浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

위키드 / ウィキッドで、狐に?いやエルフィに?つままれる

 

 

★★★★★

・2016年7月31日(日)14:00
・芸術の殿堂
・エルファバ:박혜나(パク・ヘナ)
  グリンダ:아이비(アイビー)
  フィエロ:민우혁(ミン・ウヒョク)

 



👒どちらのエルファバも素晴らしいことでしょう

さすがはウィキッド、安定の完成度。見るの初めてだけど。
それは俳優陣も、セットも衣装も。さすが「芸術の殿堂」でやるだけある!まぁセットや衣装は、ブロードウェイ版に忠実でなきゃいけないんだろうから、ここはやはり俳優陣のクォリティの高さを讃えるべきだろうか。

本作、レベッカでダンバーズ夫人をやっていて、すげえ‼︎となったチャ・ジヨンエルファバを見に行ったのが8割方(仲間うちで彼女はうりダンバーズ、略してうりだんと呼ばれている)。
確かに大迫力の歌声で、Defying GravityやNo Good Deedは期待通り圧巻の一言。The Wizard and IやFor Goodも、ここまで歌い上げるモンだったのか‼︎と大迫力のエルフィ。
それ以外の演技も細やかで、「うりだん、ちょっと顎周りふっくらした?彼女、すごいシャープなフェイスラインだった印象だけど…」とオペラグラスを覗いて思った以外は、いやーやっぱりうりだんはエルフィにぴったりだったわ!今回もいいもの見た〜と余韻に浸りつつ、本日のキャスト画像を見直す帰国の機内。


そこにはまさかの光景が。




ん…?このエルファバは…


うりだんでは…


ない…?!

 

 



え?え?

 


エルファバの姿で、こちらに手を差し出して笑っているあなたは、もしかして…

 



f:id:oucalaisponti:20161207143715j:plain
パクヘナさん?!


状況が飲み込めず、かと言って機内では情報収集する術もなく、そわそわ。気が気でない帰国便。
東京に着いてすぐ調べたら、あったあった、お知らせが出ておりました。



「うりだん、風邪で2日間休みます」



ひぃ!



それで代打パクヘナさんだったのね…



そりゃフェイスライン違うわけだ…(そこ


しかし、なぜキャスト表写メった時に気づかなかったんだ…


そりゃ撮って満足してたからだ…


でもでも、前述の通りヘナエルフィも本当に良かったし、いつか見たい女優さんでもあったので、その点では全く残念ではなく、むしろいい俳優をまた一人多く見れたな、と思えたのでした。

うりだんはその後快復したのかしら。お大事に!

 


👒ハンミュ3Kのフィエロ

私のハートを射止めるのに必要十分な三つの条件、3K。
それはすなわち、高身長・筋肉・歌唱力。この三つが揃えば大体カッコよく見えるのは、私だけではないはず。顔は後からいくらでもry

そんな中、フィエロ役のミン・ウヒョク氏は、服の上からでも分かるくらいの美ボディ。美ボディすぎて、とりあえず脱いでほしかった。
みんな、登場シーンのフィエロの衣装(赤ベスト×ベージュパンツ)がムチムチすぎとか言ってたけど、ムキムキによるムチムチだったら、私は大歓迎ですありがとう!ムチムチというよりはパツパツって言うのかな。太ももとか特にね。

ミュージカル歴はそんなに長くないみたいだけど(元野球選手だとか)、歌も安定しててうまかったし、好青年系イケメンだし、何よりナイスバディ。ベニー(ハンミュ3Kの真骨頂)のように「ズキューーン💘‼︎」ではないものの、本作では一番注目し、今後も機会があれば鑑賞したいかなと思った俳優。というか脱いでほry

と筋肉愛好家発言を繰り返していたら、その声が天に届いたのか、ウヒョク氏、11月からアイーダに出るらしい。私はアイーダよく知らないんだけど、ラダメスは脱ぎシーンがよくあるんだって!こりゃ見に行くしかないわ。だって役の上で脱ぐとなれば、絶対さらに磨きをかけるでしょ!
私ったら、いつの間にこんな善行を積んだのかしら。フィエロでは好青年系だったけど、ラダメスではオトナの色気もぜひ、演出していただきたいわ。

 


以上!

 

 

oucalaisponti.hatenablog.com

잭 더 리퍼 / ジャック・ザ・リッパー この三人ならどのワルを選ぶ?

 

 

 

★★★★★

・2016年7月30日(日)19時
・D Cube Art Center
・ダニエル:엄기준(オム・キジュン)
 アンダーソン:조성윤(チョ・ソンユン)
  ジャック:테이(テイ)
 グロリア:김보경(キム・ボギョン
 モンロー:김대종(キム・デジョン)
 ポリー:정단영(ジョン・ダニョン)

 

f:id:oucalaisponti:20161205143924j:plain

 

🌹オムさま♡

まさかこんなに早く再会できるとは!

やっぱりオムさまの恋愛モノいいわ〜。期待通り어쩌면は優しい深い声でうっとりしたわん。
そしておじさんではあるんだけど、お坊っちゃま風でお医者感出てるし、マタハリのアルマンの時同様、恋してるシーンで若返るのが素敵。グロリアの言う「子どもみたいな顔して」っていう歌詞がそのまま当てはまる。

しかし思ったのだがこのキャラ設定、恋で若返るオムさまだからこそ活きてたんじゃ…?
他キャストのうち、カイ氏とやらは若め?だからいいとして、リュさまは渋いおじさまって感じじゃない?それとも前作マタハリでの大佐の印象を引きずってるだけ?リュさまともなれば、40半ばでも子どもみたいなキラキラおめめができるのか?
んーリュダニエルも見たいである。見たいである。見たいであry
だって二人、マタハリでは敵対する役だったから、同じ役をやったらどうなるのか、知りたいじゃん!

