浮かれポンチ、ハンミュを観る

主に観たハンミュ(韓国ミュージカル)のレビュー置き場。

베토벤 / ベートーヴェンは音楽をやればできる子(けどやらない

 

 

★★★★☆

 

・2023年4月15日(土)19:30

・世宗文化会館

ベートーヴェン:박은태(パク・ウンテ)

 アントニー:조정은(チョ・ジョンウン)

 カスパー:이해준(イ・ヘジュン)

 

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🎼とりあえずこのあらすじを見てくれ

 

第一幕

ベートーヴェンの葬儀。アントニーが参列している

・過去。ベートーヴェンは演奏のため訪れた後援者の舞踏会でアントニーと知り合う。アントニーの実家にはベートーヴェンにゆかりのある(?)楽譜があるらしいと分かる

・弟カスパーが婚約者を紹介するが、誰も信用しないと決めているベートーヴェンは婚約者に対して不信感を露わにする

・後援者のキンスキー侯爵がベートーヴェンのコンサートの中止通達を出す

・怒ったベートーヴェンが侯爵を訪ねるとそこにはアントニーがおり、考え直すよう侯爵を説得してくれる

・感謝を伝えるためにベートーヴェンは実家で亡き父の遺品整理をしているアントニーを訪ねる。そこで出会った時に話題に上がった楽譜も見せてもらう

アントニーは遺品整理のためその場では相手ができず、ベートーヴェンは自分の憩いの場所に気が向いたら来てくれ、と伝える

・その場をアントニーが訪れてベートーヴェンと再会し、二人で散歩してたら雷雨に襲われる

・雷雨の中二人は盛り上がってキスしてしまうが、我に返ったアントニーは走り去っていく

・自分の中に生まれたアントニーへの気持ちに気づくベートーヴェン。聴力は弱っても音楽を頑張るぞと決意

・帰宅したアントニーを待っていたのは夫フランツ。アントニーに遺品整理をやめさせて連れ戻すと伝える。妻への不満を吐露

アントニーは、ベートーベンにもう会うことはできないと手紙を書く。ベートーヴェンは絶望して酒に走る

・カスパーが訪ねてくるが、相変わらず弟嫁を嫌っている上に愛に絶望したベートーヴェンは、妻子への愛を歌う弟とはまたも分かり合えず、決別

・両親やキンスキーや上流階級の幻影にうなされるベートーヴェン。そこにアントニーが現れてその愛に力を得、音楽を頑張るぞとまたもや決意して一幕終わり

 

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第二幕

・2年後のプラハベートーヴェンは弱った聴力のせいでコンサートでうまく指揮できず、その場を去る

・一方アントニー夫妻もプラハに訪れていた。実家を売りに出すと夫に告げられたアントニーは耐えきれず一人で夜の街に出たところ、ベートーヴェンと再会

・二人で飲みにいき、ベートーヴェンは勢いで駆け落ちを持ちかける。それはさすがに断られるがアントニーの心もまたベートーヴェンに向いている

ベートーヴェンは気持ちを抑えきれず、カールスバーグの実家までアントニーを訪ねる

・彼女はやはり気持ちには応えられないとベートーヴェンを追い返すが、二人でいるところをアントニーの義理の妹に見られ、夫に報告されてしまう

・妻を責めるフランツ。アントニーも夫に支配されるのはもう耐えられないとぶつかる

・家を出たアントニーはまたベートーヴェンと再会。アントニーの子どもを連れてベートーヴェンと駆け落ちする相談をする

・義理の妹が子どもたちを連れてくるはずが現れず、代わりにアントニーは夫に財産も子も奪うと脅迫される

・事情を知ったベートーヴェンは家を出たアントニーを探し回る。アントニーは飛び降りようとしているところだった

・子どもだけは諦められないアントニーに理解を示し、抱き寄せるベートーヴェン

・カスパーを呼び出したベートーヴェンは弟に謝罪する。愛の偉大さを知らなかったと。和解する二人

・再び指揮棒を手にしたベートーヴェンは音楽を頑張るぞとまたもや立ち上がる

ベートーヴェンの葬儀のシーン。アントニーも参列している

 

