浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

엑스칼리버/ エクスカリバーに歌うま警報が発令されています

 


★★★★★


・2019年6月21日(金)20時

・世宗文化会館

・アーサー:카이(カイ)

    ランスロット:박겅현(パク・ガンヒョン)

    モルガナ:신영숙(シン・ヨンスク)

    マーリン:김준현(キム・ジュンヒョン)

    グィネヴィア:김소향(キム・ソヒャン)

 

 

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🐉あらすじ


読んでいったArtus Excalibur (本作の前身?)のウィキペディア英語ページのあらすじと若干違っていたので、備忘メモがてらの長いあらすじ。


<一幕>

~プロローグ~

マーリンらしき長いマントの人物が、エクスカリバーが刺さる岩の前で赤ん坊を高く掲げている。

 


~本編~

幼なじみのアーサーとランスロットが、仲間たちと戯れあって青春を謳歌している。

アーサーは父エクトルと二人で暮らしているが、そこにマーリンが突然現れる。

マーリンはアーサーが実は先代の王ウーサー・ペンドラゴンの不義の愛の末に生まれた息子であり、自分こそがエクトルに赤子のアーサーを託したのだと明かす。また、迫りくるサクソン人から国を守るためにアーサーが聖剣エクスカリバーを抜いて王になるしかないと説く。困惑するアーサー。


ウォルフスタン率いるサクソン人の侵略が迫り、魔女モルガナが身を置く修道院にも押し寄せる。サクソン人は慈悲もなく皆殺しにするが、モルガナは自分がペンドラゴンの娘で、サクソン人の拠点となりうるペンドラゴンの城のありかを教えるからと辛うじて死を免れる。

修道院に囚われていたと思ったら、今度はサクソン人の人質に…。モルガナはかつて自分を守ってくれると約束してくれていたマーリンは、自分を捨ててどこに行ってしまったのと嘆く。


アーサーは困惑しながらも決意を固め、誰にも抜けなかったエクスカリバーを岩から抜き王となる。ランスロットはずっと一緒だった幼なじみが突然伝説の人物となり戸惑うも、友を王として受け入れる。

そこにグィネヴィアが現れて、何も知らずに「エクスカリバーを抜いた人を見たか」とアーサーに尋ねる。アーサーは戯けて「見たさ、すごく素敵な人だった」と答える。グィネヴィアはもしもその人に会ったらきっといい世界を作れると伝えるのだと意気込み、その姿にアーサーは惹かれる。グィネヴィアは最終的に目の前にいるのが剣を抜いた人物だと知り、決まり悪そうに去っていく。マーリンはアーサーに、彼女が未来の王妃だと告げる。


ペンドラゴン城に到着したサクソン人。城の中でモルガナはマーリンが残した道具を見つけ、彼を探し出す決意をする。


グィネヴィアの村にアーサーとランスロットが訪ねてくる。ランスロットがアーサーからエクスカリバーを借りて女の子たちに見せびらかしている間、グィネヴィアを口説くアーサー。そこにサクソン人の部隊が現れ、エクスカリバーを持っていないアーサーは怪我を負ってしまう。剣を持ったランスロットが戻ってきてなんとか戦い、サクソン人部隊のリーダー(ウォルフスタンの息子)を追い返す。

ランスロットは不注意でアーサーに怪我を負わせたことを仲間に責められる。


ペンドラゴン城では命からがら戻ってきた息子から、ウォルフスタンとモルガナはアーサーの存在とエクスカリバーをアーサーが持っていることを知る。モルガナはアーサーは死んだものと思っていたので、自分以外にペンドラゴン王の後継者がいたこと、そのためにマーリンは自分を捨てたことが分かり大憤慨。全力を以ってアーサーを倒すことを誓う(アーサーを倒す目的が一致したからか、多分この辺でモルガナは囚われの身ではなくなる)。


怪我から復帰したアーサーはグィネヴィアとの愛を確認。そこにモルガナが現れ、自分は生き別れた姉だと明かす。姉の存在を初めて知ったアーサーは、その女に関わるなというマーリンの忠告に反し、一緒に暮らそうとモルガナを受け入れる。