あとオムさま、やはり脚長いよね!フォルムが好き。懸案だったビブラートや口横に開きすぎな歌い方も、今回はほとんど気にならなかったし、私の中のステキ俳優ランキング上位を堅持しました。



🌹他にもいいオトコたちが

最近改名したというアンダーソン役の조성윤。
背も高いし、目が切れ長だし、セクシーヒゲだし、歌うまでとても素敵だったんだけど、私の中の「高身長クールアイズ歌うまセクシーヒゲ俳優」枠はもう既にキム・ジュンヒョンさまで埋まってるの。ごめんね。でもその枠の次点として、これからも注目しておくわね。声も似てたしね。


あー考えたら、ジュンヒョンさまのアンダーソンもめちゃくちゃ見たいよなぁー。モジャ!のコロレドよりも出番多いし、色んな表情が見れそうだもんなぁー。見たいである。見たいである。見たry
リュダニエル×ジュニョンアンダーソン見に行くために、貯金始めようかな…

そしてジャック役のTEI。
ジャック役は、今回イメージを一新って感じ?過去の回を見たらわりとごりごりのおじさん俳優がやってたみたいだけど、テイ氏はシュッとしたスマートなジャック。でもしっかりした低い声で、ワルの役どころはしっかり押さえてた。
調べたら本職は歌手?何曲か聞いてみたけど、ドスの効いたジャックと同じ人と思えないほど、優しい高音の乳製品系の歌を歌ってた。どっちもできる人なんだなー。

女性陣(グロリア、ポリー)も、どちらも安定のハンミュクォリティ。特にグロリア役のニーナは、レベッカの「私」に続いて三回目!珍しくロングヘアで、ロリボイスも健在でかわいいグロリアだった。きっと止むにやまれぬ事情で娼婦に身をやつしたんだろうな、と思わせるような(大体そうか)。
そしてよく考えたらオムさま×ニーナってレベッカペア!今思い返せばレベッカって本当に最上級の役者ばかり出てたよな〜オムさまキシムも見たかったぜ…泣

でもでも、女優さんも素敵だったんだけど、本作はやっぱり男性陣が映える作品よね。男性俳優の方が女優よりも格上?の人が多くキャスティングされがちな作品、という気がする。まぁいいオトコを見るために行くからいいんだけど!あとはどこかでもう少し肌の露出が(ry

f:id:oucalaisponti:20161205170205j:plain
 

🌹見返したいポイントがたくさん

もともとこの作品の存在自体は薄々知ってて、今回はマタハリに出てた素敵オトナ俳優がわんさか出てるのが、見てみたくなったきっかけ。
あまり現実離れした作品って普通は興味ないから、そういう理由でもなければ見てなかったと思う。

でも俳優に惹かれて見てみて良かった!というかこんなにいい俳優がたくさん出てるくらいだから、韓国では評価が高くて広く受け入れられてる作品なんだろうね。ストーリーもキャラ設定もちゃんとしてるし、音楽が特によい!暗いけど盛り上がる系で私好み。ソロやデュエットだけでなく、複数人で歌う曲もそれぞれ特徴ある曲になってて、どれも聴き直したくなる。이 봐 친구들아だけは若干おバカっぽいけど笑、あれくらいしか明るい曲ないもんね。許す。

あとこの話、時系列が結構複雑で何回も過去を行ったり来たりするから、言葉があまり分からない者としては予習しておいて良かった。一応 7 years ago... とか出るんだけどね。それでも結構考えながら見たし、見終わってからも「あれがあそこでこうなったから…」とぐるぐる思い返してた。時系列がすっと分かる状態でもう一度見直したくなった。

時系列演出で秀逸だったのが、ダニエルの登場シーン。殺人現場に突然、しかも階段の上から「犯人を知っていますよー!!」って大音量で歌いながら現れて、宝塚かっ!と言わんばかりの登場に違和感を抱いたんだけども。
それが実は、二幕でグロリアが「ジャックを止めて」って神に祈ってるのを聞いて、ダニエルがジャックの告発を決意し、殺人現場に名乗り出てくるシーンだった、という演出。時系列が繋がり、宝塚感も拭い去られるアハ体験。
確かに予習映像見てて、기도はどうして最後の2フレーズくらいだけスムニダ体なんだろうと思ってたら、そこが警察に対して名乗り出てる場面だったからか!と歌詞的にもアハ体験。
 
f:id:oucalaisponti:20161205170248p:plain
(出待ちに現れたテイ氏)
 
 
🌹その他ツッコミ&コメンツ
 
・「ジャック」ザリッパーの主人公の名前が「ダニエル」っていうのは、ジャックダニエルと何か関係あるの?

・ポリーによるアンダーソン好きよソングでそっぽ向いたままポリーの手を引っ張るアンダーソン。きゅん。

・モンローが亀田誠治にしか見えない。

・最後アンダーソンが報告書書いてると、オルゴール音が聞こえてきて手が止まるけど、どうしてそこの曲が어쩌면なんだろう。ポリーが歌ってた아주 오래 전 얘기の方が同情を誘わない?
それとも直前に研究室で어쩌면を歌って果てたダニエルたちが思い浮かぶのかしら。同情しちゃダメだ‼︎って自分にも言い聞かせてたし。確かに今回の事件全体を書こうとして諦める流れなら、어쩌면の方が象徴的か(自己解決。

・グローリアはカテコで綺麗な頃の出で立ちに戻って正解。

・ちょっとずつでも歌ってくれるカーテンコールはやっぱり嬉しいよね。

・本作で覚えた韓国語:장기(臓器)。いつ使うんだ…。


以上!
 
 

베어 더 뮤지컬 / ベア・ザ・ミュージカルでベニーが美筋をBARE!