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🎼一言感想「うん、音楽やって???」

 

ベートーベンの話なのに、アントニーとのくっついたり別れたりが全て、アントニーとその夫の事情に左右されて、ベートーベンはひたすら受け身という感じ。途中からもはやアントニーの話なのではと思ってしまうほど。ベートーヴェンは完全に拗らせてるし。それにしても夫のソロ曲は、2回も3回もいらないかも。

 

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そんなこんななので、第二幕の間はずっと「音楽はどこいった???」と思いながら見ていました。

 

第一幕まではよかった。アントニーへの気持ちや聴力を失いゆくことへの苦悩がベートーベンの音楽を形作っていくことで、偉大な音楽家への道のりが描かれていくかと思ったのに、第二幕になったら、なぜかアントニーとの再会と別れを繰り返すばかりで、もはやベートーベンが音楽家であることすら忘れてしまうほどでした。

それなら、第一幕も下手にバランスを取らず、ひたすらアントニーとの関係性や想いに寄せた作品にしたらいいのにー、と思うほど。

 

でもねー、そうすると扱う人物がベートーヴェンである必要がなくなっちゃうのよね。ただの恋愛物語だと。だからやっぱり恋愛はあってもいいけど、それがベートーベンの音楽にどのような影響を与えたかということを、ミュージカルで見たいなと期待しちゃうのよね。そして、それも、欲を言えば『モーツァルト!』とも少し違った感じで。

 

そもそも、なぜまた音楽家を題材に選んだんだろう。どう考えても『モーツァルト!』と比較されてハードル上がるのに。クンツェ×リーヴァイなら題材はドイツ語圏の人じゃないといけなかったのかな。次はゲーテとかやるのかしら。

いや、でもまずはこの薄っぺらいストーリーをどうにかしてくれ。

 

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ベートーベンの曲を全編使うっていうのは、リーヴァイのオリジナル曲が聞けなくて残念だけど、私は悪くないと思ったな。なんたって楽聖の作曲ですから。劇中では音楽やってないけど(まだ言う

キャストはさすがのemkで豪華だし、ウンテさんもジョンウンさんも素晴らしかった。セットや衣装も文句なしの大ミュージカルなので、ストーリーが良くなったらまた見にいってもいいかな。

 

以上!

 

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식스/ SIXはヘンリー8世最大の功績

 

 

★★★★★

 

・2023年4月15日(土)14時

・COEX新韓カードartium

・キャサリン・オブ・アラゴン:이아름솔(イ・アルムソル)

 アン・ブーリン:배수정(ぺ・スジョン)

 ジェーン・シーモア:박혜나(パク・ヘナ)

 アン・オブ・クリーブス:최현선(チェ・ヒョンソン)

 キャサリン・ハワード:김려원(キム・リョウォン)

 キャサリン・パー:홍지회(ホン・ジヘ)

 

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高校世界史でヘンリー8世を勉強した時に、こいつはとんでもないやつだなと思った記憶あるけど、今回詳細に知ったらやっぱりとんでもないやつだった。


しかしおかげで五世紀後にこんな最高なミュージカル出来たよ!あの世の王妃たちー、見てるー!?

 

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こんなに粒揃いの女性キャストをダブルキャストで六役分も揃えられるのは、さすが韓国。なんたってパクヘナが浮いてない。みんなそれぞれいい声で、喉がすごつよで、演技も振り切ってて、笑えたし楽しかった。


アンブーリンはお転婆というかじゃじゃ馬というか。同じ首チョンパ系ビッチ(どういう系列)のハワードとはまた違う小ギャルビッチ感あったし、生意気全開のSorry, not sorryは頭の中エンドレスリピートソング。日常生活でちょっと反発したい時にも脳内リフレインしております。

 

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シーモアは唯一よく知っているパクヘナさん。安定の歌声で、上品で、泣かせて笑わせるクイーン。