アーサーは正式に戴冠し、円卓の騎士を組織する。

 

 

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<二幕>


アーサーとグィネヴィアの結婚式。お祝いムードで皆が陽気に歌う中、端の方でモルガナは不審がるマーリンに「私に知恵を全て授けるという約束をしたではないか」と迫る。

また別のところでは一人でいるランスロットに対してグィネヴィアが「孤独なあなたに必要なのは愛よ!」と助言?している。永遠の愛なんて僕には訪れないと歌うランスロット


結婚披露宴もたけなわ、アーサーが杯を持って乾杯しようとするが、グィネヴィアはアーサーが飲みすぎることを心配してお義父さまに任せましょうと杯をエクトルに渡す。息子の晴れ姿に喜ぶ父は乾杯後に杯を飲むと容態が急変、毒殺されてしまった。サクソン人の仕業と考えたアーサーは、心配するグィネヴィアやランスロット、マーリンをも追い出してしまう。慰めに駆けつけたモルガナに焚きつけられ、サクソン人と徹底的に戦うことを決意する。サクソン人の側では、アーサーに怪我を負わされた息子を結局亡くしたウォルフスタンが闘志を燃やしていた。


サクソン人を憎む余り無謀な作戦に出ようとするアーサーはランスロットと衝突し、負傷させる。とどめをも刺さんかというところにグィネヴィアが割って入り、ランスロットの傷を手当てする。


森ではモルガナが黒魔術を唱えている。マーリンが現れて牽制するが、モルガナはマーリンとその魔力への欲望をぶつける。


グィネヴィアはアーサーに対して復讐心に溺れないよう諭すが、アーサーは父の死をグィネヴィアのせいにして突き放してしまう。

仕方なくグィネヴィアとランスロットは森を歩きにいくが、アーサーを心配するグィネヴィアの心を得ることができないと悲嘆したランスロットは自殺を試み、止めにきたグィネヴィアと抱き合い、接吻する。


マーリンの魔術部屋?をモルガナが漁っている。マーリンが入ってきても悪びれずに彼を誘惑しようとするモルガナ。マーリンが反撃してモルガナを脅しているところに運悪くアーサーが現れ、マーリンに対する不信感を募らせた彼は姉を連れて出ていく。


迫りくる決戦の日。しかしアーサーの横にいるはずのランスロットが見当たらない。森にランスロットを探しにいったアーサーはモルガナに出会い、妻と親友の不義を知らされる。激怒したアーサーは二人を国外追放に処し、絶望してマーリンに助けを求める。マーリンはアーサーを勇気づけ、サクソン人との戦いに向かわせると同時に自分はモルガナ打倒を引き受け、彼女と刺し違えて消滅する(モルガナが突然倒す対象になった理由はよく分からなかったすみません)。


サクソン人との戦闘中、ランスロットが駆けつけて加勢する。アーサーは勝利するが、戦いでランスロットが致命傷を負い、アーサーの腕の中で息絶える。グィネヴィアもまた追放後は修道女になり、アーサーとの生活には戻れない身になっていた。戦いに勝利したものの、妻も親友もマーリンも失ってしまったアーサー。唯一手許に残ったエクスカリバーを見つめ、運命を受け入れて剣と歩んでいく決意をする。


<終わり>

 

 

 

🐉歌うまモンスター大集結祭


渡韓日程にちょうど合う形で、マイベストキャストで見ることができました!!ぜひ見てみたい俳優&ヘビロテ俳優オンパレード。一人ずつでも、ご飯何杯もお代わりできちゃう逸材揃いですよ。最近チケットの値段高くなってるけど(これなんて15万ウォン!)、ここまで名優揃いならばと納得してしまいます。でもこれ以上上げないで…。


まずはずっと見れていなかったカイ氏。動画で見ていた朗々と歌うイメージの通り、よく通る力強い声。声張る時の声量やばし。嬉しい時、荒れた時、泣いている時、どんな時も決して乱れない安定した歌声。

賢いけど頑固なアーサーという感じで、モルガナに騙されて周囲と反発する時は結構イヤなやつに見えます。笑 そんなところも、アーサーの人間味溢れる部分が垣間見えてよいのですが。

 