 

 

 

★★★★★

・2016年7月30日(土)15時
・Doosan art center
・ジェイソン:서경수(ソ・ギョンス)
   ピーター:박강현(パク・カンヒョン)
   アイビー:최서연(チェ・ソヨン
   マット:주민진(チュ・ミンジン)



今までに見たソギョンスの役ではネクストのゲイブが一番好きで、当たり役だと思ってたけど、今回も相当良かった!さすがギョンス。
ネクストよりはベアの方が色んなギョンスが見れるし、歌う量も多いという意味では、こっちの作品の方がギョンスを堪能できる(なんか語感が良くない)かも。

f:id:oucalaisponti:20161129142120j:plain

 

✝うりピーターの◯◯ボイス

ピーターが今回のハンミュツアー一番の発掘。私の脳内最優秀男優賞&新人賞を受賞しましたおめでとう。これで昨年デビューしたっていうんだから驚き!今までどこで何してたの?

そうね、誰にも頼まれてないけど、名付けるならそれは…清流ボイス?
当該俳優にも漏れずにこの度、「うりピー(うりピーター)」という、かわいいのかダサいのかよくわからないネーミングがされたわけですが、そうでなかったら絶対に「小川」って命名されてたと思う。だって澄んだ小川が流れるもののけの森から、ソウルにひょっこり出てきたんじゃないかと思うくらい、聞いてるだけで耳も魂も清められそうな声なの。

そういえば見た目も色白で小柄だから、なんかこだまっぽくも思えてきた。じゃあこだまボイス?妖精ボイス?フェアリーボイス?エンジェルボイス?
エコーがかかっていなくても、まるでかかっているかのような、まさに天上の声。多分天使ってこういう声なんだ…。宗教曲歌ってみてほしい。うりピーによるアヴェ・マリア特集とか組まれないかな。こんな天使声で息子が電話かけてくるんだから、ゲイでも何でもいいじゃないのよお母さん。そもそも天使は性別がないって話だし(違

 

f:id:oucalaisponti:20161129142206j:plain

 



✝念願のトルソーを目撃

 

この舞台の醍醐味とも言うべく、ギョンスの生トルソー。

遂に、遂にこの時が来たのであった!

 

ご丁寧に舞台手前の方でベッドインしたあと、ベッドごと引っこみ、一個奥の幕の間からまた出てきた。なぜw 裏でベッド乗り換えたりしてるのかな、それとも乗ったままうぃーんって下がるのかな。

なんてことはどうでもよく、磨きのかかったトルソーは照明を一身に浴びてとても美しく、肌もきめ細かく、筋肉パーツレベルで出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいて、そのまま舞台にあがってさわさわしたかっry

でもその時一緒に脱いでたアイビー役の子が、なんと信じられないほどウエストの細い子で、そっちにも同じくらい目がいってしまったというか、奪われてしまった…あれ多分ウエストと太もも同じくらいの周囲だった。内臓どこに収まってるの!ほんと、厚さが私のハラの半分くらいだったよーあんな子の後じゃギョンスにry

と、とにかく、ギョンスのトルソーは「イェスリダ!」と叫びたくなる美しさで、大いに眼福であった。これからもヨルシミハセヨ。

f:id:oucalaisponti:20161129142231j:plain

 


✝色んなマットがあるんだな(語弊)

意外な点。マットが思ったようなイヤなやつじゃなかった。もっと陰湿なのかと思ってたけど、うりマットはおとなしくて、ただただ一途で、アイビー想いで。ジェイピーのことバラしたのもジェイソンが妬ましいからというよりは、アイビーへの想いが先行しちゃってつい勢いで、って感じ。それだけにその後ずっと落ち込んでるのが本当にかわいそうに思える。
あとマットの俳優さん、雰囲気がすごいソロンゴ感あった。

マットつながりで演出の話も押し込むと、マットにジェイピーがキスを目撃される場所がパーティ会場の外だけど、
直前の場面まで舞台が会場内
→ジェイピーら退場
→両側の壁が裏返って外壁に
→壁の向こうが会場内になり、照明や音楽が漏れてくる風に変化
→ジェイピー登場(=外に出てきた)
っていうセットの使い方が秀逸であった。

f:id:oucalaisponti:20161129142300j:plain



✝ハンミュで泣けるといふこと

こういう落ち込む系の作品では、気持ちよく泣きたいはずなんだけども。最近少しずつ韓国語も聞き取れるようになってきて、べそかきながらも内心少し喜んでいる…複雑な気持ちだ…
嬉しいと悲しいが混在してるだけで複雑なのに、しかも見て泣いてるのがゲイものっていう、どこに共感してるのか自分でもパッとわからない状況。
いや恐らくはゲイうんぬんよりも、悩んで苦しくて、愛情も空回りして、誰も助けてくれなくて死を選ぶに至ったジェイソンと、取り巻きの辛さにグッときたんだと思うけど(普通そうか
卒業式の時に妹がジェイソンの分の卒業証書も受け取ってたのが一番切なかったな。

この話、途中からひたすらテンション単調減少だから、やってる俳優さんたちも相当辛いだろうな。日によっては二回もやるわけでしょ。参っちゃいそう。うりぴーとか肌が白い方だから、途中からひたすら目の周り赤く腫らしてたしね。そのままカーテンコールまで神妙な雰囲気が続き、帰り道までしんみりしちゃうような、容赦なく深刻な作品でした。
まぁみんな結構切り替えて出待ちしてたけど。我々もジャックザリッパー見に急いだし。欲張って出待ちしようとして、遅刻したんだけど。

 


以上!

 

 

스위니토드 / スウィニー・トッドでハンミュ界ツートップが贈る人肉パイのお味は?