アン・オブ・クリーブスの曲に先立つHaus of Holbein好きすぎる!あの蛍光メガネと襟ほしい。そんであのオタゲーみたいな変なダンスやりたい。

自分の処遇について開き直っちゃうのもいい。


ハワードのビッチっぽさ好き。キムリョウォンさんがスタイルめちゃくちゃ良くてビッチ感が増してた(褒めてる

ビッチなのに、ちょっととぼけたすんとした顔で踊ってるのが好きだった(褒めてる

直前に『ミッドナイト』のビジターやってた時の動画見てたからすごいギャップだったけど、どっちもハマっててさすがでした。

初見だと思ってたらリョウォンさん、2019年に『ザ・キャッスル』で見たことあったみたい!


パーは他の王妃とは違ってヘンリーに先立たれて生き残っ(ちゃっ)たから、正直一番インパクト小さいよね…と思って、どう扱われるのか気になってたけど、うまいことみんなをまとめ上げる役回りでした。それでいて持ち歌もアイロニーに富んでて、しっかり「喰えない」王妃の一人だった。

 

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よく見たらマイクまで各キャラのカラーに合わせてキラキラがカスタマイズされてた。


会場に着いたらまさかの一階席が半分くらいしか埋まっておらず、心配になったんだけど、その場にいた観客はすごい盛り上がりだったので、公演が始まったらそんなこと吹き飛んでました。

でもこんなにクォリティの高い作品が満席じゃないのはもったいない!女優さんばかりだと、おっかけてリピするファンが少ないだろうから、どうしても空いちゃうのかなぁ。

あとは80分という上演時間に対してVIP席12万ウォンっていうのも、少しお高いかも。でも昨今の韓国ミュージカルの値段の上がり方を考えれば、そんなものなのかなぁ…。

 

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もともと、韓国版の直前にやっていた英語の来韓版を見るつもりだったんだけど、予定が合わなくてこちらに。クオリティーについては、全然心配してなかったけど、案の定すごくよかったです。一つの演目で、実力のある女優さんをこんなにたくさん見れることもないと思うから、良い機会でした。

あとは様々な女性の生き様を見られる作品で、そういう観点でも面白かったです。世の中色んなキャラクターがいるし、それぞれにも色んな側面がある。人生いろいろ。女もいろいろ。

 

男もいろいろ…いや、ヘンリー8世お前は調子に乗りすぎや。

 

以上!

 

 

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応天の門、Deep Seaは青い炎に青い海に

 

 

★★★★★

 

・2023年4月9日(日)11時

東京宝塚劇場

菅原道真:月城かなと

 昭妃:海乃美月

 在原業平:鳳月杏

 藤原基経風間柚乃

 

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👹応天の門


原作未修で行ったけど、面白かったです!道真のアイコニックな登場シーンもカッコよかったし、最後も満月をバックに「鬼」たちが並んでいる画も漫画の扉絵?みたいだった。


満月もだし、応天門とか梅の花のプロジェクションも効果的に使われてた。プロジェクションってともすると使いすぎになりがちだけど、よい塩梅だったんじゃないかな。プロジェクション使うと漫画っぽさも増してよかった気がする。


月城さん演じる道真がすごく全てを見透かす大人びた少年感が出てて、きっと原作もそういうキャラなんだろうな?と想像できました。まさに昭妃の言う通りの「食えない坊っちゃん」。それでも色んなことを経たラストソングの時は内面も大人になったように見えて頼もしかったです。


宝塚の「原作舞台化モノ」ってビジュアルも衣装もセットも本気で寄せてくれるし、ストーリー構成もうまいから経験上あまり外さない気がするんだけど、これもきっと原作ファンにもご満足いただけるんじゃないかなと思いました。逆に原作を読んでみたくもなる。

 

 

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🌊Deep Sea

 

見事なチョンパ!周りで何人かが「わっ!」と漏らしてるのが聞こえてきたくらい、視界が明るくなった途端舞台上がキラッキラしてて圧巻でした。

応天の門といい、今回の公演は登場が印象的。歌い出しがアカペラなのもよかった。


海乃さんの人魚衣装、SIXを予習してる身にとっては完全にアン・ブーリンなのよ!Sorry, not sorry…って歌い出しそう。

その後の青いスパンコールが入った白スーツの月城さんカッチョイイ。と思ってたら何かヘンテココミカルな動きでいまいちかっこよくない時あったけど笑

それに続いて出てくる白い衣装の海野さんはバレエのシェラザードみたい。


女装鳳月さん、最初分からなかった!衣装の深緑が綺麗だけど、よく見るとちょっと重厚なカーテンみたいどうしたの?

