん」ではなく「みぃよーん」みたいなの。

んで、好きなところというのは、顔w 別にイケメンではないんだけど、前に仕事で一緒になったY氏に似てるからww
(注:Y氏とは、アラフォーながら飄々とした性格と頼りがいのある仕事ぶり、ソウルを案内してくれた時のペラペラ韓国語とイテウォンのバーというチョイスで筆者がファンとなったソウル駐在員(当時)である。当時筆者の韓国語学習のモチベーションはもっぱら彼であった)だから顔が似てるだけでもかっこよく見えるのです。

そしてもう一つは、歌声と表現力。オクさまがインタビューで「(オムさまは)舞台上では愛にハマってしまう感性の持ち主なので、共演したがる女優は多いんです」とコメントしていた通り、感性豊かなセクシーボイスで、恋愛ソングでなくてもうっとりしてしまふ。

あ、あとオムさまスタイルが良い。勝手な推定身長176cmだけど、脚の割合が大きい気がする。そして膝裏が伸びてて絶妙な脚の形。

アルマンは若い役で、オムさま自身はアラフォーだけど、前向きな曲の時は特に声を若返らせていた気が。設定は20代らしいが、青年らしさと地に足がついたオトナらしさを兼ね備えた素敵なアルマンだった。

しかし、オムさまの登場シーン。セーヌ川マタハリに出会ったアルマン、顔の前でシンバルチンパンジーのように手を叩きながら
「わー!マタハリだー!!すごーい!!!(ぱちぱちぱちぱち)」

マタハリ「あら、私のこと見たことあるの💋?」

アルマン「見たことなーい♪(ぱちぱちぱちぱち)」

かわいい40代だなww
かわいいながらもその直前の"저 높은 곳(From way up there)"は少し音取りが難しい曲に思えるのだけど、ベテランらしく安定して歌い上げてた。歌い方は微妙に好みじゃないけど実力そのものは申し分なく、他の二人にも劣らないオムさまも総合的にはかなり好き。

 

そんなこんなで非常に高い次元に君臨するメイン三人が出揃った時点で、あーもうこれは豪華すぎて涙と鼻水と鼻血とよだれともしかしたらトマト汁が炸裂してしまうぅうぅぅと悶絶を禁じえませんでした。神様この方々を創ってくださってありがとうございます(T_T)それもこんな近くの国に同時多発的に(T_T)次は日本にもぜひ(T_T)

 

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👠クライマックスはいくつあるのか

 

もともと見せ場が多すぎるのか、出演者が全てを見せ場にしてしまっているのか、「この前後だけ切り取ってもちょっとしたミュージカルできるんじゃない?」というクライマックスシーンが満載でございました。

まずは昔の不幸な生活には戻りたくないと歌う切実ソング"돌아갈 수 없어(I won't go back)"ではオクさま魂込めて全力で歌いすぎて、三曲目にしてこれはクライマックスですか?状態。早くも観客の涙を誘う状況に。

男性二人が対峙する"남자 대 남자(Man to Man)"も男の意地や誇りや愛や嫉妬や憤怒がぶつかり合って大爆発してたなぁ。この曲はタンゴの不気味な要素も強くて、一番好きな曲かもしれない。というか劇中ところどころタンゴ調の曲が入ってることでオトナ感が増してよろし。

制作側が一幕で一番見せたかったのは、アルマンが危険な任務に飛び立って行く前半最後のシーンでしょうな。「戦争も命令も誰も私たちを引き裂くことはできない!ずっと一緒よ!/だ!」と熱いキスを交わし、出陣とともに上昇する戦闘機をバックに、マタハリが熱唱するっていう。ちなみにこの時のマタハリの紫の衣装好き。でもでも、せっかくドでかい戦闘機の模型作ったのに、スモーク焚きすぎであまり見えてなーい!!というか戦闘機普通あんなに煙もくもく出ないだろー!!幕間にもしばらく煙漂ってたわー!!

そしてマタハリへの愛憎入り乱れる"너때문에(Because of you)"や、マタハリを悪者にして殺さざるを得ない苦悩ソングはリュさま炸裂だったな。リュさま本当に素晴らしい。もっと早くに出会いたかった…しかしbetter late than never!