 

 

★★★★★

・2016年7月29日(金)20:00
・シャーロッテシアター
・トッド:조승우(チョ・スンウ
  ラベット夫人:옥주현(オク・ジュヒョン)
  判事:서영주(ソ・ヨンジュ)
  ジョアンナ:이지혜(イ・ジヘ)
  アンソニー:윤소호(ユン・ソホ)
  トビアス:김성철(キム・ソンチョル)

 

f:id:oucalaisponti:20161125114339j:plain

 


💈神コンビ降臨


チョ・スンウ×オク・ジュヒョン。

 

 

誰ですか、こんなことを考えたのは。怒らないから出てきなさい。

 

 

ハンミュ界の男女トップ俳優なんて、組み合わせちゃっていいの?こういうのは分散させるもんじゃない?

 

 

チケット買う方の気も知らないで…

おかげでチケットオープンの瞬間は、一緒にランチしていた友人そっちのけで、お店のトイレに隠れて肉弾戦しましたよ!ごめんよ友人。

そして座席を選んでも選んでも、どんどん「他のお客様によって選択済」と出るときの焦りと言ったら!もっと鍛錬が必要ですな。

そうしてなんとかチケットは取れたものの、飛行機が遅れて最初の15分くらい見逃した…(T_T) スウィニー登場シーンが一番鳥肌立って好きなのに、見逃した…(T_T)
アンサンブルが「スウィーニッ!スウィーニッ!スウィーニッ!スウィーニッ!スウィイィイィィイィニィイィイィィイィ!!!」演奏が「ドゥドゥドゥ・ドゥドゥドゥ・ドゥドゥドゥ・ドゥドゥドゥ」スウィーニーが出てきて「チャチャーラパパパスウィーニートーーーッ」アンサンブル「チャチャーラパパパスウィーニートーーーーッ」スウィーニー「チャチャーラパッパハンナムジャー」アンサンブル「チャチャーラパッパハンナムジャー」<つづく>

しかも気付いたらスウィニー、第一幕は最初と最後くらいしかちゃんと歌うところないんだなぁ…(T_T)冒頭逃したから、神父パイの歌までチョスウィニー?スンウィニー?チョニー?はほぼお預け状態だった(T_T)

でも次に楽しみにしてた神父パイソング!二人ともノリノリですごく楽しそうで、こちらまで楽しくなった!あの曲楽しいよね。中身は結構ぐろいけど。
言葉分からなくて細かいセリフは全然分からなかったんだけど、多分アドリブとかもたくさん入っててすごい笑いを取ってた。何て言ってたんだろ〜時事ネタとかも入れてたのかな。
渋ボイスのチョスンウに、オクジュヒョンもわりと低めの声で歌ってたから、二人で悪いこと企んでる感がすごく出てて面白かった。

というかオクさま、結構顔芸がご達者で意外だった!悲劇の踊り子マタハリの面影は全くなく、一貫して顔芸おばちゃん。「昔はきれいだったけど年と苦労のせいで今は立派な韓国のアジュンマ」とでも言おうか。
ラベット夫人って(多分)名実共におばちゃん女優が演じるのが世の常だったから、オクさまやチョン・ミドという30代の女優をキャスティングしたのはすごい方向転換というか、思い切ったな!とびっくりあんど感心。スチールもすごいスタイリッシュな感じになっちゃってるし。
でもレベッカダンバース夫人も韓国版だと他国に比べて随分若い人がやってるから、単にハンミュではそういう傾向があるのかな。

f:id:oucalaisponti:20161125114420j:plain




💈スタイリッシュな地上3階地下1階

シャーロッテ劇場という大きなハコにも関わらず、今回見た中では恐らく一番簡素なセット。それだけに使い方がとても効率的で感心。
基本は3階建てのセットが舞台全体を占めていて、その各フロアを前後左右で区切って色んな空間を作り出すという。


例えば、三段のうち中段の左半分がトッドの床屋、右半分がマルチ(?)とした時に、トッドに喉を掻き切られた人は中段の向こう側に設置された(本物の!)滑り台で下段奥に落ちる。つまりは下段奥が地下室。他方で、下段の手前半分は地上階の設定で、夫人のパイ屋はそこにある。みたいな。


終盤の、舞台が地下室メインになるところでは地下室は下段手前にまで拡大し、上手袖のドアがオーブンのドアに早変わり!地下室で死ぬことになる人々はそこでバタバタと倒れていきます。
(そのため、拡大版地下室でトッドに「発見」されるために中段から下段奥に落とされたルーシーが、舞台手前までもぞもぞと這い出てくるのが見えたんだけど、スタイリッシュな演出の中でもあれだけは苦肉の策だったんだろうな)



💈その他コメントあんどツッコミ

 

・チョスンウ口笛うますぎ!歌声と同じくらい綺麗。ビブラートまでかかってた。

 

・パイ生地扱う時に本当の粉をバンバン舞わせてたけど、あれ変に吸ってむせたりしないのかしら。

 

・あとあの血はどうやってるの?服についても床についてもきれいに取れる血のりがあるの?ぺりぺり剥がれたりするの?

 

・ミンチ機に肉入れるシーンがグロすぎた。肉塊と血をどばっと入れて、棒で押し入れるんだけど、ご丁寧にぐちゃぐちゃする音まで聞こえてくる…それ人肉なんやろ…(´Д` )

 

・終盤で取り乱したトビアスがこぼした地のバケツが、終演後スポットで抜かれてたのがかっこよかった。最後まで世界観を作る粋な演出!

 

以上!

 

 

 

 

에드거 앨런 포 / エドガーアランポーのハングルって絶対正しく綴れないよね!