奈落で降りていくときの月城さんのニヤッが何ともセクシー。


デュエットダンスもあまり見ないオトナの雰囲気でよかった。トップ娘役も三歩下がってるだけじゃなくて、時にはトップさん以上に情熱的に攻めてもいいと思います!

 

 

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全体的にセットや衣装の色合いが綺麗で、統一感があって素敵だったけど(というかジャガビーを見た後なら何を見ても統一感があるように見える疑惑)、まとまりすぎというか、これという印象的な場面が少なかったような気もする。最初のチョンパが一番インパクト強かった!あと中詰めの赤い衣装ってリトルマーメイドのセバスチャン的なイメージなのかしら。


芝居に比べてだいぶまとまりのない感想文ですが、とりあえず月城さんの美しき御尊顔をたくさん拝めたので余は満足じゃ。

 


以上!

 

 

 

うたかたの恋、アンシャントマンで宝塚の王道回帰

 

 

★★★★★

 

 

・2023年3月18日(土)15:30

東京宝塚劇場

・ルドルフ:柚香光

 マリー:星風まどか

 ジャン・サルバドル:水美舞斗

 フェルディナンド太公:永久輝せあ

 

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💝うたかたの恋


華やかで軽快なテンポの『美しき青きドナウ』、この曲がかつてこんなに悲壮感を醸し出したことがあっただろうか…。


フェルディナンド大公は、自分が逮捕に向かった先で二人に死なれちゃって、事後処理大変だったろうな…というのが見た直後の感想。


というのは冗談で、運良く見られた本作、なんかすごく宝塚らしいもの見たな〜という感慨に浸れました。直近のラインナップが不良高校生(ハイロー)や中国人(蒼穹の昴)やグルジア人(ディミトリ)だったので。

耳に残るテーマ曲も最初と中盤と最後でがっつり聞かされて、幕間には「愛はさら〜にさら〜に…」と脳内再生しながらトイレの列に並びました。


冒頭の舞踏会のシーンが優雅で、群舞とか男役さんたちが次々に踊るところはバレエ白鳥の湖の一幕を彷彿とさせますね。

なーんて呑気に見ていたけど、後半改めて同じ舞踏会のシーンになると、その優雅なベールの下には悲壮感しか漂っていなくて、心が苦しくなりました。

ルドルフとマリーが踊り始めたのを見てエリザベート皇后が意味ありげに立ち上がるの、最初は「?」だったけど、全ての経緯を知った後で見ると、あの時エリザベートにはルドルフに忍び寄る死の影が見えていたのではないかとハッとしました。完全にミュージカル『エリザベート』の影響受けまくりの解釈だけどw でもこれ見てる人のほとんどは『エリザベート』も見てるだろうから、意識しちゃうのも無理はないよね。


花組を見るの、アウグストゥス以来でわりとご無沙汰だったのですが、柚香さんの演技にすごく厚みと落ち着きが出たなぁと思いました。独特のイントネーションも健在で、時折「ハハハッ…」と笑うのも相俟って、今目の前にいるのはアニメキャラなのかな?と何度か錯覚しました。


ルドルフとマリーの悲恋もので美しかったのですが、前半のマリーのルドルフ推しが強すぎて、ちょっと見方を誤ると、マリーが推しと両想いになって推しに殺されるという、推し活の真骨頂話のようにも見えてしまった(汗)。

