浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

웃는남자 / 笑う男の高笑いは聞こえるのか

 

 

★★★★☆

 

・2018年8月11日(土)18:30

・芸術の殿堂 オペラホール

・グィンプレン:パク・ヒョシン

 ウルスス:ヤン・ジュンモ

 デア:イ・スビン

 ジョシアナ:シン・ヨンスク

 デイヴィッド:カン・テウル

 ペドロ:イ・サンジュン

 アン女王:イ・ソユ

 

 

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😁この夏期待の超大作

 

マタハリ」同様にセットといい、衣装といい、視覚的にすごく魅力的な出来上がりでした。シンボリックな舞台装置は、きっと「笑う男特別仕様緞帳(?)」。幕なのか、板なのかわかりませんが、開演前から不気味な笑顔で観客を迎えています。笑っている唇の部分は上と下にパカッと分かれ、さらに下部分は真ん中で左右に開くことで様々な場面を演出します。

 

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その他王宮のガーデンパーティーも、ウルススの劇団も(玉乗りをする熊までいる!)、王宮でのグィンプレンの部屋も(ベッド高すぎやろ)、とにかくセットがめちゃくちゃ豪華!さすがEMK。

セットの中では、私は議会のシーンで、議席が半円状に連なってるのが好きでした。議員さんたちはちょっと傾いて座らないといけませぬ。

ガーデンパーティやこの議会のシーンは、「不思議の国のアリス」のハートの女王のシーンを連想させます。だってアン女王がもはやハートの女王のよう。ビジュアルも、高圧的なところもそっくりで、それでいてコミカルなところもあるので、見てて楽しいサイドキャラです。持ち歌の最後のロングトーンもすーごく長くて、貴族たち(あんど観客)が、女王の機嫌を損ねないように3回も4回も拍手を繰り返す時間があるほどでした。

 

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視覚的魅力といえば、もう一つはバイオリン奏者。「バイオリンなのに『視覚』?」と思われるかもしれませんがそう、視覚。バイオリン奏者が一人、劇を通して要所要所で演奏しているのです。劇団員だったり宮廷演奏家だったり、舞台の一部なので、もちろん衣装もその都度着替えて。最初の方は弾いてるふりをしている役者かと思いましたが、あまりにもよく出てくるので、オペラグラスで手元を凝視したらちゃんと弾いていました。笑

 

 

 

 

😁豪華超大作ではあるものの

 

さて、「笑う男」の物語。「ヴィクトル・ユーゴーの自称・最高傑作」と言われているわりには日本語の翻訳は入手しづらく(「ユーゴー全集」みたいのに納められている程度?)、原作で予習できなかったので、あらすじをかき集めたり色んなブログの情報をつなぎ合わせたりして、ちょっと心配な中で見ました。メインのシーンでなくていいから、プレスコールもしておくれ。

 

それでつたない韓国語でよく分からないセリフ多数だったのだが、あれは結局デイヴィッドが幼いグィンプレンをコンプラチコスに引き渡したってことなのかな?それをジョシアナが知って、デイヴィッドを捨てる決定打になったの?

 

でも大筋の流れが分かっていれば、多分問題ないと思います。というか原作がどうなのか知らないけど、ストーリー性が弱い!よって感情が終盤まで、あまり動かされない!

一幕の終わりが「ぼくが実は貴族の出自?ありえない~~~~!」で終わるのですが、こちとら前日にちょん切られた親友の首を使って生命を創造する場面で一幕が終わるの目撃してるので、一幕がまさかそんなところで終わるとは思わず、前半終わるタイミングとしてちょーっと弱くない?というのが象徴的だったと思います。

 

やっとストーリーに引き込まれるようになるのって、上述した議会でのグィンプレンの歌あたりからでした私は。でもそれって二幕も3分の2が過ぎた頃…。「富者の楽園は貧者の地獄の上に成り立っている」と日ごろから考えていたグィンプレンが、議会で貧者に助けの手を差し延べることを切実に歌うものの、貴族たちから嘲笑され、自分の居場所はやはりこの世界ではなくデアやウルススのもとなのだ!と気づくあたり。

そこからは一気に悲劇が展開。劇団に戻ったグィンプレンだが、デアはグィンプレンが死んだ悲しみのあまり瀕死状態。グィンが駆け寄るも時既に遅し、その腕の中でデアは息を引き取り、悲しみと厭世にとらわれたグィンはデアを抱いて自分も入水します。その姿を見ているしかないウルスス…。ぶっちゃけこのシーンはデアとグィンに対してではなく、育て上げた二人が一度にいなくなってしまうウルススの後姿に泣かされます。

泣いて、しんみりして、気づいたら終わり。あれ?なんか終わり方感動的だけど、いまいち納得いかない…。だって劇の8割くらいは、のらりくらりと見られるようなもので、何が起きたかあまり覚えてないくらいだもの…。ひどい言い方をすると、最後のは小手先の感動演出に思えます。材料や盛り付けはものすごく豪勢だけど、食べてみると旨味が全然ない料理のような。鳴り物入りの開幕だったことを思うと、期待したほどの満足感が得られませんでした。

 

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もう一つ、本作にはワイルドホーンらしい、耳に残るメロディと歌い上げる系の曲が少なかったのでは、と思った。3階で見ていたからかもしれませんが、俳優が歌唱力のあるスター揃いのわりに、ドカーンと歌声に圧倒されるような場面が少なかったです。

それではせっかくのヒョシン氏が、もったいない。おどけたりして可愛いシーンが多かったから、ヒョシンファンなら嬉しいのかもしれないけど、彼の歌声をいっぱいに浴びたかったミュージカルファンとしては、物足りないものがあったなぁ。

というか独特の声質もあり、彼にはファントムの方が断然似合ってると思ってしまった。なんとなくファントムの時と同じような、神秘に満ちた感動を味わえると思って期待して言ったのだが、(少なくとも中身は)普通の青年の役は、私にはあまりしっくりこなかった。もしかしたら私はエリックを演じるパクヒョシンが好きだったのかもしれない。ヒョシン氏目当てで見にいったけど、これならパクガンヒョンで見ればよかった。ヒョシン氏はファントムなら、絶対また見にいきます。トートはやらないみたいで残念。

ちなみに余談ですが、グィンプレンお着替えシーンでヒョシン氏の細マッチョが一瞬見えたのがよかったです。

 

なんかすごいマイナス評価になってしまった。笑 でもマタハリみたいに再演でガラッと変わる可能性もあるから、一新されたらまた見にいっちゃうかも。

 

出口にのんびり向っていたら、ジョシアナ役のシンヨンスクさんに遭遇しました~。「ファントム」のカルロッタの頃からすごいイメージ変わった。おきれいです。

 

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以上!