 

 

★★★★☆

・2016年6月11日15時
・クァンリムアートホール
・ポー:マイケル・リー
   グリスウォルド:정상욘(チョン・サンユン、通称うりサリ)
   エルマイラ:김지우(キム・ジウ)

 

 

📚うりサリがいい味を出していた

サリエル』と同じ劇場で、同じような黒くて長い衣装着て、同じように自分より才能のある者に嫉妬する役だったから、ぱっと見「代わり映えしないなー」と思ったが、何のなんの、見進めていくとなかなかいい味を醸し出していたではないか。

サリエルももちろん悪くなかったのだけど、サリエルがひたすら嫉妬して苦悩しているばかりだったとすると、こちらは「邪魔なら陥れてしまえ、何なら殺してしまえーっ」という邪悪なジェラシー男(牧師なのに…)。サリエルと違ってグリスウォルドには同情の余地もないしね。

ジェラスに翻弄されていた受動的なサリエルとは対照的に、グリスウォルドはいい人づらしてポーをずぶずぶと泥沼に沈めていくアクティブなキャラだったので、うりサリは前回は主演で今回は助演だったのに、なぜか今回の方が存在感あった。

うりサリは(失礼ながら)真顔が仏頂面で、表情がくるくる動くタイプではないだけに、陰湿なグリスウォルドだった!
グリスウォルドは策略家で、ポーを陥れているのに表づらはいいから、世間には「善人」と褒め称えられるキャラ。ポーをハメる度に客席側を向いて(他のキャラクターからは見えないように)、にんまりとした笑いを押さえ込んでいたのが、芝居がかっているんだけどグリスウォルドのワルさをよく表していてうまい表現と思った。

あとうりサリ、サリエルや今回の色んな動画から低音専門なのかと思ってけど、思い込みでしたごめんね!結構声を張り上げる曲も地声でやすやすと歌ってたね!

 

 

f:id:oucalaisponti:20161121130414j:plain


📚ビジュアルと曲を楽しむスタイリッシュ作品

演出といえば、前日に見たモジャ!よりはだいぶ良く、「かっこいい」ビジュアルだった。多彩なんだけど、暗い色調で統一されていた。

あとカラスの羽根(?)を模した板状の幕がスタイリッシュでカッコよかった!左右で二枚あったけど、片方だけで幕?仕切り?としても使えるし、二つ合わせれば前に立ってる人に羽根をつけることもできるし、奥から照明で照らせば、逆光で神々しくも。

アンサンブルもモノトーン(目の周り黒い系)でカッコよい系。

曲もロックからフォークまで色々入ってて、不気味さが相まって耳に残る音楽。
一曲一曲がこだわりのPVみたいな見せ方をしてた。ストーリーが三行半で書けそうな薄さだけど、それを目と耳でカバーしてるね!ほめてるよ!

今回初マイケルリーだったけど、高い音をらく〜に歌うから、曲の良さそのものを味わえて良かった。素材の味?
頭くりくりなのも、悩める作家っぽくてかわいかったしね。

なんか雑だけど、

 

以上!

 

 

 

모차르트! / モーツァルト!で(ハンミュ)人生の酸いも甘いも体験しよう

 

 

★★★★☆

・2016年6月10日(金)20時
・世宗アートセンター
モーツァルト:이지훈(イ・ジフン
  コロレド:김준현(キム・ジュンヒョン)
  コンスタンツェ:난아(ナナ)
  ヴァルトシュテッテン夫人:신연숙(シン・ヨンスク)
  ウェーバー夫人:うりオモニ정영주(チョン・ヨンジュ)
  シカネーダー:홍록기(ホン・ロッキ)
  演出:小池修一郎


f:id:oucalaisponti:20161115171340j:plain




🎻演出に難があるものの

しょっぱなからディスりますが、演出がぜーんぜん好きじゃなかった。ひとことで言うとまとまりがない。視覚的にも、曲の流れ的にも。
まず舞台セットと衣装は、中途半端に古典と現代を融合させようとして失敗した感満載。クラシックな部分と現代的な部分がお互いすごく浮いてて、コンセプトが全くわからなかった。しかも色彩もデザインもごちゃごちゃしてて美的センスを疑う。シカネーダー御一行はともかく、ウェーバー一家まで貧しい旅の大道芸人一座みたいで汚いというか、下品だったし、どっちがどっちだか一目じゃ分からないし。
舞台セットも、額縁風の枠にLED付けてビカビカさせてみたり、木箱の裏みたいな階段のセットをいろんな色に光らせてみたりでケバケバしい。階段が人より目立ってどうすんだよ!
ストーリーの流れはと言えば、曲が終わるたびにブツッと暗転→はい次の曲〜って感じで、場面が転々とするから、ある程度は仕方ないとは言え、あまりにもぶつ切りすぎてミュージカルというよりはオムニバスのコンサートみたいだった。舞台セットの移動と間奏を駆使して、華麗に場面転換してたマタハリを見た後だったから、余計目についたのかもしれないけど。もしもこれが「モーツァルト!」なんだっていうのなら、CDでいいやと思ってしまう。曲自体はすごくいいから。





いやっ!!



ちょーおっと待ったぁー!!!



ある!あるある!!見る意味ある!!!



そ・れ・は



キム・ジュンヒョンさまーーー!!!



マタハリのラドゥ役も興味あったけど、

 


こちらで会えて嬉しゅうございますーーー!!!



最初動く階段に乗って歌いながら奥から進み出てきた時は「宝塚かよww」と思ったけど、演出家の方そちらがご専門でしたね。


そんなジュンヒョンさまのある場面での出で立ち
・顔:濃いめ、口あごひげ(ひげ好き)
・首元:ピンクのファー
・衣装:赤と金のガウン
・胸元:半分はだけた素肌にゴツい金ネックレス
・足元:緑のビカビカ階段

 

f:id:oucalaisponti:20210705102822j:plain



そちらさまもしかして…派手好きの…マ◯ィア?


あっ、コロレド大司教さま?


ってちょっとーーーっ!


大司教じゃあデートできないじゃない!


そんないい男が教会にいてどうするのよ!


世俗にいてよーーー


あ!


でも腐敗してたらデートできるか💡


コロレドさん腐敗してそうだもんな!


うんうん、デートしよーーーっ


ヒゲめっちゃセクシーーーっ


その声で歌ってーーーっ


耳元でささやいてーーーっ


どうせなら胸元ももっとはだけてーーーっ


そのビカビカした電飾も消してーーーっ


あ、あとその変なファーは外して。


そして日本にも戻ってきてん。


戻ってきたら四季でも何でも見に行くからさ。


戻ってこなくてもまた韓国に見に行くけどさ!



