★★★★★
・2023年7月16日(日)12:30
・ヒューリック東京
・X-White:マイケル・リー
X-Black:ハン・チサン
ジョン・ファウスト:チェ・ミヌ
グレッチェン:Akane Liv
ジョンの影:大山真志
前に韓国でよく見たもののよく分からなかった『ザ・デビル』、日本版『デビル』としてリベンジチャンス到来!
マイケル先生は全身白を着るとジーザスみがすごい。舞台に十字架あるし。
ハンチサンはセクシーなX-Blackだったなぁ。やっぱりああいう役やらせるとうまい。ちょいワルロック系。ノリノリすぎてたまにマイケル・ジャクソン入ってたけど。舞台にマイケルが二人いた(?)
そしてチサンブラックは顔が妙に青白くて、マイケルホワイトは何気に日焼けしてて、服の色と顔の色が逆だな〜とかどうでもいいこと考えてた。笑
韓国人キャストを多数交えて作り上げられた今回の作品、言語的には日本語なんだろうけど、どうなるんだろうと、その辺りも気になっていました。
結果的には基本は全員日本語、でもマイケル先生だけ基本英語でハモったりするところだけ日本語。ラテン語の歌詞も出てきたりするので、マイケル先生については歌い始める度に「これは何語?英語っぽくないから日本語?あ、ラテン語か」と判別するのにちょっと時間がかかった。歌詞自体は後ろに映し出されるから、歌ってることの意味が分からないということはなかったけど。
別に英語で歌うのは全然悪くないんだけど、逆に「全部日本語で頑張ってくれてハンチサンありがとう〜!」ってなる。チェミヌ氏もセリフ多いのに日本語お上手だった。
あとはセリフが多いジョンにはJohn’s Shadowというキャラがついていて、ジョンのセリフを代弁したり補足したりしている。このキャラは韓国版にはいなかったので、今回工夫したポイントなのではと思う。あまり違和感なかったし、ジョンと一緒に歌う場面では歌に厚みが出ていたので、よかったと思う。
背景に歌詞がかっこよくプロジェクションされてたから、聞きなれない聖書的な言葉も聞き取りやすかった。あとラテン語のところはラテン語に加えて日本語で意味が写し出されていたり。色んな工夫をして、言語の壁を超えた作品が出来上がっていて素晴らしいなと思いました。どんな作品でもできるわけじゃないんだろうけど、こういうコラボは新しいミュージカルの形としてアリ寄りの大アリだと思う。
前に韓国で見た時は、言葉も聞き取れずあまりストーリーも分からずでそこまで刺さらなかった本作ですが、今回よく分かって、解釈の仕方も変わりました。
前見た時は、ホワイトはなぜジョンたちに手を差し伸べないのだろう、傍観しているだけなのだろうともどかしく思っていたけど、当時のその解釈が間違っていたんだなと分かりました。
ブラックもホワイトも、ジョンたちに対して何かアクションを起こす存在なのではなくて、逆に彼らが選択したことを反映する存在。だからジョンが「選択したのはぼく」と言っているし、悪に手を染める度にブラックの力も増していく。
その結果ジョンとグレッチェンが窮地に陥っても、ホワイトは何かできるでもない。反対にジョンがグレッチェンを救うために自ら命を絶つ選択をした結果として、ホワイト=光が強くなり、闇を覆った。闇が光に満たされた結果、グレッチェンもジョンも光の中で元に戻ることができた。のだと思いました。
そして早口でジョンの悪行をアンサンブルの人たちが歌ったりするところは、韓国語だったら絶対に分からなかった。金融用語も多くて、日本語でもよく分からないんだもの。ジョンの会社が敵対的買収をした会社の社長さんが自殺しちゃうくだりとかも、言葉でしか説明されてないから誰の何の話なのか分からなかったと思う。
ともかく私は、この企画のおかげで日本にいながらマイケルリーとハンチサン見ることができたし、国内外俳優のコラボという新しい取り組みを見ることができたし、消化不良だった作品を少しは理解することができたしで、色んな面で大満足ミュージカル体験でした。
以上!