それにしてもノートルダムのフロロにしろ、今回のラドゥにしろ、職権で脅して女を振り向かせようとする男って、なんて醜いのかしらね。パワハラもいいところだわ。渋い声で歌えばいいってもんじゃないわよ。そういえばマタハリの構図ってノートルダムと似てるな。フェビュスと違ってアルマンは、恋愛的にはゲスじゃないけど(希望的観測・後述)、マタハリを騙して近づいたわけだし、ヒロインも愛されなかった権力者によって亡き者となるしな。よし。このタイプは「ノートルダム型」と勝手に名付けよう。

 

アルマンとの出会いの真実を知ったマタハリがドイツから帰国してくる時の、三人がそれぞれの苦痛を独り言的に吐露するところは、ほんの短い間だけど三人が一緒に歌う最初で最後のシーン。この時の会場内に流れてる声量測ったら針が振り切れてたであろうくらい圧巻!
でもストーリー的にはここで三人で歌う必然性ってあまりなくて、きっとどうしても三役が揃って歌うシーンを作りたかったんだろうな。いや本作の俳優陣が三人ここで揃うだけでも必然性は十分にあると言うべきか。

そんなこんなであっと言う間にラストシーン。細かいところまではよくわからなかったけど、お涙頂戴に乗せられて感動のラストシーン(銃殺刑)を迎えましたとさ。鼻血とトマト汁は何とかセーブ。いや耳から鼻血出てたかな。とにかくお腹いっぱいすぎて、そのまま帰国便に乗ってもいいくらい満足しました。他のキャストも見てみたかった。

 


👠気づかない方が良かったかもしれない解釈

 

(注:この解釈は恐らく結構萎えるので、今後いつかどこかでマタハリを見るかもしれない場合は読まない方がいいかも)


見ながら薄々考えていたこと、それは


アルマンって本当にマタハリのことが好きだったのかしら…


いや、確かに親密になってからマタハリの姿を遠目で見て「好きだ!」みたいな曲歌ったり、病院で出会いの真実(というか嘘というか)を知ったマタハリが走り去った後に、前述の悲痛トリオで歌っていたりと、設定上は確かに好きということになってはいるんだけれども…

でも、例えばあの病院の状況で自分が監視要員だったって、言う?そこは黙っとこうよ!ラドゥが適当なこと言ったんだよって答えておこうよ!さてはマタハリをフランスに返すために…

だってだって、ハニートラップを仕掛ける立場の女に、逆にハニートラップを仕掛けるんだから、アルマンも実は相当の手練手管野郎ですぜ!私だってオムさまに接近されたらry

もっと言えば、アルマンの死は口頭でしか伝えられないから、本当に死んでるのかわからないよ!すごく忠実に、それはもうリアルに撃墜されて敵国に傷病兵として捕らえられるくらい忠実に、任務を遂行して、生きて帰ってくるのかもしれないよ!独仏が、マタハリを処刑する代わりにアルマンを返すという取引をしたかも知れないよ!

裁判でピンチな時のときのアルマンの幻登場だって(人の結婚式に「ちょっと待った!」と乱入してくる男さながらの登場。全身白いコスチュームで客席の後ろ扉から入ってきちゃってさ)、アルマンが死んだから幻想として出てきた、ではなく単なるマタハリの妄想かも知れないしね!アルマン、病院で瀕死状態だったならまだしも、普通に動き回ってたもん。

これは、オムさまの演じ方に問題あり?それともの私の韓国語力のせい?
んー…でもオムさま演技力>>>>>私の韓国語力だろうから、私がちゃんと台詞や歌詞分かってないだけなんだろうな…。それともひねくれてるだけか…。そういうことにしておこう。

でもアルマンに愛されていたにしろ、最後まで騙されていたにしろ、マタハリは戦時下で、自分ではのっぴきならない時代の渦に巻き込まれて死ぬはめになったのは変わらないから、最終的には十分同情を呼ぶ仕組みにはなっている。いやむしろ愛されずに騙されてた方が可哀想で泣ける?

 

 

👠その他どうでもいいツッコミ

 

・ラドゥ大佐の奥さん、権限大きすぎ説
夫ラドゥの職場に乱入したと思いきや、夫と二人で会話するために同室の情報部員を全て外させたり、解読されたドイツ軍の暗号を情報部員がラドゥ宛に持ってきたところ、奥さんも居合わせてガッツリ読んでたり。情報/諜報部員ってヘタしたら家族にもそうであることを隠すレベルじゃないの?部外者が人払いしたり暗号読んだりしていいの?

マタハリのマタは下の名前だった説
付き人のアンナが「うりマタうりマタ」って連呼してて、響きがなんかなぁ〜と思ってたら「マターーーッ!!」って叫び出して笑った。その点、アルマンが本名のマーガレットで呼んでたのはよかった。

・橋の固定が甘い説
セーヌ川から墜落したアルマンの声がして、覗くためにマタハリが橋の欄干に駆け寄るシーン。マタハリが勢いよく当たったら、石造りの橋がびよびよびよ〜んって揺れた笑 これではオクさまがすごい怪力みたいになってしまう…その方が直後にチンピラを「ヤーーッ💢!」って追い払ったのも納得しやすいが…

・兵役がここでも役に立ってる説
敬礼のキレがハンパない!

・名前の由来は椿姫説
マタハリの本名はマーガレット。その恋人はアルマン。
デュマ・フィスの小説「椿姫」のヒロインの本名はマルグリット。その恋人はアルマン。
おぉおぉぉおぉおぉぉ!絶対そうじゃん!!
と勝手に発見したところで。

 

以上!