前半は変な服だったけど、後半の黒×金のロングコートはイメージとすごく合っててカッコよかったん。舞台上にいる時は他放置で、コロレドさまだけガン見状態。歌も低音イケボで舞台全体の土台を固めてる感じ。
ヴァルトシュテッテン夫人もすごくうまくて、二人とも折に触れてしか出てこないながらも、今回のモジャ!はこの二人が脇をがっちり固めている印象だった。

f:id:oucalaisponti:20161115171404j:plain

 

 

🎻メインキャラクターも健闘

モジャ役のイ・ジフンは東洋人離れした顔立ちで、ドレッドも衣装もとても似合っていた。アマデと兄弟みたいに絡んでいるところや、軽快に舞台を動き回ってる姿も好印象。序盤の低めの曲こそあまり声が出てなくて心配になったが、その後徐々に調子が良くなり、若々しいモジャを演じた。音が高い曲の方が得意な模様。

コンスタンツェ役のナンアも別に普通?と思ってたけど、二幕"Irgendwo wird immer getanzt"では堂々と歌って魅せて、なかなかやるじゃんと見直した。最近耳が肥えて、普通にうまいだけじゃ関心しなくなってしまったのが贅沢な悩み。

そんなレベルの高い俳優が揃っている中で、シカネーダーだけはへたくそだった!声全然出てない。調べたら歌やミュージカルが本職の人じゃないみたいね。喜劇俳優って出てきた。
ぶっちゃけシカネーダーって誰がやってもある程度はコミカルにできそうだし、それに加えて歌も演技もうまい人がやったら、かなりいいスパイスになる役どころだと思うのだが…。本俳優に関しては「喜劇俳優だけあって特別面白い!」というわけでもなかったので、この人のこの作品における付加価値って何なんだろう…と疑問を感じてしまった。この程度の演技でいいなら、もっと歌うまな人ボロボロいるでしょ。見た目もどう見ても新婚さんいらっしゃいのあの人だったし…それとも私が知らないだけで、集客力のある人なのかな。少なくともその魅力は私が見た回では引き出されてなかった。

今回はキム・ジュンヒョンさまの魅力を発見できたので見る価値は充分にあったけど、「モーツァルト!」は本来もっといい作品であるはずだと思うので、本作に関してはいい演出といいシカネーダーでお口直ししたい。

 


以上!

 

 

마타하리 / マタハリでハンミュの本気をマノアタリ

 

 

★★★★★★

・2016年6月10日(金)15:00
・ブルースクエアの大ホール
マタハリ: 옥주형(オク・ジュヒョン)
    ラドゥ:류정한(リュ・ジョンハン)
    アルマン:엄기준(オム・キジュン)

 


★は五つがMAXのはずだけど、あ・ま・り・に・も充実していたので特例で六つ。


まず全体を通して痛感したこと。

 


戦争はダメ、絶対。

 


はい元も子もないー。

 

f:id:oucalaisponti:20161115021016j:image

 


今回のメインキャストはハンミュ界の片手に入るくらいの大物揃いで期待はしていたし、事前に動画で予習もしていってたけど、期待と予想をはるかに超えたお三方でした。

あまりにもだったので敬意を込めてリュさま、オクさま、オムさまと呼ばせていただきます。

 

 

👠まずストーリーを簡単に

 

💃第一幕💃WW1中のフランス・パリ。ムーランルージュの人気踊り子マタハリ(オクさま)のもとに仏軍情報部の大佐ラドゥ(リュさま)がスパイ活動の依頼に来る。しぶしぶ決意するマタハリ
ほどなくして彼女はセーヌ川に墜落した戦闘機の操縦士アルマン(オムさま)を助け上げる。惹かれ合う二人。しかしアルマンは実はラドゥが差し向けたマタハリ監視要員だった。自分もマタハリのことが好きなのに本当に愛し合ってしまったアルマタが面白くないラドゥ、アルマンに激戦地の偵察任務を与え、アルマタは涙のうちに引き離される。

💃第二幕💃アルマンは撃墜されベルリンの病院にいると知らされるマタハリ。マタ「ベルリン行かせて」ラドゥ「面白くないからダメ。しかもアルマン差し向けたの俺だよ」マタ「そんなバカなっ!無理にでもベルリン行ってやるぅ」ベルリンにてアル「ごめん本当なんだ。でもマタのこと好きなのも本当だよ」マタ「信じてたのにっ。もうあんたなんて知らないっ」と仏に帰国。
その間ラドゥのもとに、マタハリが仏のスパイだと知ったドイツ側から彼女をハメるための暗号が届けられる。ラドゥ「マタハリを庇えば自分は戦犯、摘発すれば英雄だけどマタハリ死んじゃうどうしよう」結局後者を選択、マタハリ逮捕。裁判の場でマタハリはアルマンの死を知り、自分も銃殺刑になる。「最高の最期の舞台にするわ」とハラを決め、アルマンのいるところへ…。

 


👠圧倒的リュさま

 

リュさまはあまり舞台以外(MVやプレスコール)には露出しないとこのとで、事前に声をあまり聞けなかったのですが、もう序盤の登場シーンでひと言ふた言セリフを発しただけで


圧倒的イケボイスきたーーーーーーッ!!!