でもルドルフがジリジリと追い詰められていって、最後に死を選ぶことになるまでの道筋をきちんと描いていたのは良かった。これならルドルフとしては、マリーがついてくるかどうかに拘らず、もう死ぬしかないと思うだろうな、と言う納得感がありました。

そういう意味ではマリーもマリーで、支えていくと決めた推しと心中するということを自分の意思で選んだのだから、結果的にはいいのかもしれないなぁ。


なぜならルドルフものだとどうしても私はワイルドホーンの『ザ・ラスト・キス』が比較対象に出てくるのですが、そちらでは一人で死ぬ勇気もないズタボロヘタレルドルフがマリーを巻き込んで死ぬ話のように私は思えていて、いまいち「私たちが結ばれるにはもう死ぬしか道はない!マイヤーリングへレッツゴー!」というルドルフとマリー両方の切なる死への希求は感じられなかったんですよね。


でも、まぁそんなことはどうでもよくなるくらい、ルドルフやマリーが美しくて、周りの登場人物がしっかりしていて、衣装やセットも統一感があって、素敵で、すごく没入感が得られる作品でした。


ところで、ルドルフの周辺人物について観劇後に調べていたのですが、フェルディナンド大公って後にサラエボ事件で暗殺される、あのフェルディナンド大公だったのですね…。しかも劇中で恋人として紹介されていたソフィも一緒に暗殺…。フェルディナンドは史実では冷遇されつつもソフィとは結婚できたようだけれども、その結末が暗殺だなんて、やっぱりハプスブルクの引きの強さは侮れない。

 

 

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💝アンシャントマン


オープニングの感じが『デリシュー!』と似てるな〜と思っていたら演出家が同じなのね。どちらも全体的に色合いとか好きだったから、私に合ってるのかもしれない。


好きだった衣装

・中詰めの衣装全体

 特に黒い円盤みたいな帽子つけて黒い羽根持って踊る烏の姐御みたいな方達の衣装

・星風さん女神降臨ブルードレス

 手に星持ってる時のやつ。自由の女神みたいなキラキラのティアラつけて、青いベールを靡かせながら降臨。この曲の最後のポーズ(?)もよかった。星風さんと柚香さんが向かい合ってて、柚香さんの後ろに連なるように長い列ができてるの。その列はうねりながら大階段まで続いていて、二階席からだと天の川みたいで綺麗でした。

・フィナーレ娘役群舞の衣装

ゴールドのドレスに黒い手袋の組み合わせがシックだった。あまり踊る時間は長くなかったので、たくさん見られなかったのは残念。

・ウィリー・ウォンカ

 好きだったというより印象が強かったのが、オープニングのハットとスティック。私この組み合わせ、『チャーリーとチョコレート工場』のウィリーウォンカにしか見えないのよね…みんな素敵でキラキラでいい場面なのにウィリーウォンカがいっぱいいるようにしか見えなくてごめんなさい…

 

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そういえば衣装と言えば、フィナーレの男役群舞のタキシード、珍しくトップ以下全員同じものだったような…。序列に応じてスパンコールなど特になく。そういうこともあるんですね。


今回は、芝居も上も、どちらかというとかなりクラシックな宝塚と言う感じで、万年宝塚素人としては「宝塚を見たなぁ〜!」と言う感慨に浸りながら帰路につきました。これでまた次から何でもどんとこいと言う心意気で臨めます。

 


以上!

 

 

 

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ディミトリ、JAGUAR BEATで不思議の国紀行

 

 

★★★★★

 


・2023年1月17日(火)18:30、2月3日(金)13:30

東京宝塚劇場

・ディミトリ:礼真琴

 ルスダン:舞空瞳

 ジャラルッディーン:瀬央ゆりあ

 アヴァク:暁千星

 

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👑ディミトリ


みんな眉毛が濃い!笑

おなごたちの長いおさげかわいい。


戦いの時とか結婚式とか、ジョージアンダンスが素敵。こういうのって講師の人とかがいるのよねきっと。日本にもいるのね〜。


アヴァクの疑念ソングで突然クラブっぽい前奏がブンブン鳴り出すのうける。そこだけちょっとフランスミュージカルっぽい。しかもアヴァクが「アバクのだ!」って言ってるのツボすぎ。


