浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

Priscilla / プリシラの行き先はアリススプリングスではなく・・・?

 

 

★★★★★

 

・2018年2月10日(土)20時

カジノ・ド・パリ

・ティック(ミッチ):Laurent Ban(ロラン・バン)

 バーナデット:David Alexis(ダヴィッド・アレクシス)

 アダム(フェリシア):Jimmy Bourcereau(ジミー・ブルスロー)

 

 

 

ロラン・バンって来韓アマデウスサリエリやってた人じゃん!数少ない仏ミュで同じ俳優に出会えるなんてー。もしかしてフランスのミュージカル俳優層って結構薄い?

 

f:id:oucalaisponti:20180222154529j:plain

 

 

🚌劇場・ド・パリ

 

そこはともかく、今回の会場はパリの老舗の劇場、カジノ・ド・パリ。外壁もエントランスホールもレトロで素敵です。エントランスホールはフューシャのビロード張りにシャンデリア。客席は赤いビロード。

ミュージカルというよりは、レビューでも見にきたいような雰囲気。

 

f:id:oucalaisponti:20180222154600j:plain

 

 

客席には、案内係の劇場スタッフが一組ずつ案内してくれます。そのため開演間際になると客席入り口付近は長蛇の列。開演に間に合わせるため、スタッフは一組案内するごとに小走りで入り口の列まで戻ってました。しかし案の定間に合わず、開演は15分遅れる始末。安定のフランスw

 

ところでこの案内係の方々、労働の対価は客のチップのみだそうで、案内してくれたらチップを渡す必要があります。だからきびきびと動けていたのでしょうか。チップもらうなら人をたくさん捌いた方がいいからねw 

チップを渡すことを知らない人やスルーしようとする人には、「我々の報酬はチップだけなんです(にこっ」と爽やかに説明して、チップもらってました。私はポケットに入っていた小銭を出したらまさかの20セント硬貨で、申し訳ないかなと思ったのですが、お兄さんは小銭は少しも見ずに私の目を見てお礼を言ってくれたので、ホッとしたというか礼儀正しい人だなぁと思いました。他の人がいくら渡していたのかは知りません~。

 

あとこの劇場、中央ブロックの一番端の席は折り畳みシートで、その代わり普通の椅子より10ユーロ安いという嬉しい(?)料金体系になっています。はっきり言って座りにくいですが、普通の座席も見たところそんなに快適なわけでもなさそうなので私は別によかったです。ユーロもパリの物価も高い中、10ユーロってバカにならない!

 

f:id:oucalaisponti:20180222154623j:plain

 

 

🚌昔若かった人たちも中身はまだまだパリピ

 

仏版プリシラ、果たしてあのヒット曲たちはフランス語に訳されてしまうのか…?と心配してたけど、なんと曲は全てそのまま、英語で歌われていた!しかも歌ってるのフランス人なのに、英語の発音はちゃんとしてた!フランス語訛りじゃなかった!これはあっぱれですぞ。最初口パクかと思ったもん。笑

でもオペラ曲は、さすがに口パクだった。あの部分、他のプロダクションではどうなってるんだろうか。

 

プリシラってかなり前に映画を見たことがあったけど、往年のヒット曲が使われているあたり、ミュージカルになじみのない人でもとっつきやすい作品よね。特に70-80年代に若かった方々?そういうわけなのか、会場はアラフィフ以上の男女で溢れていました。中には車椅子でお越しの白髪のおじいさんまで。

でも若くても聞いたことある曲が必ず何曲かはあるはずだし、私は今回予習して、往年のヒット曲を学んでいい教養の勉強になったなと思いました。これで世代間格差を埋めよう!

 

f:id:oucalaisponti:20180222154725j:plain

 

 

どの曲も超有名曲なので、その分ストーリーから浮き出ちゃって「突然歌い出す」感じが否めない本作ですが、派手な衣装がたくさんあって目に楽しいし、各曲にそれぞれの世界観があるしで、「ストーリー付きで衣装がド派手なコンサート」だと思えば十二分に楽しめる作品でした。砂漠にドラァグの衣装っていうアンマッチな感じがいい。

というか実際にコンサートと勘違いしてるのかな?ってくらい、周りでは歌を口ずさんでいる人が多かったです。さすが基本パリピフランス人!

 

そんな衝撃ビジュアル&ディスコ音楽が爆音で流れる中、度々気を失っていたのは私だけだったでしょう。だって時差ボケつらすぎたんだもん。飲んでいったリポビタンDは全く効果なし。次は渡仏2日目の夜には予定入れないようにしよう。

 

 

パリピと言えば、幕間も終わる頃、客とスタッフ全員でYMCAを踊るという謎イベントが突如発生ww

 

突然音楽が流れ出したと思ったら、劇場スタッフが羽根のストールを巻いて「フーーー!」と叫びながら客席に乱入し、座っていた観客を立たせ、手拍子しながら客席中をスキップして移動ww

 

そしてサビになると一人が舞台上に上がり、スタッフも観客も全員で「ワーイエムシエ!」

 

パリピフランス人たちはもちろんノリノリ!

 

そしてこの間、役者は一人も出てきていません。w 映画内で使われてる曲なのは知ってるけど、今回の舞台では歌われてなかったし、完全に流して踊りたいだけだったろww

 

とまぁ、プリシラは客の入りもよく、盛り上がっていたけど正直、フランスにおけるミュージカルの位置付けがまだ捉えきれていませぬ。これもミュージカルの中では一般受けする方だから客が入ってただけかもしれないし、プリシラの地方公演はキャンセルされたものもあるみたい。パリピフランス人にはがっつりストーリー重視の作品より、ストーリー付きコンサートの方が受け入れられるのかしら。でもノートルダム・ド・パリは結構ストーリー重めだしなぁ。

今後もちょくちょく仏ミュを見る機会があればいいなと思います。

 

 

以上!