と期待感ウナギ登り。その声のまま歌われるのだからもう。

低くて重厚感があるけど耳の奥までまっっっすぐ届くクリアな声で、ブラックホールが迫ってきて耳をいっぱいにする感じ?(究極的に分かりにくい
多分人体の極限まで喉が開いてるんだろう。喉見たら口くらい開いてるんじゃまいか。口が二つ状態。そら強いわ。
何というか、「この方は声で私の耳をくり抜いているのかしら?それとも掃除をしてくださっているのかしら?リュさまと私の間には、実は空気や鼓膜さえも存在していないんじゃないかしら?」と感じるくらいによく届く深い歌声だった。空気や鼓膜なかったらそもそも声聞こえないけど。でもそんな矛盾さえどうでも良くなる圧倒的イケボと安定感。さすがハンミュ界の皇帝と呼ばれているだけあって、お見それしまくりました。

 


👠麗しの女帝オクさま

 

なぜか歌うより先に脱ぐオクさま。しかも脱ぎっぷりがすごい。マタハリ十八番の「インドの踊り」で腰を振りふり次々と布を脱ぎ捨てていって、最終的にはスパンコール付ビキニ豪華版みたいな格好に!美脚なのは存じ上げていたけど、プロポーションも抜群。オクさまはよく考えたら36歳のアイドルでいらっしゃるのよね。アイドルグループはまだ所属してることになってるようで。あぁいうことができる36歳になりたいわ。やるかは別として。

お歌の方はもうもちろん。リュさまが皇帝ならオクさまは女帝ですからね(両立するのか)。最期の悲しい曲は声もとーっても綺麗だった。本作は美しく可愛く悲しい役どころだったので、スウィニーの怖いおばちゃん役も激しく期待。

 


👠若々しいオトナ・オムさま

 

オムさまは動画の時点ではすごく好きなところとそうでもないところとがあって、実際に見てどっちに転ぶかなというところだったんだけど、好きでした。

まず、そうでもないところとしては、一つは歌い方。私の好みよりは少しビブラートの幅?波?が大きすぎて、ロングトーンはこぶしまではいかないものの、かなりはっきりと「あぁぁあぁぁ」となりそこばかり気になってしまう。
もう一つは、発音?何と表現すればいいのかわからないが、口を横に開きがちな発音。「たんしん」ではなく「てゃんしん」、「みょーん」ではなく「みぃよーん」みたいなの。

んで、好きなところというのは、顔w 別にイケメンではないんだけど、前に仕事で一緒になったY氏に似てるからww
(注:Y氏とは、アラフォーながら飄々とした性格と頼りがいのある仕事ぶり、ソウルを案内してくれた時のペラペラ韓国語とイテウォンのバーというチョイスで筆者がファンとなったソウル駐在員(当時)である。当時筆者の韓国語学習のモチベーションはもっぱら彼であった)だから顔が似てるだけでもかっこよく見えるのです。

そしてもう一つは、歌声と表現力。オクさまがインタビューで「(オムさまは)舞台上では愛にハマってしまう感性の持ち主なので、共演したがる女優は多いんです」とコメントしていた通り、感性豊かなセクシーボイスで、恋愛ソングでなくてもうっとりしてしまふ。

あ、あとオムさまスタイルが良い。勝手な推定身長176cmだけど、脚の割合が大きい気がする。そして膝裏が伸びてて絶妙な脚の形。

アルマンは若い役で、オムさま自身はアラフォーだけど、前向きな曲の時は特に声を若返らせていた気が。設定は20代らしいが、青年らしさと地に足がついたオトナらしさを兼ね備えた素敵なアルマンだった。

しかし、オムさまの登場シーン。セーヌ川マタハリに出会ったアルマン、顔の前でシンバルチンパンジーのように手を叩きながら
「わー!マタハリだー!!すごーい!!!(ぱちぱちぱちぱち)」

マタハリ「あら、私のこと見たことあるの💋?」

アルマン「見たことなーい♪(ぱちぱちぱちぱち)」

かわいい40代だなww
かわいいながらもその直前の"저 높은 곳(From way up there)"は少し音取りが難しい曲に思えるのだけど、ベテランらしく安定して歌い上げてた。歌い方は微妙に好みじゃないけど実力そのものは申し分なく、他の二人にも劣らないオムさまも総合的にはかなり好き。

 

そんなこんなで非常に高い次元に君臨するメイン三人が出揃った時点で、あーもうこれは豪華すぎて涙と鼻水と鼻血とよだれともしかしたらトマト汁が炸裂してしまうぅうぅぅと悶絶を禁じえませんでした。神様この方々を創ってくださってありがとうございます(T_T)それもこんな近くの国に同時多発的に(T_T)次は日本にもぜひ(T_T)

 

f:id:oucalaisponti:20161115021211j:image

 


👠クライマックスはいくつあるのか

 

もともと見せ場が多すぎるのか、出演者が全てを見せ場にしてしまっているのか、「この前後だけ切り取ってもちょっとしたミュージカルできるんじゃない?」というクライマックスシーンが満載でございました。

まずは昔の不幸な生活には戻りたくないと歌う切実ソング"돌아갈 수 없어(I won't go back)"ではオクさま魂込めて全力で歌いすぎて、三曲目にしてこれはクライマックスですか?状態。早くも観客の涙を誘う状況に。

男性二人が対峙する"남자 대 남자(Man to Man)"も男の意地や誇りや愛や嫉妬や憤怒がぶつかり合って大爆発してたなぁ。この曲はタンゴの不気味な要素も強くて、一番好きな曲かもしれない。というか劇中ところどころタンゴ調の曲が入ってることでオトナ感が増してよろし。

制作側が一幕で一番見せたかったのは、アルマンが危険な任務に飛び立って行く前半最後のシーンでしょうな。「戦争も命令も誰も私たちを引き裂くことはできない!ずっと一緒よ!/だ!」と熱いキスを交わし、出陣とともに上昇する戦闘機をバックに、マタハリが熱唱するっていう。ちなみにこの時のマタハリの紫の衣装好き。でもでも、せっかくドでかい戦闘機の模型作ったのに、スモーク焚きすぎであまり見えてなーい!!というか戦闘機普通あんなに煙もくもく出ないだろー!!幕間にもしばらく煙漂ってたわー!!