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そしてランスロットのパク・ガンヒョン、う・ま・い!!彼、実はずっと前に「ベア」で見てうまいなと思っていたきり、なかなか縁がなかったのですが。あの時はピーター役でピーピー泣いてたのに、あれよあれよと大出世したねー。イメージもだいぶ男らしくなって、すっかり大劇場系スターの仲間入り。

でもでも、本当にそれにふさわしい実力者だし、そのスターたちより歌うまいくらいだと思います。今回カイよりも上だなと思ってしまった。今後どういう道を歩んでいくのか楽しみです。


キムソヒャンさんのグィネヴィアは間違いなく本作の元気印!キュートすぎる。笑顔でいることって大事だなと彼女を見てると思います。そんな笑顔を消すアーサー、あり得ないわん。


アーサーと周囲(グィネヴィア、ランスロット、マーリン)との衝突はかなりしっかりと描かれているのに対して、グィネヴィアとランスロットの関係は折に触れて少しずつ。親しい友人同士として気遣い合っているだけのようにも見えたので、もう少し「禁断の愛感」を掘り下げてほしかった。

ランスロットは突然「彼女の愛を得ることが出来ない」と歌い始めるし、でもどこでグィネヴィアのこと好きになったのかよく分からなかった。二人が抱き合って不倫したのも唐突で、どちらかというとワンナイトに見えるのネ。暗転して次に照明ついた時には二人の上着が脱ぎ捨てられてて妙に生々しいという。しかもその場所、森だし。笑

 

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マーリンは歌いどころ少ないのかなと思ってたけど、普通に結構ありました。ジュンヒョン氏は声に爆発力があるからすごく強い魔法使いに見えるし、セクシー地獄男なのでモルガナとの絡みも濃厚。途中から何故かハチマキ巻いてるのは本当に必要なのか分からんけど。


マーリンとモルガナはかつて一緒にいたことがあるらしいのですが、恋愛関係だったのかと言われるとちょっと違う気もする。年も結構離れてるはずだし、モルガナはマーリンといた時の自分を「少女」と言っているので、勝手に思うにマーリンは使命のために少女モルガナを守っているに過ぎなかったが、モルガナの方はマーリンに対して恋心を持っていた、みたいな感じではないかと。

オマセな女子中学生が塾の先生に恋しちゃって、でも先生は取り合わずに粛々と受験対策を教える、みたいな。全部君に教えてあげるよって言ってるんだけど、先生はさらに有望な生徒アーサーを見つけて、それがまた有望なわりに頼りないもんだからそちらに熱心になってしまうんですね(何

 

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モルガナのシン・ヨンスクさん、もはや見る前から当たり役だと分かりますが、実際に見るとはい正解、当たり役です。彼女の歌った “Sins of the Father”が、劇中で一番大きな拍手と歓声を受けてました。それもそのはず、曲のクライマックスでは歌声と怨念が爆発しすぎて劇場が崩れんばかり。耳のキャパオーバー寸前のところを攻めてきます。魔力や執念が強すぎて、こないだまでエリザベートやってた人とは思えませんw


しかしまぁモルガナのやり口ってすごい。カルト集団が信者を周囲と引き離す時と同じようなやり方で周りの人への猜疑心を掻き立て、アーサーを孤立させていきます。そして傷つく度に慰めて、自分への依存心を育てる。勉強になります(何


他方でサクソン人は完全にただの野蛮なカルト集団みたいな描かれ方してて笑ったw


ラストシーンの締めですが、コーラスじゃなくてアーサー王の歌で終わってほしかったな。舞台上にアーサーしかいない状態でのコーラスだから、結局アーサーはどうしたいのかのメッセージ性が弱い。その点「キング・アーサー」は「これからは国の為に頑張るぞ!オー!」というのが伝わってて良かったです。


この「エクスカリバー」、もはや元の「アーサー王物語」の諸設定はガン無視なのですが、各キャラ立ってるし、ラストシーンは少しモヤッとしたものの、全体として納得感がある作りでした。シスターになったグィネヴィアが俗世に戻ってきたらどうしようかと一瞬思いましたが、さすがにそんな無茶はさせませんでしたw

 

以上!

 

 

 

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