瀬央さんの登場が比較的遅めで、彼女のポジション的にどうなの?と思ったけど、出てきてからはしっかり存在感のある役でした。瀬央さんのファンの方々は、登場するまでが毎回長そう〜。

 

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ジョージアというと今まで「ワインが美味しい国」と「ロシアとよく揉めてる国」というイメージしかなかったけど、この作品を見て当たり前ながら長く複雑な歴史がある国なのだかと分かったし、ダンスや衣装などからも文化的にも豊かな国なのだろうなと思いました。遠い異国だけど、少し親しみが湧きました。

 

 

🐯JAGUAR BEAT


なんかもうジャカジャカしてたのしか覚えてないwww

頑張って思い出そうとしても

 


ジャガ🥔ジャガ🥔ジャガ🥔

ビート!ビート!ビート!

 


って言ってたな…とビカビカした視界とともに浮かび上がってくるくらい。笑


「奪われた翼を取り戻す」というシンプルなストーリーにここまでヴィジュアル要素を盛り込んだのすごいww

間違いなく今までの人生で最も目と耳が忙しい一時間でした。


オープニングの衣装を見た時も思ったけど、舞空さんの衣装が時折シェンユンみたい。

中詰めの礼さんの衣装も赤金で中華の帝王っぽい。

 

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ひとまずずっと色彩の暴力を受け続けていたので、群舞になって衣装が少しだけ落ち着いたのを見て初めて視界の安寧を取り戻しました。それでも群舞にしてはだいぶ衣装とか派手な方だけど。礼さんはジャケットの袖を捲っていたけど、彼女は手首を出していた方が腕が長く見えて素敵。

そしてパレードで何故か突然白とネイビーの統一感を出してきて、逆に焦った。トップ二人のシャンシャンのリボンの色が青と黄色で、庶民の私はIKEAまたはg.u.に見えて仕方なかったですが。パレードの場面にいきなり生活感出てきてすみません。


そういえば宝塚のレビューって定期的に強い魔法使いみたいな三人組が曲の合間に出てくるけど、今回はそれがたくさん出てきた気がします。オープニングの後の紫の三人とか、太陽の杖持ってる人たちとか月の杖持ってる人たちとか紫の羽がついた人たちとか。


とりあえず衣装も照明も登場人物も全てがギランギランに混ざり合って眼前に迫ってきて、不思議の国のアリスになった気分でした。そしていきつく暇もなく、気がついたら終わってました。でもその中でも各スターが引き立っていて、豪華な戦隊モノのショーを見たような後味でした(褒めてる


一つだけ物足りなかったのは、礼さん、相変わらず歌が上手なのは言わずもがななんだけれど、これまでの公演に比べてディミトリもジャガビーもあまり歌唱力を爆発させる歌がなかったような。もっと歌うまの見せ場を作ってあげてほしかったです。ぷりーず。


以上!

 

 

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蒼穹の昴で一年を締めくくれて好(ハオ)

 

 

★★★★★

 


・2022年12月20日(火)18:30

東京宝塚劇場

・梁文秀:彩風咲奈

 李玲玲:朝月希和

 李春児:朝美絢

 

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🐼原作を予習した顛末


急遽見にいけることになって、ちゃんと予習したい派の私は急いでフリマアプリで2巻セットを買ったんですよ。そして読むの遅いのに、頑張って2週間前までに第一巻を読み終えたんですよ。「よし!半分読んだ!これなら観劇までに第二巻も読了できて予習完了!」と思ってふと確認したら

 

 

 


全四巻だった。

 

 

 


確かに全二巻なら「上下巻」になるよな…どうして二冊で終わると思ったんだろう…というわけで読了は諦めて一生懸命読み進めたのですが、第二巻も1/4くらいしか読めなかった。

