浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

엑스갈리버 / エクスカリバーの持ち主はシャー

 

 

★★★★★

 

・2019年6月22日(土)19時

・世宗文化会館

・アーサー:김준수(キム・ジュンス

 ランスロット:엄기준(オム・キジュン)

   モルガナ:신영숙(シン・ヨンスク)

   マーリン:김준현(キム・ジュンヒョン)

   グィネヴィア:민경아(ミン・ギョンア)

 

 

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👑ミュージカル俳優キム・ジュンスを訪ねて

 

あの独特の声に慣れるのに3年かかり、やっとジュンスデビューしました!

私はミュージカルに関しては実力至上主義者(顔面は加点要素に過ぎない)なので、進出してくるアイドルには厳しく、うまいのかどうか分からない人にお金は使いたくないのですが…。さすがにジュンスもこれだけミュージカルに出ていればミュージカル俳優としての実力もついてるのだろうと思い(何様)、今回思い切って見にいってみました。

 

特に今回、比較対象が前日に見た実力者カイという不利な状況に(私の中で勝手に)立たされていたジュンス。しかし結果的には見てよかったと思いました。もちろん歌を比べてしまうと、ちょっと低音域が狭いな~とか、もうちょっと声量がほしいな~と思う場面はありましたが、アーサーという役の見せ方の点では妙に説得させられる演技で、カイ版よりもストーリーがすっと入ってきました。

 

カイに比べてシャーサーは子どもみたいにあどけなく、元気よく、キュートなアーサーでした。冒頭の仲間たちとの戯れシーンから、皆に愛されているのが分かります。ランスロットがオム・キジュン氏ということもあり、本当に兄と弟という感じで。後半に周囲を突き放すあたりは、イヤイヤ期の子どもかと思いましたがww

 

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でもその子どもらしい素直さやナイーブさが、最終局面に効いてきました。

腕の中で生き絶えたランスロットに、子どもみたいに何度もごめんねごめんねと謝って号泣するシャーサー。悲しみに入り混じる罪の意識がこの日のアーサーからは強烈に感じられて、涙を誘われました。

 

また、シスターになったグィネヴィアとの再会シーン。かたや心配してくれる妻を未熟にも突き放してしまったこと、かたや悲しみに任せてワンナイト(だとやっぱり思ってる)してしまったこと。どちらも熟考の末の決断だったならいざ知らず、ほんのいっときの感情に流されてした行動だからこそ、取り返しのつかない重大な結末に一層悲壮感を感じました。ここはいつも『源氏物語』の、出家した藤壺と源氏を思い出してしまうのですが(どうでもいい)、流石に源氏でもアーサーでも、一度俗世を捨てた人を俗世には戻せないわけで、実質的には今生の別れということになるのです。

 

こうして、愛し愛された人々を失ったアーサーは唯一残ったエクスカリバーを持ち、岩に登って天に剣を突き上げて終わります。

この一連の結末、カイバージョンの記事でも書いたように、最初見た時は結構モヤッとしていたのです。それはおそらくカイ氏は、しっかりとした足取りで登りつめ、エクスカリバーを振り上げていたから。立ち直りはやっ、と思ってしまった。

対してジュンスのアーサーはやっとの思いで剣を拾い上げ、打ちのめされた様子でよろけながら岩を登っていき、最後の力を振り絞って剣を突き上げたようでした。私としてはこちらの方が感情の面でも説得力があるし、ランスロットやグィネヴィアと別れた悲しみの余韻が残っていて、前日と違って「エクスカリバー」がとても悲しい話に思えました。ミュージカル俳優キム・ジュンスに拍手を送りたいと思います(だから何様

 

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話は全然変わり、これはおそらく逆に彼がアイドルだからこその発見なのですが、ジュンスから観客への視線の送り方がすごい。今回の舞台は銀橋のようなものがあるのですが、その端の少し出っ張っている部分でアーサーが歌う場面がいくつかあります。そういう、観客との距離が近い場面で歌っているのを見ていると、ジュンスは目の前にいる観客を一人ひとり覗くように見て歌っているんです。ミュージカル俳優ではあそこまで観客をしっかり見つめるのは見たことなかったので、これが一流アイドルなのかしらと感心。あんな見つめられ方をされたら、確かに心を掴まれるかもしれません。

 

 

👑ベテラン勢も本領発揮

 

オム様ランスロットもさすがとしか言いようがありません。まずはその変わらぬ若々しさ!実年齢の半分くらいの役も軽々とこなしてしまうのです。ハンミュ界ではキム・ソヒョンさんが「アラフォーに見えない女優」として名を馳せていますが、男性版を決めるなら間違いなくオム様が抜擢されると思います。

もう一つさすがなのは、やっぱり演技力。前日のパクガンヒョンくんの時は特に何とも思いませんでしたが、オム様を見ると演技うまい!と思います。開幕数日後にしてすでに余裕があるというか、シンプルなのに身のこなし一つひとつが多くを語っていました。オム様久々に見ましたが、やはり素晴らしい俳優!

 

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マーリンとモルガナは、前日と同じお二人。ここが同じキャストにして抜群の安定感だったので、安心して他の役に集中できました。お気に入りの2人なので、2日連続でこの爆発力と濃厚な色気を堪能できて、もう本当にご馳走様でしたおかわりください。

 

おかわりと言っていいか分かりませんが、ミーハーなので観劇後に楽屋口に行ってみたらジュンヒョン様の退勤に遭遇できました♡ 生ジュンヒョン様を近くで拝見し、なんとサインまでいただき、握手もしてもらうというフルコースを終演後にいただいて、お腹も胸も頭も全部はち切れました。充満する色気を吸いすぎて寿命が3年くらいどうにかなったのですが、寿命は果たして延びたのか、縮んだのか。お肌もオーバー40とは思えないほどピカピカでした。はぁ至福。

 

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以上!

 

 

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