浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

베토벤 / ベートーヴェンは音楽をやればできる子(けどやらない

 

 

★★★★☆

 

・2023年4月15日(土)19:30

・世宗文化会館

ベートーヴェン:박은태(パク・ウンテ)

 アントニー:조정은(チョ・ジョンウン)

 カスパー:이해준(イ・ヘジュン)

 

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🎼とりあえずこのあらすじを見てくれ

 

第一幕

ベートーヴェンの葬儀。アントニーが参列している

・過去。ベートーヴェンは演奏のため訪れた後援者の舞踏会でアントニーと知り合う。アントニーの実家にはベートーヴェンにゆかりのある(?)楽譜があるらしいと分かる

・弟カスパーが婚約者を紹介するが、誰も信用しないと決めているベートーヴェンは婚約者に対して不信感を露わにする

・後援者のキンスキー侯爵がベートーヴェンのコンサートの中止通達を出す

・怒ったベートーヴェンが侯爵を訪ねるとそこにはアントニーがおり、考え直すよう侯爵を説得してくれる

・感謝を伝えるためにベートーヴェンは実家で亡き父の遺品整理をしているアントニーを訪ねる。そこで出会った時に話題に上がった楽譜も見せてもらう

アントニーは遺品整理のためその場では相手ができず、ベートーヴェンは自分の憩いの場所に気が向いたら来てくれ、と伝える

・その場をアントニーが訪れてベートーヴェンと再会し、二人で散歩してたら雷雨に襲われる

・雷雨の中二人は盛り上がってキスしてしまうが、我に返ったアントニーは走り去っていく

・自分の中に生まれたアントニーへの気持ちに気づくベートーヴェン。聴力は弱っても音楽を頑張るぞと決意

・帰宅したアントニーを待っていたのは夫フランツ。アントニーに遺品整理をやめさせて連れ戻すと伝える。妻への不満を吐露

アントニーは、ベートーベンにもう会うことはできないと手紙を書く。ベートーヴェンは絶望して酒に走る

・カスパーが訪ねてくるが、相変わらず弟嫁を嫌っている上に愛に絶望したベートーヴェンは、妻子への愛を歌う弟とはまたも分かり合えず、決別

・両親やキンスキーや上流階級の幻影にうなされるベートーヴェン。そこにアントニーが現れてその愛に力を得、音楽を頑張るぞとまたもや決意して一幕終わり

 

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第二幕

・2年後のプラハベートーヴェンは弱った聴力のせいでコンサートでうまく指揮できず、その場を去る

・一方アントニー夫妻もプラハに訪れていた。実家を売りに出すと夫に告げられたアントニーは耐えきれず一人で夜の街に出たところ、ベートーヴェンと再会

・二人で飲みにいき、ベートーヴェンは勢いで駆け落ちを持ちかける。それはさすがに断られるがアントニーの心もまたベートーヴェンに向いている

ベートーヴェンは気持ちを抑えきれず、カールスバーグの実家までアントニーを訪ねる

・彼女はやはり気持ちには応えられないとベートーヴェンを追い返すが、二人でいるところをアントニーの義理の妹に見られ、夫に報告されてしまう

・妻を責めるフランツ。アントニーも夫に支配されるのはもう耐えられないとぶつかる

・家を出たアントニーはまたベートーヴェンと再会。アントニーの子どもを連れてベートーヴェンと駆け落ちする相談をする

・義理の妹が子どもたちを連れてくるはずが現れず、代わりにアントニーは夫に財産も子も奪うと脅迫される

・事情を知ったベートーヴェンは家を出たアントニーを探し回る。アントニーは飛び降りようとしているところだった

・子どもだけは諦められないアントニーに理解を示し、抱き寄せるベートーヴェン

・カスパーを呼び出したベートーヴェンは弟に謝罪する。愛の偉大さを知らなかったと。和解する二人

・再び指揮棒を手にしたベートーヴェンは音楽を頑張るぞとまたもや立ち上がる

ベートーヴェンの葬儀のシーン。アントニーも参列している

 

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🎼一言感想「うん、音楽やって???」

 

ベートーベンの話なのに、アントニーとのくっついたり別れたりが全て、アントニーとその夫の事情に左右されて、ベートーベンはひたすら受け身という感じ。途中からもはやアントニーの話なのではと思ってしまうほど。ベートーヴェンは完全に拗らせてるし。それにしても夫のソロ曲は、2回も3回もいらないかも。

 

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そんなこんななので、第二幕の間はずっと「音楽はどこいった???」と思いながら見ていました。

 

第一幕まではよかった。アントニーへの気持ちや聴力を失いゆくことへの苦悩がベートーベンの音楽を形作っていくことで、偉大な音楽家への道のりが描かれていくかと思ったのに、第二幕になったら、なぜかアントニーとの再会と別れを繰り返すばかりで、もはやベートーベンが音楽家であることすら忘れてしまうほどでした。

それなら、第一幕も下手にバランスを取らず、ひたすらアントニーとの関係性や想いに寄せた作品にしたらいいのにー、と思うほど。

 

でもねー、そうすると扱う人物がベートーヴェンである必要がなくなっちゃうのよね。ただの恋愛物語だと。だからやっぱり恋愛はあってもいいけど、それがベートーベンの音楽にどのような影響を与えたかということを、ミュージカルで見たいなと期待しちゃうのよね。そして、それも、欲を言えば『モーツァルト!』とも少し違った感じで。

 

そもそも、なぜまた音楽家を題材に選んだんだろう。どう考えても『モーツァルト!』と比較されてハードル上がるのに。クンツェ×リーヴァイなら題材はドイツ語圏の人じゃないといけなかったのかな。次はゲーテとかやるのかしら。

いや、でもまずはこの薄っぺらいストーリーをどうにかしてくれ。

 

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ベートーベンの曲を全編使うっていうのは、リーヴァイのオリジナル曲が聞けなくて残念だけど、私は悪くないと思ったな。なんたって楽聖の作曲ですから。劇中では音楽やってないけど(まだ言う

キャストはさすがのemkで豪華だし、ウンテさんもジョンウンさんも素晴らしかった。セットや衣装も文句なしの大ミュージカルなので、ストーリーが良くなったらまた見にいってもいいかな。

 

以上!

 

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