開始3分で追いつかれて(´・ω・`)ってなった。

実際には原作と前後して舞台は進んでたから、もう少し持ったけど。


でもでも、途中まででも原作読んでてすごく良かった!人物名に馴染みがあった方が、初見なら絶対分かりやすい。あと人間関係がある程度詳しく分かってると落ち着いて物語を追える。


原作読んでたら科挙のシーンだったかな?で「文秀は集中するために弁髪を頭に巻いた」みたいな描写があって、そんな宝塚は嫌だwwwと思って臨んだのですが、やってなくてよかったです(当たり前や

でも皆さんお髪がさりげなく編んであって、弁髪風でしたね。


あとは宦官の去勢のことは、やはり宝塚だからすみれコードにより限りなくオブラートに包んで、さらっと一度言うくらいにとどめておくのかと思ったら、「アレをちょん切っちゃう」みたいなこと結構何回も言ってて笑った。


本読んで春児がどんだけ頑張ったか知ってるから、王宮で文秀と再開した時は少し涙がちょちょぎれた〜。京劇の衣装、すごく豪華で綺麗だった!近くで見てみたいからいつかどこかに飾ってほしい(雑な依頼


新政になって以降は原作未履修の部分だったので、ひたすら展開にしがみつく。

 


タンストン(T . T)

 


文秀も窮地に立たされるけれど、とにもかくにも生きる!!という意思を強く持ってくれてよかった。生き抜くという選択をしてくれてよかったよ〜(T . T)

 

 

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🐼各人各様の輝き


中国の歴史物という性質上、皆さんほとんどヒールがない靴だから、彩風さんの高身長と抜群なスタイルが際立ってました。場面が転換して、初めて見る並びでも「あれが文秀だな」とパッと見で分かるのは舞台人として強い。


というか文秀、それまでは補服(というらしい、あのお腹に四角い刺繍がついてる官服)のお役人だったからあまり大きな体の動きがなかったのに、船上でスーツになった途端に所作がTHE色男になってて面白かった。帽子の扱いとか、玲玲の抱き寄せ方とかが、完全にヤリ手のイケメンがやるやつ。宝塚の男役感出せるの、本編だとあそこだけだったもんな〜。

でも官服だったからこそ周りと差がつく彩風さんの高身長とスタイルの良さ。新たな魅力を発見できた気がします。高身長フェチなもんで。三白眼もセクシーでよきですね。


デュエダンの時の彩風さんも、朝月さんに抱きつく時が毎回ちょっとだけ荒々しくて強引なところがマジな感じが出て、色気ムンムンセクシーでした(言い方


和希そらさん歌うまだとはずっと思ってたけど、今回改めて聞いたら芝居の時の声もいい。玲玲に言った「ありがとう」の声の良さに惚れた。そこだけ録音して落ち込んだ時に聞きたい。


フィナーレで朝美さんが着てた景徳鎮柄の燕尾服が脳裏から離れない。景徳鎮柄って世の中にあるんだ…。


伊藤博文がシャンシャン持ったフォルムがかわいすぎた笑


パレードは大羽根がなかったけど、パレード専用に作られたトップお三方の衣装がすごく綺麗でした。キラッキラ。特に印象的だったのは彩風さんのマント捌き。大きくて重たそうなマントを、移動の度に片手でバッサバッサと肩の高さまで翻らせて捌いていて、それが羽根みたいで美しかった。

 

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原作読んでると、どの場面も事の壮大さがよくわかって、感動がなおさら大きくなるような気がするし、また壮大な物語をよくここまで細やかにまとめあげたなぁと思います。登場人物も多いし話も複雑なのに、展開が分かりやすくて話が追いやすかったです。

登場人物も全くイメージ通りの舞台で、原作ファンのお墨付きがつくのも納得。その後原作を読み進めても脳内に現れる文秀は彩風咲奈だし、春児は朝美絢の姿をしている。その他のキャラも同様。みんなハマってたし、衣装も綺麗だし、ストーリーも面白いしで二、三度は観たかった。


宝塚見ると大体「ちょっと設定強すぎてついていけないww」みたいなポイント絶対出てきて、それももはや楽しんでるけど、これは(景徳鎮柄以外は)全部スッと入ってきて、それでいて見応え十分の大作で大変よろしかった。恐らく2022年に見た公演の中でもトップ3に入るくらい好きでした!オンデマンド配信が出たらぜひまた見たい。それまでに原作読み終えなくては。

 


以上!