そしてマタハリへの愛憎入り乱れる"너때문에(Because of you)"や、マタハリを悪者にして殺さざるを得ない苦悩ソングはリュさま炸裂だったな。リュさま本当に素晴らしい。もっと早くに出会いたかった…しかしbetter late than never!


それにしてもノートルダムのフロロにしろ、今回のラドゥにしろ、職権で脅して女を振り向かせようとする男って、なんて醜いのかしらね。パワハラもいいところだわ。渋い声で歌えばいいってもんじゃないわよ。そういえばマタハリの構図ってノートルダムと似てるな。フェビュスと違ってアルマンは、恋愛的にはゲスじゃないけど(希望的観測・後述)、マタハリを騙して近づいたわけだし、ヒロインも愛されなかった権力者によって亡き者となるしな。よし。このタイプは「ノートルダム型」と勝手に名付けよう。

 

アルマンとの出会いの真実を知ったマタハリがドイツから帰国してくる時の、三人がそれぞれの苦痛を独り言的に吐露するところは、ほんの短い間だけど三人が一緒に歌う最初で最後のシーン。この時の会場内に流れてる声量測ったら針が振り切れてたであろうくらい圧巻!
でもストーリー的にはここで三人で歌う必然性ってあまりなくて、きっとどうしても三役が揃って歌うシーンを作りたかったんだろうな。いや本作の俳優陣が三人ここで揃うだけでも必然性は十分にあると言うべきか。

そんなこんなであっと言う間にラストシーン。細かいところまではよくわからなかったけど、お涙頂戴に乗せられて感動のラストシーン(銃殺刑)を迎えましたとさ。鼻血とトマト汁は何とかセーブ。いや耳から鼻血出てたかな。とにかくお腹いっぱいすぎて、そのまま帰国便に乗ってもいいくらい満足しました。他のキャストも見てみたかった。

 


👠気づかない方が良かったかもしれない解釈

 

(注:この解釈は恐らく結構萎えるので、今後いつかどこかでマタハリを見るかもしれない場合は読まない方がいいかも)


見ながら薄々考えていたこと、それは


アルマンって本当にマタハリのことが好きだったのかしら…


いや、確かに親密になってからマタハリの姿を遠目で見て「好きだ!」みたいな曲歌ったり、病院で出会いの真実(というか嘘というか)を知ったマタハリが走り去った後に、前述の悲痛トリオで歌っていたりと、設定上は確かに好きということになってはいるんだけれども…

でも、例えばあの病院の状況で自分が監視要員だったって、言う?そこは黙っとこうよ!ラドゥが適当なこと言ったんだよって答えておこうよ!さてはマタハリをフランスに返すために…

だってだって、ハニートラップを仕掛ける立場の女に、逆にハニートラップを仕掛けるんだから、アルマンも実は相当の手練手管野郎ですぜ!私だってオムさまに接近されたらry

もっと言えば、アルマンの死は口頭でしか伝えられないから、本当に死んでるのかわからないよ!すごく忠実に、それはもうリアルに撃墜されて敵国に傷病兵として捕らえられるくらい忠実に、任務を遂行して、生きて帰ってくるのかもしれないよ!独仏が、マタハリを処刑する代わりにアルマンを返すという取引をしたかも知れないよ!

裁判でピンチな時のときのアルマンの幻登場だって(人の結婚式に「ちょっと待った!」と乱入してくる男さながらの登場。全身白いコスチュームで客席の後ろ扉から入ってきちゃってさ)、アルマンが死んだから幻想として出てきた、ではなく単なるマタハリの妄想かも知れないしね!アルマン、病院で瀕死状態だったならまだしも、普通に動き回ってたもん。

これは、オムさまの演じ方に問題あり?それともの私の韓国語力のせい?
んー…でもオムさま演技力>>>>>私の韓国語力だろうから、私がちゃんと台詞や歌詞分かってないだけなんだろうな…。それともひねくれてるだけか…。そういうことにしておこう。

でもアルマンに愛されていたにしろ、最後まで騙されていたにしろ、マタハリは戦時下で、自分ではのっぴきならない時代の渦に巻き込まれて死ぬはめになったのは変わらないから、最終的には十分同情を呼ぶ仕組みにはなっている。いやむしろ愛されずに騙されてた方が可哀想で泣ける?

 

 

👠その他どうでもいいツッコミ

 

・ラドゥ大佐の奥さん、権限大きすぎ説
夫ラドゥの職場に乱入したと思いきや、夫と二人で会話するために同室の情報部員を全て外させたり、解読されたドイツ軍の暗号を情報部員がラドゥ宛に持ってきたところ、奥さんも居合わせてガッツリ読んでたり。情報/諜報部員ってヘタしたら家族にもそうであることを隠すレベルじゃないの?部外者が人払いしたり暗号読んだりしていいの?

マタハリのマタは下の名前だった説
付き人のアンナが「うりマタうりマタ」って連呼してて、響きがなんかなぁ〜と思ってたら「マターーーッ!!」って叫び出して笑った。その点、アルマンが本名のマーガレットで呼んでたのはよかった。

・橋の固定が甘い説
セーヌ川から墜落したアルマンの声がして、覗くためにマタハリが橋の欄干に駆け寄るシーン。マタハリが勢いよく当たったら、石造りの橋がびよびよびよ〜んって揺れた笑 これではオクさまがすごい怪力みたいになってしまう…その方が直後にチンピラを「ヤーーッ💢!」って追い払ったのも納得しやすいが…

・兵役がここでも役に立ってる説
敬礼のキレがハンパない!

・名前の由来は椿姫説
マタハリの本名はマーガレット。その恋人はアルマン。
デュマ・フィスの小説「椿姫」のヒロインの本名はマルグリット。その恋人はアルマン。
おぉおぉぉおぉおぉぉ!絶対そうじゃん!!
と勝手に発見したところで。

 

以上!