 

 

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물랑루즈! / ムーラン・ルージュ!でパリの歓楽街にトリップ

 

 

★★★★★

 


・2022年12月18日(日)14時

・ブルースクエア

・クリスチャン:이충주(イ・チュンジュ)

    サティーン:아이비(アイビー)

 ジドラー:김용수(キム・ヨンス)

    モンロス公爵:손준호(ソン・ジュノ)

    トゥールーズ=ロートレック:정원영(チョン・ウォニョン)

 

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12月20日からの上演だったので、ギリギリ間に合わなかったな〜と思って諦めていたのだけど、17-18日でプレビューをやると17日に知り、予定を変更して急遽18日公演をブッキング!少しだけど空きがあってラッキーだった。

本当はこの時間帯if/thenを見るつもりでチケットも取っていたのですが、ビッグチャンス到来に堪えきれず。

 

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会場に入ったらまずセットの豪華さに圧倒されます!

舞台には何重にも重なった大きなハート、客席の両側には大きな風車と、青く浮かび上がる巨大な象さん。天井の装飾のドレープも客席の方までせり出していて、全てが電飾でキラキラ輝いていました。黄色やオレンジのライトがゆっくり動きながら客席を照らしていて、音楽も相まって雰囲気抜群です。客席に入るだけでテンション上がりました。

フォトコーナーも豪勢なものが3つも作られていて、もうこれだけで見学料10,000ウォンくらい取れる。いや、実際見学料込みだな?VIP席18,000ウォンって!

 

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内容は、曲も筋も映画を踏襲してるけど、曲は映画公開以降のヒットソングが加えられているみたい。Tango de Roxanneが残ってたのは嬉しかった。ロートレックとかニニのキャラクターもミュージカル仕様かな?

 

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どの曲もよかった!ほぼヒットソングメドレーだから知ってる曲多いし、ノリのいいものも多いしで、ミュージカルにあまり馴染みのない人でも楽しめると思う。ストーリーは大したことないから、大体の筋書き知ってれば分かるし。笑

二幕頭のLADY GAGAのBad Romance からのブリトニーのToxicのパフォーマンスが好きだった。どちらも好きな曲というのもあるけど、ダンスや照明もカッコよくて本格的なショーのようでした。

 

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アイビーはちょっとニコール・キッドマンに似てる気がした。サティーンの登場シーンもこれまたアイコニック。空中ブランコで宙に浮いて、黒コルセットにトップハット。全身に煌めくダイヤモンド。ヒールはもう少し高くしてあげた方がさらにセクシーに見えそう。


チュンジュ氏も青年作家クリスチャンにぴったりよね。夢に溢れてパリに来る感じ、サティーンにゾッコンな感じ、サティーンの態度にいちいち不機嫌になる感じ、絶望して舞台に立つ感じ、全て素直に演じつつ、持ち前の爽やかさは常に胸ポケットから覗いておりました。

 

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というかダブルキャストはグァンホ神で、もちろん神の御声を本作でも聴きたいのは山々なんだけど、ポップソングがほとんどの作品だと少し勿体なくないかな…。ワイルドホーン作品みたいにゴンゴン歌い上げまくるグァンホを知ってると、「もっと声量を浴びせてくれ!ブルースクエアを震わせてくれ!あなたの声量に溺れたいんだ!押し潰されたいんだ!もっと!もっとぉおおぉぉ!」ってなりそう。多分ブルースクエアもそれを待っている(待ってない

 

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四人組LADY Mに一人ドラァグがいるということ、観た後に言われて知りました。全然気づかなかった!ツインテールのベイビードールという役がドラァグになるみたいです。キャストボードをよく見ると、確かに男性なんですよね。もっとちゃんと見ておけばよかった〜。

 


以上!